中国のメーカーGudsenのMOZAシリーズは、コンシューマー用および業務用スタビライザーシステムで、非常に高い評価を得ている。
ラスベガスで開催されているCES 2019で、同社はMOZA Mini-Sを発表した。コンパクトな3軸のスマートフォンジンバルだ。
MOZA Mini-Sは同社のノウハウが詰まった、折りたたみ式のスマートフォンジンバル。
デザインが改良されているほか、より早くより簡単なバランス調整とセットアップを可能としており、撮影前の煩わしさを軽減している。
同社によると、ハンドルはわずかに前方に傾斜しているため、ジンバル操作時、人間工学的に自然な手の位置になるという。
ショートカットボタンやクイックリプレイなどの機能で操作を簡素化すると同時に、縦位置の写真撮影やカメラコントロールなどの便利な機能も追加されている。これにより撮影スタイルを多様化でき、さまざまな撮影条件に適応できる。
MOZA Mini-Sは、最大18インチ(約45.7cm)まで伸長できる内蔵の伸縮式ポールを備えているので、手振れのない自分撮りも可能だ。
また、高いところ、フェンスや窓、崖の上などの撮影も、これがあればある程度は可能だ。ただ、手元で画面を確認できないのが難点ではある。
MOZA Mini-Sは、滑らかな映像を撮ることができるだけでなく、ハイパーラプスモード、スローモーションモード、インセプションモード、スポーツギアモード、“めまい”モードといった様々なモードも備えている。
インセプションモードはスマートフォンをZ軸で回転させるモードで目を引く機能だが、実用性があるか少し疑問だ。
めまいモードは、MOZA Mini-Sとソフトウェアを組み合わせることで、「コントラズーム」と呼ばれるショットを可能にする。これはカメラを被写体に向かって動かしながらズームアウトする、またはその逆の動作をすることにより、不思議な感覚のショットとなる。これはアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)の映画「Vertigo」(1958年)で有名になった手法だ。
ジンバルはMOZA Genie アプリで動作し、設定、制御、更新ができる。カメラアプリとしても機能し、iOSとAndroidバージョンが用意されている。
MOZA Genieアプリでどのようなコーデックやどのようなプロ機能が使用できるかは定かでないが、FilmicProやMavisのようなプロ用のアプリが用意されるなら、よりプロフェッショナル的に使うことができるだろう。
MOZA Mini-Sは明らかにコンシューマー市場を狙った製品で、内蔵のセルフィースティックはコンシューマーに便利の機能だ。しかし、アプリにより高いビットレートでの記録が可能なら、優れたスマートフォンと組み合わせて高画質な映像を記録することができるので期待したいところだ。
なお、現時点では、価格と発売時期についての情報はない。