私たちはテレビの黄金時代に生きていると言う人もいるが、LEDライトの黄金時代に生きているのも事実かもしれない。NANLITEのForza 500は、手頃な価格のLEDライトで、優れたドル対ルーメン出力比を備えている。 筆者はForza 500を数週間使用したのでレポートする。
Forza 500は、1,849ドルのBowens SタイプマウントデイライトバランスLEDライトで、55度のリフレクターアタッチメントが付属する。この記事の執筆時点では、Vマウントバッテリーまたは付属のACアダプターからのみ電力を供給できる。
Forza500の重量はバラストとランプヘッドを合わせて9Kg強で、有線接続でDMX制御することができる。出力に関しては、同じコスト対ルーメン比でこの価格帯のライトはそれほど多くない。
NANLITE、NANLUX、およびLEDGoはすべて同じ会社の異なるブランドのため、これらのライトを使用したことがある場合は、ある程度共通性があることが分かる。
ターゲットユーザー
発電機不要の高出力LED昼光光源なら、NANLITE Forza 500は候補に上がる。これはキーライトとして機能するが、屋外で使用する場合は太陽光による影を打ち消すほどの光力はない。室内での撮影用の簡単なライトなら、Forza300でも使えるだろう。ただし、Forza 300で100%出力で使用することが多いなら、もう一クラス強力なForza 500の方が良い。
ライトを選択する場合、他の備品と一緒に使った場合正しく機能するか、レンタルでも耐えられるほど十分堅牢か、そしてアクセサリーとの互換性はあるかということが評価ポイントになる。Forza 500はこれらの期待を裏切らないライトだ。
品質
HMI、蛍光灯、およびタングステンのライトは、(地域によっては)標準的に使われており、現在もそれは変わりない。その理由は信頼性にある。タングステンランプヘッドを落とすと、電球を交換する必要があるかもしれないが、ユニット自体は壊れない。もちろん、HMIやタングステンはコスト、熱、および消費電力に関して欠点があるが、信頼性は証明されている。LED器具についても同じことが言えるかどうかは、まだもう少し様子を見る必要があるだろう。
Forza 500の外装はプラスチックのような感触だが、そのためもあってランプヘッドの重量はわずか約2.3Kgに収まっている。ファンに直接つながる露出したヒートベントは、防水性能がほとんどないことを示唆しているが、全体的な作りは非常によく考えられており、ヨークには滑りの問題はない。ファンノイズはそれほど大きくないが、今回は被写体から30cmほど離して配置した。
ライトはコンパクトなケース(上の写真)に入れて出荷されるが、大きなペリカンケースほどの防護性はない。航空機での移動がある場合などでは、サードパーティのハードケースを利用することをお勧めする。
出力と操作性
NANLITEのバラスト/コントロールボックスは、長い形状をしており、デュアルVマウントバッテリーを使用できる。スタンドに取り付けた場合バッテリーが外側にないのは、衝撃からバッテリーを保護する意味では良いことだが、バッテリーの交換には不利だ。また、バッテリーを使用する前にACモジュールを取り外す必要があり、これには少し時間がかかる。インターフェース自体は操作しやすい。
Vマウントはゴールドマウントより使用されているが、筆者はゴールドマウントのユーザーなので、ForzaシリーズがVマウントのみを採用しているのは不満がある。ゴールドマウントを使用する場合はWooden Cameraなどから発売されている変換アダプタープレートが必要だ。
Forza 500へは26Vのバッテリーで給電する必要があり、これらは高価になる傾向がある。従って、そのコストも考えておく必要がある。 NANLITEは、230Whおよび270Whの26Vバッテリーを発売している。
機能的には、ちらつきのあるテレビ、稲妻、テレビ画面などのエフェクトも用意されている。 また0%から100%まで1パーセント刻みで調光することもできる。
出力と色温度
Sekonic C-700U分光計で、Forza 500が3フィートの距離で昼光の色温度(K /ケルビン)と出力(lxとfc)がどれだけ正確かを測定した。なお、リフレクターを使用し100%出力に設定し、5600Kをターゲットとしている。下はその結果。
5600Kのターゲットで5436Kとなったが、これは通常の許容誤差内で優れた結果と言える。なお付属のキットリフレクターを使用している。
3フィートで40,800ルクスの出力も優れており、とても明るい。ここでは、カラー処理と出力の両方で高い評価を得ている。
アクセサリー
NANLITEはテスト用に、Forza500と一緒にPara120ソフトボックス(169ドル)、Para 150ソフトボックス(199ドル)、およびフレネルアタッチメントを送ってくれた。
シルバーのNANLITE Para 120ソフトボックスは簡単に47インチに拡張でき、Para 150は59インチに拡張できるが、セットアップと移動が少し面倒だ。場所を頻繁に変えるフィールドワークには、Para 120をお勧めする。また、ソフトボックスを長期間使用するスタジオソリューションの場合は、Para150とForzaを組み合わせてキーライトとして使用することをお勧めする。
10〜45°(209ドル)のフレネルアタッチメントはプラスチックのような感触だが、このアクセサリーには金属製の4方向バーンドアが含まれている。 NANLITEフレネルアタッチメントはAputureフレネル2Xのほぼ2倍の価格なので注意が必要だ。ただし、Aputureには、より手頃な価格のアクセサリーを備えたバーンドアが含まれておらず、Aputure Fresnel 2X(12〜40°)の場合、ビーム角度の自由度はそれほど高くない。以下はAputureとの比較。
なお、NANLITEがレビューのために送ってくれた3つのアクセサリーの品質は素晴らしいものだ。照明器具メーカーの中には光自体には気を遣うが、アクセサリーは手を抜いているものもある。しかしNANLITEは当てはまらない。なお、ここで使用したすべてのアクセサリーはForza300でも機能する。互換性関しても優れたものだ。
他社製品
最近リリースされたAputure 600d Proが直接の競合になるだろう(レビューはこちら)。NANLITEはAputureとの比較で最も頻繁に見られるが、同様の価格帯であることを考えると理にかなっている。 Forza 300の価格は、Aputure 300d MK IIの価格が1099ドルであるのに対し、1000ドルとなっている。ランプヘッドの外観が似ており、どちらもBowensマウントに対応している。
ただし、AputureとNANLITEのどちらもBowensアクセサリーが用意されているが、クロスオーバーしての互換性は無いようだ。したがって、アクセサリーを購入する前に確認する必要がある。
Aputureは、一般的なコントロールに優れており、600d ProはワイヤレスDMX機能を備えSidus LinkBluetoothアプリでコントロールできる。一方、NANLITEアプリ(AndroidまたはiOS)を使用してForza 500をリモートで制御するには、300ドルのWi-Fiアダプターアクセサリーが必要となる。
Forza300を購入し、NANLITEのアクセサリーを使用している場合は、NANLITEのアクセサリーで統一する必要があるが、NANLITEからさまざまなソフトボックスやグリッド、フレネルアタッチメントなどのアクセサリーが増えている。
まとめ
市場には多数のLED製品が出回っているが、NANLITEのForza500は有望なライトだ。 Bluetooth接続が改善され、ワイヤレスDMXが追加される可能性があるため、Forzaプラットフォームでの構築は今後充実されるだろう。
ゴールドマウントも、将来的に期待したい。 NANLITE Forza 500は、映像クリエーターにとって有用な選択肢だ。
Link: NANLITE
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