中国の照明機材メーカーNANLUXは、従来のハイパワー映画用照明に匹敵する出力レベルを約束する5000WバイカラーLEDスポットライトEvoke 5000Bを発表した。IP66準拠で、フルカラー温度制御やグリーン/マゼンタ調整機能など、プロ用映画照明に向けた機能が統合されている。（工場ツアーの記事はこちら）
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NANLUX Evoke 5000Bの技術仕様を考えると、従来のハイパワー映画用ライトと直接競合する位置にある。
仕様
NANLUXは、新開発のNebula B4 Light Engineにより、出力は9kWのHMIまたは24kWのタングステンライトに近いとしている。この独自のシステムは、4種類の白色光チップを組み合わせ、2700K～6500Kの色温度範囲と±80のグリーン／マゼンタ調整を実現する。
色精度の仕様は、CRI/TLCI値97/98、TM-30 Rf/Rg平均96/102となっている。輝度0.1%までの調光範囲でこれらの値を維持している。特筆すべきはハイスピードモードで、PWM動作からDC動作に切り替わり、10,000fpsを超えるフレームレートでもちらつきのないパフォーマンスを実現する。
デザインと構造
デザインは、電源とコントロール・ユニットを一体化したオール・イン・ワンのハウジングを採用し、現在のプロダクション要件を反映している。マグネシウム合金製で、ヨークを含むユニット全体の重量は46kg。これは、バラストと配電を別々に必要とする従来のライトと比較して、重量と持ち運びで大幅な軽減となる。
操作性
背面には4.3インチのディスプレイがあり、3つのコントロールノブと4つのボタンで直接操作できる。リモートコントロールには、DMX/RDM、Art-Net/sACN、LumenRadio CRMXワイヤレスDMXが用意されている。新しい有線コントローラーが付属する。
冷却システムは、Smart、Full Speed、Low Speed、Off、Pauseを含む複数の動作モードを採用している。温度に応じてファンの回転数を自動調整するSmartモードでは、騒音レベルは44dB(A)で、撮影現場での録音に配慮されている。
アクセサリーと互換性
NANLUXは、既存のNLマウントアクセサリーとの互換性を維持しており、Evoke 5000Bは2400Bモデル用に設計されたほとんどのアクセサリーを使用できる。Evoke 5000B専用の新しいアクセサリーには、16°～50°のズーム範囲の45cm電動フレネルレンズがあり、16°で最大出力47,970ルクスを実現する。電動ヨークは540°の水平回転と270°の垂直移動が可能で、両アクセサリーはライトの制御プロトコルで制御可能だ。
耐候性と耐久性
IP66等級は、悪天候下での動作を保証しているが、これらの能力を検証するには、様々な環境での実地テストが必要だ。この治具には、バランス調整レール、ヨーク内のディスクブレーキシステム、輸送と積み重ねのための保護スキッドベースなどの機能が含まれている。
価格と発売時期
価格は、標準パッケージが14,800ドル、フライトケースと合わせて15,500ドルに設定されている。フレネルレンズアタッチメントFL-45Eは別売りで2,580ドル（税別）。Evoke 5000Bは2025年3月に出荷が開始される。
業界への影響と将来への影響
今回の発表のタイミングは、エネルギー効率や生産方式に対する業界の注目が高まっている時期と一致する。LED技術は低消費電力の照明要件には広く採用されているが、高出力分野は従来の光源に大きく依存している。Evoke 5000Bの生産環境における実用的な性能は、このパワークラスで確立されたHMIやタングステン照明器具の代替となりうるかどうかを決定する重要な要素となる。
Evoke 5000Bは、ロンドンで開催されるBSCエキスポ（ブース番号109と210）で展示され、直接評価することができる。
