キヤノンは、2本のRFマウントフルフレームレンズをリリースした。ひとつはRF 70-200mm f / 2.8L IS USM望遠レンズで、これはRF 15-35mm f / 2.8LおよびRF 24-70mm f / 2.8Lに続き、キヤノンのf / 2.8Lの3番目のレンズだ。もうひとつのレンズは、ポートレートプライムのRF 85mm f / 1.2L USM DSだ。
キヤノンは、フルフレームミラーレスRFマウントカメラ用の高品質のネイティブレンズのラインアップを拡充しており、2019年に6本のRFレンズを市場に投入するとしている。2019年8月に、15-35mmおよび24-70mm f / 2.8L RFズームを発表している。そして今回、RF 70-200mm f / 2.8L IS USMをリリースした。それに加え、今回ポートレートプライムRF 85mm f / 1.2L USM DSもリリースした。
RF 70-200mm f/2.8L IS USMの概要
RF 70-200mm f / 2.8L IS USMにより、キヤノンのF2.8Lズームトリオが完成する。これら3本のレンズの組み合わせにより、f / 2.8で15mmから200mmの範囲をカバーする。
RF 70-200mm f / 2.8L IS USMの重量は約1,070gで、最短の長さは146mm。これは、既存のEFマウントモデルよりも約28%軽く、27%短い。 EFマウントモデルとは異なり、この望遠レンズはズームすると長さが変わる。 また、白色の遮熱コーティングを施し、耐候性を高めている。
RF 70-200mm f / 2.8L IS USMは、デュアルナノUSMで2つのレンズグループを個別に駆動する電子フローティングフォーカスコントロールを搭載した最初のキヤノンレンズだ。これにより、静音、省電力、高速動作が可能になり、かつコンパクトなサイズを実現している。
デュアルナノUSMはまた、EOS RシリーズデュアルピクセルCMOS AFと組み合わせて、高精度の静止画像AFとスムーズな動画用AFを実現している。またこれにより、ビデオ撮影時のフォーカスブリージングを減少している。 RF 70-200mmは、5ストップのIS(Image Stabilizer)も備えており、手持ち撮影の範囲を広げている。
また非球面レンズ、UDレンズ、スーパーUDレンズにより収差を補正している。更にSWCコーティングを施し、反射防止とフレアやゴーストを低減する。
RF 85mm F1.2L USM DSの概要
キヤノンのラインアップには、すでにRF 85mm f / 1.2L USMレンズが存在するが、RF 85mm F1.2L USM DSには、キヤノンのオリジナルDSコーティングが施されている。 DSコーティングは蒸着コーティング技術で、中心部の透過率が高く、周辺部の透過率は低くなっている。DSコーティングは片側だけでなくレンズの前面と背面にされており、ボケの輪郭を滑らかにする。
このレンズはポートレートに最適で、同社はこのレンズが生み出すボケ効果は「映画のような」ルックだと述べている。被写体は背景からより自然に浮き出る。 (下はキヤノンが作成したビデオ)
レンズの最短合焦距離は85cm。RF 85mm f / 1.2L USM DSは、フレアとゴーストを低減するASC反射防止コーティングと、非球面レンズの効果的な配置を特長としている。
RF 70-200mm f / 2.8L IS USMおよびRF 85mm f / 1.2L USM DSはどちらも機能のアサインが可能なリングを持ち、絞り、シャッター速度、ISO、露出補正を割り当てることができる。 また、RF 70-200mm f / 2.8L IS USMは、簡単に着脱できる新設計のコンパクトな三脚マウントを備えている。
価格と発売時期
RF 70-200mm f / 2.8L IS USMおよびRF 85mm f / 1.2L USM DSは、12月初旬に出荷開始予定。価格はRF 70〜200mmが2,699ドル、RF 85mmが2,999ドルとされているが、日本ではオープン価格となっている。