シグマは今年の初めにシネプライムの新しいラインアップ「FF Classic Prime Line」の開発を発表した。「FF Classic Prime Line」は、現代のフルフレームデジタルカメラに対応し、ビンテージルックを備えている。また既存のシネプライムもアップグレードされ、Cookeの/ iテクノロジーに対応する。
この記事では、新しい「FF Classic Prime Line」(以下Classic Prime)と、従来の「FF High Speed Prime Line」(以下High Speed Prime)に対するアップグレードの2項目について紹介する。Classic Primeは、比較的容易に入手できるHigh Speed Primeと同様、14mmから135mmまでの10本のレンズで構成されている。違いは、High Speed Primeは、クラス最高のシャープネスと全体的なパフォーマンスを目指しているが、Classic Primeは、よりビンテージなルックを付加している。
Classic Primeの概要
まず最初に、 Classic Primeは、High Speed Primeと同じ光学部品を使用している。ただしコーティングは違っており、それだけでもルックは劇的に変化している。なお、内部レンズのコーティング処理により、T値がわずかに暗くなっている。 10本の多くはT2.5(20mm〜105mm)で、両端の2本はT3.2となっている。(シグマの発表文はこちら)
すべてのレンズは、前面と背面のレンズに特別なコーティングが施されており、傷や汚れから保護されている。なお、Classic Primeは10本のセットのみで販売されており、バラ売りはされていない。従って、主にレンタルハウス向けになるだろう。
レンズのルックについては、以下のサンプルビデオ(シグマ提供)を参考にしていただきたい
ビデオの位置解説をすると、0:22:広範囲でありながら繊細なフレアの良い例、0:49:ゴースト、0:59:フレーム全体が光に浸される。Classic PrimeはHigh Speed Primeと同じ構造に基づいているため、好みに応じて選択できる。
Classic primeは、シルキーなルックを付加するだけだが、最新のセンサーにも対応した、非常に解像度が高く、非常に高性能なレンズだ。またPLマウントにはCookeの/ iデータテクノロジーが組み込まれているため、VFXなどに必要なすべてのレンズメタデータをカメラに直接記録できる。
Classic PrimeはPLマウントのみで提供され、2019年末までに発売される予定。
Cooke /iテクノロジー
もう一つの話題は、前述のCooke / iデータテクノロジーを既存のPLマウントHigh Speed Primeへの対応だ。 (シグマの発表文はこちら)シグマのHPには、以下のように述べられている。
「すでに弊社のPLマウントレンズをお買い上げ頂いたお客様に向けて、「/i Technology」対応化サービスの提供も検討しています。」
新しいClassic Primeと同様に、既存のHigh Speed Primeにもこのテクノロジーが適応され、絞りや焦点距離など、レンズのあらゆる情報を実際の映像とともに記録できる。特にVFXなどには最適だろう。
まとめ
Classic Primeは全く新しい新製品ではないが、好評価されているHigh Speed Primeをベースにしたレンズなのでその品質を疑う余地は無い。Cookeの/ i テクノロジーは、これらのレンズを通して撮影やポストプロダクション処理をより効率的に行えるようにする。決して安価ではないが、驚くほど高価というものでもない。
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