ニコンがフルフレームFXフォーマットのミラーレスカメラZ7とZ6をリリースした。同社はまた、3本の新しいNIKKOR Zレンズをリリースする他、NIKKOR Fレンズ用アダプターも用意されている。
ニコンZ7とZ6フルフレームミラーレスカメラ
両方の新型カメラには、フォーカルプレーン位相検出AFピクセルを備えた裏面照明付きニコンFXフォーマットCMOSセンサーとEXPEED 6画像処理エンジンが装備されている。また、電子OLEDのファインダーを装備しており、約3690kドット、100%のフレームカバレッジ、倍率0.8x、対角視野角37.0°を持つ。チルト機構が装備された3.2インチLCDモニターは約2100kドットのタッチスクリーン仕様となっている。
Z7とZ6は最大30fpsの4K UHD(3840 x 2160)、最大120fpsのフルHD(1920×1080)映像を記録できる。 なお4K UHDはフルピクセル読み出しをサポートする。さらに、どちらのカメラもフォーカスピーキング、タイムコード、アクティブDライティングをサポートしている。 ニコンでは、10-bit HDMI出力で使用できるN-Logという新しいフラットガンマカーブプロファイルも用意しており、N-Logを使用することで、12ストップのダイナミックレンジを達成できるとしている。
下は同社が公開しているプロモーションビデオ。一部ハイライトが飛んでいる部分が認められるのは残念なところ。
https://www.youtube.com/watch?v=kMXNWl5U30Q
どちらのカメラにも、ボディ内5軸手振れ補正機能が装備されている。また、D850と同じレベルの耐久性、防塵性、防滴性を備えている。高速連写は約9 fps(Z7)と12 fps(Z6)。 同社のアプリSnapBridgeを使用してスマートデバイスに直接接続したり、イメージやムービーをコンピュータに転送したりするためのWi-Fiが内蔵されている。
Z7は、2機種のうち高価なほうのもので、有効ピクセル数は45.7メガピクセル。これはISO 64-25600(ISO 102400相当に拡張可能)をサポートし、ハイブリッドAFシステムは493のフォーカスポイントを持つ。 Z6は24.5メガピクセルの汎用FXフォーマットカメラで、ISO 100-51200(ISO 204800相当に拡大可能)をサポートする。273点のフォーカスポイントを持つハイブリッドAFシステムを装備する。
新NIKKOR Zレンズとアダプター
ニコンは、ニコンZマウントシステムに対応した3本の新しいレンズ、さらに従来のNIKKOR Fマウントレンズ用のマウントアダプターもリリースした。 Zマウントシステムは、より大きな内径55mmと短いフランジバック(16mm)を特長としている。 3本の新レンズは:
- Standard zoom NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- Wide-angle prime NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
- Standard prime NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
新しいレンズには、ゴーストやフレアを抑えるためにナノクリスタルコーティングが施されている。また密閉構造のため耐塵、耐水性に優れている。 24〜70mmズームは、0.3mの最短合焦距離を備えている。
FTZマウントアダプターを使用すると、約360種存在するAEまたはAF / AEでAIタイプ以降のNIKKOR Fレンズを使用することができる。カメラボディ内VR(Vibration Reduction)は、VRなしのNIKKOR Fレンズを取り付ける場合にも有用だ。手ぶれ補正は、静止画と動画両方に適用される。アダプターに関しても効果的にシールされているので、防塵防滴効果がある。
さらにニコンは、NIKKOR Z 58mm f / 0.95マニュアルフォーカスレンズの開発を発表した。歴代のニコン一眼レフカメラ用交換レンズのなかでも最も明るいレンズとなるだろう。それは1977年にリリースされた標準的なプライムレンズであるオリジナルNoct-Nikkor 58mm f / 1.2のデザインコンセプトを継承している。このレンズは2019年にリリースされる予定。
価格と発売時期
新しいNikonミラーレスカメラ、3本のNIKKORレンズ、NIKKOR Fアダプターは、現在予約注文が可能。日本での出荷は9月下旬の予定。Z6本体は約2,000ドル、Z7は約3,400ドルとなっている。(日本ではオープンプライス)レンズとセットになったパッケージも用意されている。
これらの新型フルフレームミラーレスカメラをリリースすることで、ニコンはソニーがリードするフルフレームミラーレスマーケットに参入した。キヤノンにもフルフレームミラーレスに参入して欲しいところだ。これらの新しいニコンミラーレスカメラがビデオの分野でも高評価を得られることを期待したい。公式のプレスリリースでは、まだビデオ関連の機能はあまり多くは明らかにされていない。 N-Logを搭載した4Kの10ビットHDMI出力は大いに期待できるので、是非テストしてみたい。
ニコンの持つ利点の1つは、ハイエンドニッコールレンズを所有する多くのユーザーだ。これらのユーザーは、コンパクトなフルフレームミラーレスカメラを選ぶ場合、間違いなくこれらの新製品を選ぶだろう。
これらの新しいニコンミラーレスカメラが、ソニーのα7に、特にビデオ分野で対抗できるレベルであれば、ソニーの反応が楽しみだ。 10ビットの記録、より高い内部4Kフレームレート、そして価格の面でも、影響を与えるだろう。
ニコンのミラーレスカメラに関するプレスリリースはこちら、NIKKOR Zレンズとアダプターのプレスリリースはこちら。
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