ニコンは、手持ち撮影に最適な軽量・コンパクト設計、5.5段分の補正効果を発揮する光学式手ブレ補正機構、静音・高速AF(静止画・動画)などを特徴とするフルサイズZマウントミラーレスカメラ用の超望遠レンズ「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」を発売した。
ニコンは今年年初に、Zマウント400mm F2.8の超望遠レンズを発売した。その直後に発売されたNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sは、現在もニコンのZマウントミラーレスカメラで使用できる最長の焦点距離を誇る。
また、今後、Zマウントレンズのラインナップを大幅に拡充する意向を表明している。今回はF2.8よりも軽量・コンパクトな新型レンズ「Nikkor Z 400mm f/4.5 VR S」を発売した。
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S:概要
新しいNIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sは、Nikon Zフルサイズミラーレスカメラで動作するように設計された超望遠プライムレンズだ。既存の「Z TELECONVERTER TC-1.4x」「TC-2.0x」との組み合わせにより、それぞれ560mm、800mm相当まで拡張することが可能で、野生動物やスポーツ用途に適した長焦点レンズとなっている。
本レンズは、プレミアムS-Lineシリーズとして、高い描写性能とコンパクトなボディを両立することが求められている。そのため、F2.8相当のレンズと比較して、手持ち撮影が容易になっている。ただし、この利点は光透過率を犠牲にすることになる(絞り範囲:F4.5~F32)。
このレンズは光学式振動低減(VR)技術を搭載しており、約5.5段分の補正が可能だ。ニコンは、RAW動画対応のフルサイズフラッグシップモデル「Z 9」のカメラ内手ブレ補正と組み合わせることで、最大6段分の補正が可能としている。
また、この超望遠レンズは、ステッピングモーター(STM)フォーカス機構を搭載しており、静止画・動画ともに静かで高速かつ正確なAF性能を実現する。
物理設計と光学設計
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sは、重量約1,245g、サイズ104×234.5mm/4.1×9.2インチで、約57%の軽量化を実現した。防塵・防滴のためのゴムパッキンや、三脚に取り付ける際にカメラのレンズマウントにかかる負担を軽減するための取り外し可能な三脚カラーを採用している。
光学設計は、13群19枚構成。ED(超低分散)レンズ1枚、スーパーEDレンズ2枚、SR(短波長屈折)レンズ1枚を含んでいる。これにより、光学収差や色収差を極限まで抑えている。
また、ニコン独自のナノクリスタルコートを採用し、ゴーストやフレアの発生を抑えている。さらに、前玉には撥水・撥油効果のあるフッ素コーティングを施している。
高度な操作性
ニコンレンズの多くがそうであるように、鏡筒には基本的な設定を素早く行えるボタンやスイッチが配置されている。L-Fnボタンは2つあり、1つは4カ所からアクセス可能。また、メモリーセットボタンにより、あらかじめ登録したフォーカスポジションを素早く呼び出すことができる。
レンズの左側面には、2つのスイッチがある。1つはフォーカスモード(MまたはAF)を選択するためのもので、もう1つはフォーカスリミッターだ。なお、このレンズのフルフォーカス範囲(2.5m/8.2’~無限遠)は、制限することができる(6m/19.7’~無限遠まで)。
さらに、プログラム可能なコントロールリング(絞り、ISO、EV補正のコントロールに割り当て可能)や動画用のフォーカスブリージング補正など、スマートな機能を搭載した新しい超望遠レンズとなっている。
価格と発売時期
新しい NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S超望遠レンズは、7月15日発売予定で、フジヤエービックでは405,900円で現在予約受付中。参考までに、F2.8バージョンはもっと高価で、価格は1,628,550円となっている。