ここ数日、インターネット上で「ニコンがデジタル一眼レフカメラの開発を中止する」という噂が流れ始めた。しかし、これに対して同社は、「あくまで憶測に過ぎない」とする公式のプレスリリースで即座に回答している。
ここ数年、ニコンはZマウントミラーレスシステムの開発に集中しており、デジタル一眼レフカメラの開発が進んでいなかったことは間違いない。同社の最新のデジタル一眼レフフラッグシップモデルの発売は、2020年2月に発表した「Nikon D6」にまでさかのぼる。
その一方で、Zマウントシステムはペースを上げて成長している。つい数週間前に、新しいAPS-CのZ 30を発表した。さらに、今年初めには、今後数年間で多数のZマウントレンズを導入する意向を表明している。しかし、ニコンのデジタル一眼レフの時代は本当に終了するのだろうか。
ニコン、デジタル一眼レフ開発中止へ:公式発表なし
キヤノンは年初に、EOS-1D X Mark IIIを最後のデジタル一眼レフカメラ開発機種とすることを発表し、RFシステムへのコミットメントを発表した。ミラーレスカメラシステムは映像技術の自然な進化であり、ニコンを含む他のカメラメーカーも近い将来、同様の発表を行うことが予想される。
昨日、日経は、ニコンが近々デジタル一眼レフカメラから撤退し、ミラーレスカメラの開発・生産に力を注ぐとする記事を掲載した。しかし、同社が一眼レフ製品を用意している可能性はかなり低いものの、日経は公式ソースを引用していない。
数時間後、ニコンは自社のウェブサイトで公式声明を発表し、その中でこう答えている。
本日、一部報道機関より、当社が一眼レフカメラ開発から撤退という報道がなされましたが、憶測によるもので、当社が発表したものではありません。
デジタル一眼レフカメラの生産、販売、サポートは継続しており、ご愛用のお客様には引き続きご安心してご利用頂ければと思います。
この回答は、必ずしも日経の記事を肯定するものでも否定するものでもない。ただ、現状に言及しただけで、今後の展開については曖昧なままだ。おそらく、ニコンのデジタル一眼レフは、63年の歴史に幕を下ろそうとしているのだろう。
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