ニコンは、フラッグシップミラーレスカメラ「Z 9」のファームウェアバージョン3.0をリリースした。映像面では、新たにハイレゾズーム機能を追加したほか、ATOMOS UltraSync BLUEを使用してBluetoothでタイムコードをワイヤレス同期する機能を搭載している。また、N-Log to Rec.709のLUTも改良され、無料でダウンロードできるようになった。
ニコンのミラーレス一眼の最上位機種「Z 9」(レビューはこちら)は、年を重ねるごとに進化を続けている。4月にファームウェアのメジャーアップデート(v2.0)が行われ、12bit N-RAWを最大8.3K60p、ProRes RAW HQを最大4.1K60pで内部記録する機能が追加された。
REDとはRAWに関する特許で係争中だが、ファームウェア3.0でZ 9はRAW動画機能を維持し、さらに静止画と動画の両方でいくつかの新機能を獲得している。この記事では、動画中心の新機能に焦点を当てているが、ファームウェアのリリースノートの全文はこちらでご覧いただける。
ニコンZ 9 ファームウェア 3.0:特徴
ファームウェア3.0に搭載された最も興味深い追加機能の1つは、「ハイレゾ・ズーム」と呼ばれる新しいデジタル・ズーム機能の導入だ。4KやFullHDの配信を前提に撮影する場合、ハイレゾ8Kセンサーを活かして、記録中に最大2倍までズームすることができるようになった。
この操作は、カメラのマルチセレクター、フロントFn1/Fn2ボタン、または一部のNIKKORズームレンズのコントロールリングやFnリングを使用するなど、さまざまな方法で実行することができる。カメラ内で3段階のスピード設定により、ズームスピードを調整できる。
この新機能は、プライムレンズを効果的にパーフォーカルズームにすることができるので、かなり便利そうだ。また、画質への影響はないとしている。
Bluetoothによるタイムコード同期
ファームウェア3.0では、複数のZ 9ユニットを同期させたり、他のタイムコード対応デバイスと通信させたりするのに便利な新しいタイムコードオプションも提供された。
まず、トリガー「WR-R10」を使って、カメラのタイムコードをリモートでリセットできるようになった。さらに、ATOMOS UltraSync BLUEとのBluetoothによるワイヤレスタイムコードシンクが可能になった。
AFの向上、正確なシャッタースピードなど
その他の注目すべき強化点としては、特に低照度・低コントラストのシーンでのAF性能の向上が挙げられる。さらに、ファームウェアv2.1で静止画モードに導入された「高周波フリッカー低減」オプションが、動画撮影メニューに追加されている。
さらに、シャッタースピードを1/196秒の精度で設定できるようになった。これにより、難しい光源での撮影時にちらつきが発生しにくくなっている。
N-Log LUTの改善
このZ 9カメラのファームウェアのアップデートと同時に、ニコンはN-Log to Rec.709 LUTの新バージョン(1.04)もリリースした。ラボテストで指摘したように、既存のLUTはあまりにも飽和した結果を生成する。Z 9で撮影した映像の最近の個人的な経験でも確認している。
幸いなことに、これで解決できるはずだ。ニコンによると、新しいLUTでは色再現性、シャドー、ハイライトを見直したとのこと。
価格と発売時期
最新のZ 9 3.0ファームウェアは、ニコンホームページから無料でダウンロードできる。また、新しいN-Log 3DのLUTは、同社のダウンロードセンターで見つけることができ、無料でダウンロードして使用することができる。最後に、Nikon Z 9のボディは、フジヤカメラで628,650円で販売されている。
ファームウェア3.0の詳細については、こちらのNikon Z 9 Reference Guideをご覧ください。