ニコンは、同社のフラッグシップフルフレームミラーレスカメラZ 9に、ファームウェアアップデートをリリースした。ファームウェア4.0では、自動トリガーによる新しいオートキャプチャー機能、N-Log撮影のための低いISO設定、改善されたハイレゾズーム設定、カメラ内スローモーションなどが提供される。このアップデートは、現在、無料でダウンロードできる。
Nikon Z 9は2021年にCineDのビデオ用のベストミラーレスカメラを受賞した。そして実際、ニコンが2つの大きなファームウェアアップデートを導入するのに長い時間はかからなかった。レビューはこちら。
まず、ファームウェア2.0で内部12ビットN-RAWとProRes RAWの記録が可能になり、バージョン3.0ではデジタル「ハイレゾズーム」機能、新しいタイムコード・オプションなどが追加された。今回のファームウェア4.0では、ビデオとフォトの両方の撮影者向けにいくつかの改良が加えられている。この記事では、最も関連性の高いビデオ向けの機能強化に焦点を当てている。ファームウェアのリリースノートの全文はこちら。
Nikon Z 9 ファームウェア 4.0 – 自動キャプチャ
ファームウェア4.0では、Z 9に新しいオートキャプチャ機能が追加され、静止画と動画の両方のモードで利用できるようになった。さらに、ニコンによると、この機能は近日中に新発売のZ 8にも搭載される予定だ。
オートキャプチャは、被写体が最大3つの条件を満たしたときにシャッターを切ったり、録画を開始したりするように設定できるスマートな撮影モードだ。これらは個別に設定することも、まとめて設定することも可能で、以下のようなものがある:
- モーション – 特定の方向への動きを検知すると、すぐに撮影を開始する。
- 距離-被写体がレンズから特定の距離に達すると撮影を開始する。この設定は、NIKKOR Zマウントレンズを使用する場合に最適だ。
- 被写体検出-特定の被写体を検出したときに撮影を開始する。人物、動物、乗り物から選べる。
この機能は、スポーツや野生動物の撮影に大いに役立ち、Z 9をフォトトラップに変身させることができる。さらに、カメラが届きにくい位置に設置されている場合、リモートトリガーが望ましい場合もある。
ニコン Z 9 ファームウェア 4.0 – N-LogでのISO設定値の引き下げ
これまで、N-Logビデオ記録で使用可能な最低ISO設定はISO800だった。ファームウェア4.0では、ニコンのlogガンマカーブ使用時にLo2.0(ISO200相当)まで下げることができるようになった。メーカーによると、これによりディテールが改善され、よりきれいなシャドウが得られるとしている。
新しいLo 2.0のISO設定は、カメラが撮影できる全体的なダイナミックレンジ(オリジナルファームウェアとN-RAW記録用のV3.0の両方を使用してテストした)に影響を与えず、むしろこの範囲をシャドー部にシフトするので、この主張は妥当だと思われる。
例えば、ISO800のN-Logで屋外撮影する場合、これまで2段のNDフィルターを使用する必要があったが、ISOをLo2.0(ISO200)に下げることができる。その結果、画面上では画像が暗く見えるため、フィルターを外して効果的に光を集めることで、ノイズ性能を向上させることが可能になる。
ハイレゾリューションの向上とスローモーション機能の追加
ファームウェア3.0で導入されたハイレゾリューションズーム機能は、4Kまたは1080pコンテンツ撮影時に、45.7MPセンサーを利用して2倍のデジタルズームを行うことができる。ファームウェア4.0では、ズーム速度の設定範囲を3段階から11段階に拡大し、デジタルズームをきめ細かくコントロールできるようになった。
最後に、Z 9には専用のスローモーション機能が追加された。簡単に言うと、100/120fpsのハイフレームレート映像をカメラ内で直接24、25、30fpsにコンフォームして、最大5倍のスローモーションを実現することを選択できるようになったということだ。ただし、この機能はフルHD記録に限定されるのが難点。
価格と発売時期
Nikon Z 9用ファームウェア4.0アップデートは、同社のダウンロードセンターからダウンロードが可能で、すべてのユーザーが無料で利用できる。
詳しくは、こちらのニコンのホームページをご覧ください。