ニコンはAPS-Cセンサー搭載の新しいミラーレスカメラ、Z 50を発表した。フルフレームセンサー搭載のZ 6 / Z 7の下位モデルに位置付けられる。また、新規にNIKKOR Z DXレンズシリーズも導入され、NIKKOR Z DX 16-50mm F / 3.5-6.3 VRとNIKKOR 50-250mm F / 4.5-6.3 VRが発表された。このズームレンズの新しいラインアップは、Z 50などAPS-Cセンサーを備えたZマウントカメラに対応する。
Z 50の概要
2018年に発売されたZシリーズは、フルフレームセンサーの Z 6とZ 7のみだった。しかし今回、20.9メガピクセルのAPS- Cセンサーを搭載したZ 50が追加された。このカメラは、D7500などAPS-CのDSLRカメラと直接競合することになる。
Z 50は、重量が395グラム(バッテリー/メモリカード除く)と軽量ながら、4K UHDで最大30fps、FHDで最大120fpsのビデオを録画できる。映像は、H.264 / MPEG-4コーデックでMOV / MP4ファイルとしてSDHC / SDXCメモリカードに記録される。現時点では、ミニHDMI(タイプD)ポートから非圧縮のビデオ信号を出力できるかどうかについては情報がない。
Z 50がAPS-Cセンサーであることを除いて、Z 6/Z 7との違いは、N-Logプロファイル、タイムコードサポート、ヘッドフォンジャックが搭載されていないことがあげられる。これらのことは映像制作においては大きなことだ。
ビデオビットレートはZ 6/Z 7と変わりなく、UHDで24/25/30p/144 Mbps、1080pで100/120fps/144Mbpsとなっている。1080pの通常速度(24/25/30p)では28Mbps、50 / 60pに切り替えると56Mbpsになる。
Z 50の対象マーケット
Z 50には、次のようなエントリーレベルの機能がある。
- 統合されたポップアップフラッシュ
- 内蔵のWi-FiおよびBluetooth接続により写真/ビデオを転送したり、スマートフォンを介してカメラを制御できる。
- マグネシウム合金製の耐候性ボディ。
- 写真モードとビデオモードの両方で機能する、瞳オートフォーカス。
- 3.2インチタッチスクリーンLCDディスプレイ。画面は可動で、自撮りモードでは180°反転できる。
- 0.39インチOLED EVF。
- 最大11フレーム/秒で静止画を連写。
- タイムラプスモード。
Z 50がZ 6/Z 7のBカメラとして使えるかは、Z 6 / Z 7でN-Logで撮影するかどうかによる。N-Logを使用して撮影する場合はZ6をもう1台用意する必要がある。
なお2本のNIKKOR Z DXズームレンズも導入された。これらのレンズは、APS-Cセンサーを搭載したZカメラとのみ互換性がある。Z 50で使用できるが、Z 6/Z 7では使用できない。
NIKKOR Z DX 16-50mm F/3.5-6.3 VR
1つ目は、NIKKOR Z DX 16〜50mm F / 3.5-6.3 VRパンケーキズームレンズ。このコンパクトで軽量な(わずか135グラム)レンズは、Z 50の小さな筐体に最適だ。 16-50mmの焦点距離は35mm 換算で24-75mmに相当し、広い範囲をカバーするズームだ。ただ、F / 3.5~F / 6.3なので、明るいレンズではない。
レンズ構成は、1枚のEDレンズと4枚の非球面レンズを含む、7群9枚。絞り羽根は7枚の丸いブレードで構成され、最短合焦距離は16mmで20cm。 Z 50の内蔵手振れ補正を補うため、ビルトインVRスタビライゼーションモーターが搭載されている。フロントフィルター径は46mm。また、フォーカスリングを絞りや露出補正などにアサインできる。
NIKKOR Z DX 50-250mm F/4.5-6.3 VR
2番目のレンズは、NIKKOR Z DX 50-250mm F / 4.5-6.3 VRズーム。この望遠レンズは、ポートレートや野生動物の撮影に適している。VRスタビライゼーションモーターを内蔵し、重量は405グラム、全長は110mmとなっている。
レンズ構成は、1枚のEDレンズを含む12群16枚。絞り羽根は7枚構成で、最短合焦距離は50 mmで50 cm。フロントフィルター径は62mmで、フロントフォーカスリングを他の機能にアサインできる。
価格と発売時期
Z 50は11月下旬発売予定で実勢価格は11万円前後。 NIKKOR Z DX 16-50mm F / 3.5-6.3 VRズームレンズの実勢価格は4万円前後、NIKKOR Z DX 50-250mm F / 4.5-6.3 VRは4万5千円前後で、どちらも11月下旬発売予定。レンズ付属モデルも用意されている。