Octopus Cinema はシネマカメラ“OCTOPUS CAMERA”のプロトタイプを発表した。取り外しができアップグレード可能な部品で構成されたオープンプラットフォームとして設計されている。現在、CMVやソニーのマイクロフォーサーズやフルフレームセンサーを使用して設計されている。
Octopus Cinemaは英国ロンドンに本拠を置く会社で、OCTOPUS CAMERAは同社の最初の製品となる。現時点ではまだ試作段階だが、2020年夏に完成すると同社は述べている。コンセプトは取り外しできアップグレード可能な部品を備えたオープンプラットフォームのデジタルシネマカメラ。
このカメラは、ひとつのイメージセンサーだけでなく、さまざまなメーカーのイメージセンサーモジュールをサポートしている。公式のプレスリリースは少しわかりにくいが、ソニーのIMX253、CMVの CMV20000に続いて、XIMEA(ドイツ/スロバキアを拠点とするイメージングモジュールの専門メーカー)のセンサーが試作品に使われているようだ。
プロトタイプはXIMEAの1.1インチとフルフレームのイメージセンサーモジュールを搭載している。レンズマウントについての情報はない。カメラ本体は110 x 110 x 110 mmと非常にコンパクトで、重さは900グラム。光沢のある白いCNCアルミニウムの筐体を持つ。
5Kフルフレームセンサーと4K MFTセンサーモデルは、どちらもCinema DNGで4K 30fpsのロスレス12ビットRAW記録が可能だ。10ビットHEVCまたは圧縮RAWでより高いフレームレートも可能。対応するフレームレートはセンサーによって異なる。フレームレートと解像度の詳細については、次の表をご覧いただきたい。
このカメラのキーポイントは、同社が述べているように、ネイティブモノクロセンサーイメージングなどのカスタム仕様を完全にオープンなSDKなどで追加し、スペシャリストの要件に応えることだ。ネイティブモノクロームセンサーは、カラーのそれよりも高い分解能と感度を提供でき、ディテールを高めてもモアレや不要な効果が出にくい。ネイティブモノクロームセンサーは高い光感度を持っており、例えば1.1インチネイティブモノクロームセンサーはおよそ2000のネイティブISOが可能だ。
Octopus CinemaのVimeoアカウントで、モノクロームクリップのサンプルを見ることができる。またフル解像度バージョンをダウンロードすることも可能。またYouTubeでも見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=L0pY0w_MoYU
このカメラは独自のハードウェアやソフトウェアを使用しておらず、16GBのDDR4 RAMを搭載した8コアのi7-8650U Intel CPU(32GBにアップグレード可能)を使用し、Linux上で動作する。また処理ボードとしてIntel NUCが使用されている。これは、新しいボードが利用可能になったとき、ボード自体を交換してアップグレードできることを意味している。
Octopus Cinemaは将来の用途として、カメラ内にCG機能を持ちUnity3D ARプロジェクトを使用した、リアルタイムのVFXについて言及している。
現時点ではプロトタイプのため、価格や発売時期に関する情報は無い。このような小さなメーカーが一からカメラを開発するのは大きな挑戦だ。OCTOPUS CAMERAが FRAN 8Kのような運命をたどらないことを期待したい。