これは他愛もないビデオで笑い話かもしれないが、観る価値は十分にある。これはPaul Ream氏が運営するYouTubeチャンネル、extrashotのビデオだ。 2012年の映画「007スカイフォール」の有名なジェームズボンドのプロモーションビデオを使用している。このシーンは、新しい「Q」とボンドの出会いの場面だ。Paul Ream氏はこのビデオを使い、世界を悪から救うことではなく、8Kやその後の解像度戦争から救うことを目的としている。
Paul Ream氏は、新型コロナの影響で「幸運にも」時間があったようだ。 このビデオは2017 MacBook Pro、FCP X、Photoshop、Pixel Film Studios – Auto Tracker 2.2とグリーンスクリーンだけで作られている。実にうまく作ってある。
このビデオの注目点は、映像のマッチングが実に巧妙に処理されているだけでなく、4Kと8Kの違いと、それが価値あるものかを説いている点だ。
Oh Oh 8K – 007が解像度戦争から我々を救う?
まず、そのビデオを観ていただきたい。
投げかけられている問いは、8K、16K、32K、…が必要か?ということ。例えばドキュメンタリー、ドラマ、長編映画などのコンテンツでは、8Kはそれほど価値がないかもしれない。デジタルで撮影された多くの大作映画は、3424 x 2202s35フォーマットのARRIALEV III CMOSセンサーを使用するARRI ALEXAカメラで撮影されている。このセンサーは2010年の最初のALEXA用に開発され、s35センサーを使用したデジタル撮影映像のベンチマークとして知られている。これらの3.4K映画は画質的に陳腐化しているだろうか?いや、決してそうではない。
確かに4Kは有用な場合もある。ホームシアターでは、しっかり撮られた4K映像はFull HDよりも見栄えがよいだろう。しかし、8K以上は必要だろうか?実際のところは分からないが、少なくとも良い映画にはあまり関係が無い。 4Kと8Kの違いを見ようと思ったら、画面に近づいて確かめることになるだろう。
解像度至上主義はいつまで続く?
高解像度で撮るもう1つの有用性は、ポストプロダクションでリフレーミングできることだ。しかし、そんなものは本当に必要だろうか?この「機能」を実際に利用するには、後でリフレーミングすることを想定して、不自然なフレーミングする必要がある。そんなことが本当に必要なのだろうか?とてもそうとは思えない。最初からしっかりフレーミングすべきだ。さらに、8Kテレビを持っているユーザーがどれほどいるのだろうか? 4Kすらまだ完全に普及していない。1080pは1998年に最初に放送された。たった2、3年前のことで、Full HDは今でも主力だ。
8Kが必要だったかどうかは将来分かるだろう。(もちろん一部のアプリケーションでは必要だ)。カメラメーカーに言いたいことは、技術的に可能であるという理由だけで8Kやそれ以上に突き進むのではなく、まず4Kの完成に焦点を合わせてほしいと思う。
メーカーは常に新しい技術を探求するのが使命で、そうしないと時代に取り残される危険性もある。しかしユーザーから見れば、機能が制限される8Kモンスターよりも、ソニーのα7S III(レビューはこちら)のようなカメラの方が実用的だ。 007にボヤいても仕方無いが。。
Link: extrashot