Olympus E-M10 III - ファーストインプレッション
私、Johnnieは、新しいオリンパスのE-M10 IIIを手にし、ビデオ機能をテストする機会を得たので、報告しよう。キットレンズを含んだ価格と使いやすさ、それに小型軽量であることを考えると、旅行などに持っていくカメラとして最適だ。
家族と短い夏休みを楽しんでいる。日頃は忙しい日々を送っているが、今はリラックスタイムだ。そんな時、宅配業者がドアの鐘を鳴らし、オリンパスの新製品E-M10 IIIのパッケージを届けてきた。さて、私の選択肢は限られている。離婚のリスクを冒して休暇をキャンセルし仕事に戻るか、あるいは休暇を続けながら撮影するストーリーを見つけるか、だ。過去の経験から、家族との時間と仕事を混同するとろくなことが無いので、私は本格的な撮影は諦めて最小限のパッケージングで撮影することに決めた。しかるにセットアップは、この小さな新しいマイクロフォーサーズカメラ、非常に安価なオリンパスM.Zuiko Digital ED 14-42mm f / 3.5-5.6 EZパンケーキキットレンズ、そして信頼できるHeliopan Vari NDフィルターと、簡単な構成となった。三脚、スライダー、ジンバルは無く、本当に簡単なセットアップだ。しかし、小さなカメラで撮影するときは、大きなカメラにはできない、楽しんで撮影するということができる。
オリンパスがE-M10 IIを発表したのは2015年だ。E-M10 IIはカジュアルな映画制作者もあまり注目していないマイクロフォーサーズのカメラだった。しかし、新しいE-M10 IIIは、ソニーのα6500や富士フイルムのXT-20同様、高品質の4Kビデオを撮影できるコンパクトなフォトカメラマーケットに生まれ変わった。ただ、このカメラはあなたが今使用しているメインカメラを置き換えるようなカメラではない。価格帯とその仕様を見ると、オリンパスがプロのカメラマンをターゲットにしていないことは明白だ。しかし旅行が好きで、持っていくカメラを探しているなら、このカメラはお勧めできる一品だろう。
使いやすさ
E-M10 IIIを見ると、オリンパスが素晴らしい仕事をしたことが分かる。スタイリッシュで、持ち運びも非常に楽で、各ボタンのアクセス性も良い。手が大きいユーザーには、小さすぎると感じるかもしれない。
左上にはオン/オフスイッチがあり、その横にはさまざまなビデオ撮影モードを切り替えるボタンが配置されている。ビデオを撮影する場合は、メインダイヤルは「ビデオ」に合わせる。右側にはメインカメラのファンクションダイヤル、写真撮影用シャッターボタン、シャッタースピードノブ(私の場合は4K UHD 25pで撮影する場合50に設定)、 2倍に拡大するボタン(Fn2)、その下にビデオ録画ボタンが配置されている。私はときどきRECボタンを押すところを、間違ってmagnifyを押すことがあったので、この二つのボタンの配置は再考願いたいところだ。下にはカスタマイズ可能なボタン(Fn1)があり、これは私の場合はピーキングに設定している。
カメラの背面に多数のボタンがある。私が一番よく使ったのはISOとOKボタンで、後者はビデオ撮影に関連する情報を表示することができ、カラー撮影モード、ISO、WB、フォーカスモード、カメラ撮影制御(P 、A、S、M)、写真の解像度、設定、ビデオの解像度とフレームレートなどの表示が可能となっている。一番上には、INFOボタンと、MENUボタンがる。一般的には、このメニューの[ビデオ]タブで、オーディオレコーディングレベル(詳細は後述)、ビデオフレームレート、あるいは5軸手振れ補正を、“オフ”、“センサーのみ”、“センサーシフトとデジタル両方”の選択が可能だ。
残念なのは、ビデオモードでカメラをオンにすると、さまざまな撮影オプションを示す画面が常に表示されることだ。これは単独でメニューからチェックを外すことはできない。カメラが起動する約3秒間最上部に表示されるので、貴重な瞬間を見逃してしまうことになりかねない。
画質
4K画質は及第点を付けられる。多少ノイズが見受けられるが、比較的自然なものであまり気になることは無い。ただ、平均的なデータレートの8ビットコーデックの限界は、やはり時々明らかに見える。このカメラはハイエンド用途を対象としていないため、DCI 24pモード(最大237 Mbps)で撮影する場合でも、OM-D E M1 Mark IIでサポートされているような高いデータレートは与えられていない。しかし4K UHDモードでは、両方のカメラは同じデータレート(最大102 Mbps)で撮影が可能だ。今回はこのカメラのHD画質(1080 / 50p、1080 / 25p、720 / 25p)をテストする時間は無かったが、ハイフレームレート撮影はテストした。しかしこの評価はあまり書いても仕方ないだろう。最新のカメラだが120fps /720pでしか撮影できず、特筆することもない。
オーディオ
オーディオに関しては機能が非常に限定されていると言わざるを得ない。ヘッドフォンやマイク端子がないため、高品質のオーディオ録音をする方法が無い。つまり、内蔵マイクをビジュアルオーディオメーターで制御するしかない。ちなみに、オーディオレベルを最小にしても録音されている。サウンドを完全にミュートする場合は、メインビデオメニューで「ムービー」のマイク記号のところでできる。
ピクチャープロファイル
ビデオ撮影に関しては、このカメラのダイナミックレンジは限られており、ハイライトを飛ばさないように注意する必要がある。記録された画像が8ビットに制限されているにもかかわらず、プレーンな画像プロファイルが用意されていないためだ。その代わり、4Kモードでは9種類のピクチャープロファイルが、そしてHD モードでは15種類の「ART」ピクチャープロファイルが用意されている。個人的には、ビデオを撮影する場合、これらの「ART」画像プロファイルを使用しない。必要に応じて後の編集プロセスで行うことができるからだ。
EVFとLCDモニター
EVFはなかなか良い。他モデルではよりシャープなものもあるが、これならまず問題なく使えるだろう。 EVFの右側にボタンがあり、アイセンサーとEVF / LCD切り替えモードを選択できる。なお、プラスチックのアイピースは取り外し可能で、柔らかいクッションのものへの交換も容易にできるだろう。 LCDモニターも問題ない。タッチスクリーンフォーカスも搭載されており、普通のレンズならおおむね狙ったところにフォーカスしてくれる。もう1つ気に入ったのは、画面内でタッチスクリーンフォーカス機能を有効/無効にすることができるので、いちいちメニューでその機能を探す必要は無い。一方、LCDモニターの最大の問題点は、可動範囲が限られていること。チルトは十分ではないし、フリップアウトすることはできない。
低照度特性
オリンパスは、カメラのオートISO感度を6400に制限しており、ISO1000以上を使用する場合は注意が必要だ。マイクロフォーサーズセンサーは、APS-Cやフルフレームと比較すると感度に限界があり、できるだけ明るいレンズやキヤノンの EFマウントレンズが使用できるMetabones T Speed Booster Ultra 0.71xアダプターを使用することをお勧めしたい。
5軸手振れ補正
手振れ補正は、OM-D E M1 Mark IIより多少劣っているようだ。手持ちのショットでも三脚を使っているように撮れるが、ジンバルの動きを真似ることは難しい。画像は、OM-D E M1 Mark IIより明らかに滑らかではない。参考までに、私が試みた最短の焦点距離は14mmだ。更に広角のレンズを使用すれば、もっと安定するかもしれない。
他の重要なポイント
- 私は最近、E-M10 IIIの7倍の価格のプロ用シネマカメラをテストしたが、ローリングシャッター効果はひどいものだった。E-M10 IIIのローリングシャッター効果は、このカテゴリーのカメラで、これまでに見た中で最高のものの1つだ。この成果は実に素晴らしいものだ。
- 付属のバッテリー1個で、数日間の撮影をこなすことができた。
- 撮影は非常に暑い日だったが、カメラが熱くなるようなことは無かった。ただ、長いショットを撮影したわけではないので、その場合は分からない。
- スタンバイモードでは最長5分でシャットアウトする。
- 撮影時にフォーカス確認のため、モニター映像を2倍に拡大することはできない。
- 外部レコーダーでの記録は可能(8ビットのみ。今回はテストしていない)。
オリンパスM.Zuiko Digital ED 14-42mm f/3.5-5.6 EZパンケーキキットレンズ
レンズは基本的なものだが、品質も良く、非常にコンパクトで撮っていて楽しい。焦点距離は14-42mm、35mm換算値28-84mmで、最短焦点距離は約10cm。フォーカスを調整しても、レンズはほとんどブリージングしない。解像感はF8程度の中間域でシャープな印象だ。そして予想どおり、周辺では多少甘くなる。価格は、メーカー希望小売価格42,000円(税別)で、妥当なところだろう。小型軽量なので、持ち運びや旅行などに適している。
Olympus E-M10 IIIの長所(順不同)
- 高品質な4K映像。
- 優秀なオートフォーカスシステム。
- 使いやすいタッチスクリーンフォーカス。
- 5軸手振れ補正。
- 非常に少ないローリングシャッター現象。
- ワールド仕様(4K 24 / 25p、1080 24/25/30/50 / 60p)。
- 長いバッテリー持続時間。
- 分かりやすくまとめられたビデオメニュー(ただし一部のビデオ機能は他の場所にある)。
- “OK”ボタンで関連するビデオ設定に簡単にアクセスできる。
Olympus E-M10 IIIの短所(順不同)
- ヘッドフォン端子やマイクジャックが無い。
- グレーディング用のフラットなピクチャープロファイルが無い。
- 8ビットの内部/外部記録。
- 撮影中にモニター画面を拡大することができない。
- ビデオモードでカメラをオンにすると、「ビデオメニュー画面」が常に表示される。
- 低照度撮影時の画質は十分ではない。
- 720p / 120fpsモードは使えない。
まとめ
Olympus E-M10 IIIは、撮影していて楽しいカメラだ。確かに、ビデオ画質やその仕様に関しては完璧と言うわけではないが、写欲を高めてくれるカメラと言うことができる。キットレンズを含んだ価格と使いやすさ、それに小型軽量であることを考えると、旅行などに持っていくカメラとして最適だ。
オリンパスは素晴らしいカメラを作ったと言ってよいだろう。欲を言えば、高いデータレートやフラットなピクチャープロファイルがあると、動画撮影には理想的だった。また、マイクとヘッドフォンの入出力も是非欲しかったところだ。データレートやピクチャープロファイルについては、今後のバージョンアップなどで期待したいところだ。
上のビデオのカメラ設定:4K UHD、25p、ピクチャープロファイル“Muted” 、シャープネスは最小(-2)に設定。 Adobe Premiere CC(最新版)で編集し、FilmConvertでデフォルトFj Velv 100でカラーコレクション。
音楽: Art-List. Theme: Shanka – Wonder African Folk Inspired Acoustic
A big thank you to my family for their patience, Tim for the photos and Churchill Restaurant-Gozo
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