パナソニックはLUMIXカメラ用の新しいファームウエアアップデートを発表した。対象は、フルフレームカメラのS1およびS1R、マイクロフォーサーズカメラのGH5、GH5S、G9、G95、G85、GX9。新しいファームウエアは、オートフォーカスと手ぶれ補正をさらに強化し、いくつかの新機能も追加する。このアップデートは、欧州では2019年7月9日から同社のWebサイトでダウンロードできるようだが、国内の情報はまだ無い。さらに、LUMIX S1の有料アップグレードも7月9日以降利用可能になる予定だ。(同)
パナソニックは、頻繁にファームウエアアップデートをリリースし、継続的なサポートと顧客のケアを行っている。パナソニックはフルフレームのLUMIX Sシリーズのカメラの発表時に、ファームウエアアップデートのリリースをアナウンスしていた。
LUMIX S1とS1Rファームウェア1.2(無料アップデート)
ファームウエア1.2では、S1とS1RでIBIS(ボディ内手振れ補正)機能が改善されている。 IBISの補正性能は、最大5.5stopから最大6.0stopに向上した(CIPA規格に基づきヨー/ピッチ方向、LUMIX S-X50 PRO主レンズでテスト)。またDual I.S.2の補正性能は6.0stopから6.5stopまで改善された(CIPA規格に基づきヨー/ピッチ方向、LUMIX S PRO 24-105mmと70-200mm f / 4レンズでテスト)。
トラッキングAF性能も向上しており、ビデオ録画でのトラッキングオートフォーカスモードが改善されている。新機能としてAF-ON:Near ShiftとAF-ON:Far Shiftが追加された。 Near Shiftは近くの被写体にフォーカスさせたい場合に選択し、Far Shiftは離れた被写体にフォーカスさせたい場合に選択する。これらの新機能はファンクションボタンにアサインすることができ、カメラの現在のAF位置より近い、または遠い被写体にオートフォーカスする。更にオートフォーカス中のライブビュー表示が見やすくなっている。
なお、XQDメモリーカード使用時の動作安定性も向上した。
LUMIX S1の新しい録画モードとV-Log(有料アップグレード)
この有料アップグレード(アップグレードソフトウエアキーによる)は、新しい内部(MOV)ビデオ録画モード、外部HDMI出力、およびV-Logピクチャプロファイル機能を追加する。このアップデートは有償アップデート( DMW-SFU2)で、2019年7月9日からLUMIX S1専用にリリースされる予定。(国内の発表はまだ無い) 価格は199ドルとされている。
4K/60p(PALは50p)4:2:2 /10bitの外部HDMI出力は、新しいファームウエアアップデートで可能となる。
また、V-Logのピクチャープロファイルがフォトスタイルに追加される。ビデオをV-Logで記録する場合、LUTを当てて表示する[V-Log表示アシスト]も可能だ。 更に[Read LUT File]機能が追加され、ユーザーはカスタムLUTをインストールして適用することもできる。
WFM(Waveform Monitor)表示機能、10ビットに対応した[輝度レベル]調整機能も追加される。 またXLRマイクアダプターDMW-XLR1(別売、MOV録音モード専用)使用時、ハイレゾ録音ができる。
cinema5Dでは現在、新しいファームウェアでLUMIX S1をテストしており、近くレビュー記事をリリースする予定。
マイクロフォーサーズカメラアップデート
マイクロフォーサーズカメラのファームウエアもリリースされる。 GH5は新しいファームウェアバージョン2.5となり、GH5S、G9、G95、G85、およびGX9はバージョン1.3になる。
この新しいファームウエアで、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25 mm f / 1.7レンズとの互換性が向上し、ビデオ記録中に、スムーズな絞り制御が可能となる。絞りリングのインクリメント機能が追加され、撮影時の絞りリングの制御方法を[SMOOTH]または[1 / 3EV]から選択できる。
またリモートシャッター(DMW-RS2)との互換性が向上した。リモートシャッターのビデオRECスイッチは、カメラのカスタムメニューで無効にできる。 LUMIX G95では、バッテリーグリップのFnボタンがカメラのカスタムメニュー内でカスタマイズでき、バッテリーグリップ(DMW-BGG1)との互換性が向上した。