パナソニックのは有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサーによる、8K高解像度、高性能グローバルシャッター撮像技術を発表した。8Kでのグローバルシャッター機能や無段階NDフィルタ機能が実現できる。
この発表には、8Kグローバルシャッターと組み合わせた重要かつ画期的な2つの成果で構成されている。
なお、昨日記事をリリースしたソニーのグローバルシャッターCMOSの発表も参照いただきたい。
有機積層型イメージセンサーという新技術
パナソニックのプレスリリースによると、センサーは36メガピクセルで60fpsまで対応できる、有機薄膜を備えたCMOSイメージセンサー。光電変換を行う有機薄膜と電荷蓄積および読み出しを行う回路部を完全独立に設けた積層構造としている。
本技術では、光電変換を行う有機薄膜と電荷蓄積および読み出しを行う回路部を完全独立に設けた積層構造とし、この回路部に、高速ノイズキャンセル技術と高飽和化技術を新たに開発・搭載しています。また、有機薄膜に加える電圧を制御し、感度を変更できる有機センサならではの構成を用い、グローバルシャッタ機能を実現することで、業界で初めて、これらの性能を同時に実現しています。
我々は以前に有機積層型イメージセンサーについて記事をリリースしたが、こちらの記事(英語)も参考いただきたい。
パナソニックが説明しているように、8K解像度、60fps読み出し、広ダイナミックレンジ、グローバルシャッター機能を同時に実現するユニークな構造だ。通常はこれらの機能間にはトレードオフがあり、グローバルシャッターを実現すると、高解像と感度特性の両立が難しいなどの問題があった。
下は裏面反射型シリコンセンサー(左)との比較図
プレスリリースには、センサーの設計とカラーサイエンスに関するさらに詳しい情報が掲載されている。なお、この技術には、国内135件、外国83件(出願中含む)の特許が出願されている。
高解像度でも高速に画素ノイズを抑制可能な「画素内-容量結合型ノイズキャンセル技術」
高飽和特性を実現可能な「画素内-ゲイン切り替え技術」
有機薄膜へ加える電圧変更のみで、感度変更可能な「電圧制御感度変調技術」
更に詳しい情報は、こちらの文献も参照いただきたい。
しかし、このセンサーはどのようなカメラに使われるのだろうか。それはGH5(あるいはGH5S)の後継機かもしれない。GH6には間に合わないかもしれないが、将来我々をターゲットユーザーとするカメラに採用されることを期待したい。