パナソニックがLUMIX BGH1を発表 - MFTのボックスカメラ
パナソニックは、新しいボックススタイルのミラーレスカメラ、LUMIX BGH1を発表した。このカメラは、静止画機能は持たず、ビデオ撮影用。ストリーミング配信やマルチカメラ撮影用途に開発されている。これは、同じくマイクロフォーサーズ(MFT)マウントのGH5Sと同様のデュアルネイティブISOを備えた10.2メガピクセルMOSセンサーを搭載している。 C4K / 4Kで最大60fps、FHDで最大240fpsで記録できる。
MFTマウントを持つDC-BGH1のようなカメラは同社にとって初の試みだ。しかし、DC-BGH1は静止画と動画が撮れるハイブリッドカメラではなく、ビデオ専用に設計されている。
新しい形状を提唱
このカメラは、GH5Sと同じセンサーを備えている。GH5Sは、マルチアスペクトとデュアルネイティブISO(V-Log L:ISO 400&2000、HLG:ISO 320&1600、Cinelike:ISO 160&800)を備えた10.2メガピクセルLive MOSセンサーを搭載している。一般的なISO範囲は160〜51,200。画像プロセッサーは、GH5Sのものと同様のヴィーナスエンジンを採用している。
ただし、LUMIX BGH1はGH5Sよりも小さく、センサーやプロセッサーはビデオモードで動作するように最適化されている。パナソニックによると、このカメラは、ストリーミング、イベント、ドキュメンタリー、映画、従来の放送撮影など、幅広いアプリケーション向けに設計されている。軽量であるため、ドローンにも使用できる。
記録モード
BGH1は、C4K / 4Kで、60fps/4:2:0/10ビット/LongGOP(および30fps /4:2:2/10ビット/ All intra)で内部記録できる。カメラには2つのSDカードスロットがあり、リレー/バックアップ/アロケーション記録が可能。FHDでは、フレームレートを最大240fpsまで上げることができる。 ただし201 fpsを超える撮影では画角が変化し、クロップが発生する。
ITU-R BT.2100色空間と互換性のあるハイブリッドログガンマ(HLG)など、さまざまな画像プロファイルが利用可能。 C4K / 4K HEVC / H.264/H.265(記録設定による)で内部記録できる。 V-Log L画像プロファイルがプリインストールされており、同社は最大ダイナミックレンジは13ストップと述べている(まもなくラボテストを実施する予定)。
さらに外部記録も可能で、HDMIを介してC4K / 4K 4:2:210ビット信号を出力できる。また、HDMIとSDIに同時にビデオ信号を出力できる初のLUMIXカメラでもある。 (HDMI:4K 60p 4:2:2 10ビット、SDI:最大FHD 60p 4:2:2 10ビット)。
更にGH5Sと同様に、BGH1ではアナモフィックモード(4K3328×2496最大50p)も選択できる。
カメラの本体はアルミニウムとマグネシウム合金でできており、新しい熱分散構造と組み合わせて、ビデオ録画は時間制限なく行うことができる。
オートフォーカス
BGH1のオートフォーカス機能は、人間や動物を検出できる「高度なディープラーニングテクノロジー」を備えているとされる。
人間の場合、カメラは目、顔、体、頭を別々に認識でき、被写体が動いたり、カメラに背を向けたり、カメラから離れたりした場合でも、被写体を追跡できる。
入出力と接続性
BGH1は、以下の入力/出力ポートを備えている。
- USB3.1Type-Cポート
- 3G-SDI出力コネクタ
- HDMIType-A出力コネクタ
- 3.5mmマイク入力と3.5mmヘッドフォンジャック(DMW-XLR1使用可能)
- LANC用2.5mmポート
- Gen LockINおよびTimecodeIN / OUTポート
- Power over Ethernet機能(PoE +)を備えたイーサネットポート
上記の通りBGH1には考えられるほぼすべての入出力ポートが用意されている。更に、2.4GHzWi-FI接続とBluetooth4.2でのワイヤレス接続も可能だ。
ただしモニターが搭載されていないため、外部にモニターを接続する必要がある。また、このカメラは主に企業ユーザーを対象としているため、バッテリーや充電器は含まれていない。
リモートコントロール
ライブレコーディングや放送イベントでは、パナソニックのPCソフトウェアLUMIXTetherを介して最大12台のBGH1を同時に制御できる。このソフトウェアを使用すると、写真撮影も可能。また、すべてのBGH1カメラを完全に同期させるには、LUMIXSyncソフトウェアを使用する。
また、2つのタリーランプ(カメラの前面と背面)とネットワーク接続ランプが用意されている。この機能は、複数のカメラオペレーターが撮影している場合に、自分のカメラがライブかどうかを確認できる。
さらにUSBでカメラをコントロールするためのSDKがパナソニックから無料で提供されている。 SDKは、互換性のあるLUMIXカメラ(BGH1、S1、S1R、S1H、S5、GH5S、GH5、G9)のユーザー向けに10月14日にリリースされる予定。(詳しくはこちら)
価格と発売時期
BGH1は、10月末に1,999ドルで発売予定。(国内での価格は未発表)小型軽量のため、ライブイベントや、マルチカメラ撮影に適する。また、インディーズ映画や個人での映画製作にも活用できるだろう。パナソニック版の「Z-Cam やREDコモド」とも言える。
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