パナソニックはLUMIX GH5 M2を発表した。GH5から多くの改良が加えられている。このカメラには、4K60 10ビット4:2:0内部記録モード、新しいVenus Engineを備えた20.3メガピクセルARコーティングセンサー、改良された5軸IBIS、プリインストールされたV-Log L、より優れたAF、有線および無線ライブストリーミングのサポート、より明るいLCDディスプレイ、および新しい大容量バッテリーパックなどが採用されている。
今回のオンラインイベントではGH6の開発なども発表されたが、この記事では、新しく発表されたLUMIX GH5 M2カメラについて、機能と仕様を見る。
内部4K/60p 10-Bit記録
LUMIX GH5は、2016年9月のフォトキナで発表されたが、実に5年ぶりに後継機のLUMIX GH5 M2が発表された。またGH6も今年末に予定されている。
GH5と比べてGH5 M2は、内部DCI 4K 60p 10ビット4:2:0記録モードを備えている。 GH5とGH5Sは、内部で10ビットで最大4K/30しか記録できない。 GH5 M2は、内部で記録しながら、HDMI経由で4K 4:2:210ビットを同時に出力することもできる。
ARコーティングされたセンサー、より優れたIBIS
イメージセンサーの解像度は20.3メガピクセルで変わらないが、AR(反射防止)コーティングが施されているため、フレアやゴーストがさらに抑制され、ディテールがより鮮明になる。また画像プロセッサが最新のVenus Engineに更新される。また優れた5軸IBIS(ボディ内手ぶれ補正)システムがさらに改良される、6.5ストップの補正が可能となる(GH5は5.0ストップ)。
V-Log Lと、改良されたAF
GH5Sと同様に、GH5 M2にもV-LogL画像プロファイルがプリインストールされる。ライセンスを別途購入する必要はない。このカメラは、[写真スタイル]メニューに、CinelikeD2(ダイナミックレンジ優先)とCinelike V2(コントラスト優先)の2種類のCinelikeガンマプリセットを提供する。さらに、L.MonochromeSおよびL.ClassicNeoプロファイルが追加される。これらのプリセットはすべて、アナモフィックモードでも使用できる。
パナソニックによると、GH5 M2のAFシステムはディープラーニング技術を採用しており、人間と動物の被写体を検出し、より正確なフォーカシングが可能。 AFは、GH5と比較して、フレーム内で2倍速く、50%のサイズで瞳を検出する。 AFCモードでのトラッキングも改善された。
ライブストリーミング
有線ライブストリーミングに加え、LUMIX GH5 M2はLUMIX Syncスマートフォンアプリを介してワイヤレスライブストリーミングが可能。 RTP / RTSP有線IPストリーミングを追加する将来のファームウェアアップデートでは、16MbpsでフルHD 60pまでのH.264コーデックで安定した画像をストリーミングすることも可能になる(RTMPS URLが設定されている場合は16Mbpsを選択できない) 。このカメラには、Bluetooth 4.2と、5GHz(IEEE802.11ac)および2.4GHz(IEEE802.11b / g / n)のWi-Fiが搭載されている。ただし、5GHz Wi-Fiは一部の国では利用できない。有線ライブストリーミングの場合、専用のLUMIX Webcamソフトウェアを無料でダウンロードできる。
LCDモニターなど
アスペクト比3:2、解像度1840Kの3インチタッチスクリーンLCDはより明るくなり、屋外での視認性を高めているほか、色再現も向上している。 (GH5とGH5Sは1620Kドット)。また、16:9、4:3、1:1、4:5、5:4、9:16などのさまざまなアスペクト比での記録中にフレーミングをチェックするフレームマーカー機能を追加された。画面とEVFの赤いフレームインジケータが表示される。
GH5 M2はマグネシウム合金ダイキャストボディを採用し、-10°C / 14°Fまでに対応し、防塵防滴、および凍結耐性がある。またXLRマイクアダプター、シャッターリモコン、バッテリーグリップなど、GH5のほとんどのアクセサリーをGH5M2でも使用できる。ボディの形状は同じなので、GH5用のカメラケージも使用できる。
バッテリーはLUMIX S5のバッテリーパック(DMW-BLK22:2,200m)に変更される。ただし、古いDMW-BLF19バッテリーパックはGH5 M2でも使用できる。カメラはUSB-Cポートを介したUSBPD(電力供給)をサポートするようになったため、動作中にバッテリーを充電できる。
GH5 M2およびLUMIX G / LeicaDGレンズの将来のファームウェアアップデート
GH5 M2は、ファームウェアアップデートを2021年後半に行い、次の機能をサポートする予定。
- ライブビューコンポジット
- USBテザリング(4G / 5G経由でスマートフォンにリンク)、互換性のあるストリーミング配信
- さらに安定したスマートフォン接続
- RTP / RTSP有線IPストリーミング
なお、パナソニックは一部のLUMIX GレンズとライカDGレンズの新しいファームウェアアップデートをリリースする予定。このアップデートにより、フォーカスリングの非線形または線形設定を選択できるようになる。非線形設定では、フォーカスリングの回転速度に応じてフォーカスが変化するが、リニア設定では、レンズの回転距離に応じて一定の間隔でピントがずれ、手動レンズを模倣する。線形設定の感度は、30度間隔で90度から360度の間で設定できる。
このアップデートにより、これらのレンズでフォローフォーカスを使用するのがはるかに簡単になる。ただし、新しいGH5 M2で使用した場合にのみ機能するようだ。互換性のあるレンズは、H-E08018、H-X1025、H-ES12060、H-ES50200、H-RS100400、H-XA025、H-ES200、H-HSA12035、H-FS12060、H-HSA35100、H-FSA45200、H- FSA100300。
ファームウェアプログラムは、2021年6月8日にLUMIXグローバルカスタマーサポートサイトで入手可能になる。(日本のサポートサイトはこちら)
価格と発売時期
GH5M2 は6月下旬発売予定。価格はオープン。なお最大20,000円のキャッシュバックキャンペーンも開催される。