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LUMIX S5 - パナソニックインタビュー

パナソニックからLUMIX S5がリリースされたが、この機会にパナソニックのイメージングビジネスユニットディレクターである山根洋介氏にインタビューを行った。パナソニックLUMIX S5のデザインや機能、さらにLUMIX SとGHラインの将来と8Kについても触れている。

新型コロナウイルスとクリエーター

パナソニックから新しいLUMIX S5カメラが発表され(レビュー記事はこちら)、これについて伺ったが、その前に、新型コロナウイルスがパナソニックにどのように影響しているかについて伺った。

CineDインタビューを受けていただき、ありがとうございます。まず多くのメーカーにとって、2020年は非常に困難な年となっています。パナソニックはいかがですか?

山根氏:新型コロナウイルスは顧客の購入方法に影響を与え、主な需要は生活必需品に向けられています。カメラは趣味性の高い商品で、その市場は縮小しています。他のカメラメーカーも同様と思います。しかし、画像や映像で心を豊かにする文化が無くなるわけではありません。新型コロナウイルスを乗り越えた後には、動画や静止画を楽しむ新しい世界が開けると信じています。ただし、多少時間がかかるとは思っています。

CineDパナソニックは、新しいカメラを導入するにあたり、どのような試みをしていますか?

山根氏新型コロナウイルスに関わらず、新しいテクノロジーをベースにした新しい製品を作り、クリエーターの心を揺さぶることが私たちの使命でした。しかし、新型コロナウイルスで世界は大きく変化しており、新しい製品を作るだけでは十分ではないと私たちは考えています。したがって、私たちは多くの新しいことを試みています。新しい使い方を提案し、その使い方を伝えることです。新型コロナウイルスにより、屋外で写真を撮る機会が明らかに減少しました。一方、家でビデオを見たり、ビデオを作成し発信したりする需要が高まっています。したがって、たとえばV-Log機能を備えたG100、NinjaでProResを記録するためのS1Hアップデート、またはLUMIXライブストリーミングなど、LUMIXを使用してお客様が動画を楽しむ提案と支援をします。また、新しい情報の伝え方にも工夫をしています。 G100とS5の発表は、オンラインチャネルを介して行いました。これはLUMIXの最初の体験でした。また、お客様は実際の製品を実際に試してみるのが難しいため、新製品とその機能についてお知らせするために、インフルエンサーやレビューワーとのワークショップを強化しています。

CineDマネージメントスタイルは変わりましたか?多くの方々が在宅勤務と聞いています。

山根氏:多くの従業員が自宅で仕事をしているので、仕事のやり方が完全に変わりました。現在、LUMIXチームメンバーの半数以上が在宅勤務をしています。そのため、オンラインツールを活用して、より多くの結果を出しています。ただ技術部門は自宅で仕事をするのは難しいので、サンプルなどを共有してうまくやっています。このようにして、コロナの状況下でも効率的に作業を続けることができ、開発スケジュールに遅れが生じることはありません。

LUMIX G100、S5、およびS1Hについて

このインタビューの主な話題は新しいLUMIX S5に関するものだったが、LUMIX G100とS1Hについても触れている。

CineD:最近G100を発売されました。このカメラは、ブロガー向けを目的としていましたが、どのように受け入れられましたか?

山根氏:G100は小型軽量で、旅行先の出来事などを動画で発信するVloggerを対象としていますが、現在のところ旅行や外出はかなり難しいので、導入する前に心配しました。しかし、自分の日常を発信するVloggerが予想以上に増えたため、計画以上の販売でスタートできました。動画の作成をサポートするセルフモードやOZOオーディオなどが高く評価されていると思います。

CineD: S5が発表されましたが、多くの人にアピールできる、手頃な価格の優れたLマウントカメラと思います。このカメラはどのようなユーザーをターゲットにしていますか?

山根氏:S5は撮影表現にこだわるアマチュアからプロまで、幅広いクリエーターを対象としています。写真家にとっては高感度、高解像度であり、映像クリエーターにとっては、4K / 60pだけでなく、14 +のダイナミックレンジと10ビットの記録です。撮影表現に徹底的にこだわりながらもコンパクトでリーズナブルな価格で幅広いユーザーにお届けできるように心がけている商品です。

CineD:ビデオの場合、このカメラはS1とオーバーラップするところもあります。このカメラはS1と競合しませんか?

山根氏:S1は静止画と動画のビデオハイブリッドカメラとして導入してきました。プロ向けに堅牢性や環境性を高めたり、静止画用の機能としては、1段上の手ぶれ補正機能を搭載しており、特にファインダーやシャッター機能にこだわりぬいた設計をしています。したがって、より広い範囲のユーザーを対象とするS5とは異なります。ただ、重複する部分もあり、多少の競合があるかもしれませんが、この2つのモデルでターゲットユーザーの幅が広がると思っています。

CineD:パナソニックはカメラのサイズを縮小し、ファンレスでありながら、長時間の録画を可能にしました。将来のS2Hを期待してしまいますが、それとももう少し技術的に難しいですか?

山根氏:S5は、S1HとGH5で培われた放熱技術と低消費電力技術を駆使し、小型化を実現しています。S1Hの後継モデルはもちろん検討をしています。 S1Hの後継モデルの映像性能については、もう1ランク上を考えているので、技術的な難易度はさらに高くなると思います。放熱に関する技術開発を継続的に行っており、この技術が魅力的な製品につながることを期待しています。

CineD:S5でのお勧めポイントは何ですか?私は小型、快適さ、使いやすさが気に入っています。

山根氏:S5は、サイズ、快適さと使いやすさを目指して開発されたので、ジョニーさんからこのようなコメントをいただき、とても嬉しく思います。小型で手頃な価格ながら動画も静止画もハイパフォーマンスを実現した機種ですので、多くの方に楽しんで頂ければ幸いです。

CineD:ユーザーがブランドの乗り換えを考える時、レンズについても考える必要があります。 S5と同時に20〜60mmのキットレンズをリーズナブルな価格で投入されていますが、 Lマウントカメラ全体でこの種のマーケティングを進められるのですか?

山根氏:言うまでもなくクリエーターのニーズは多岐にわたるため、より多くのクリエーターが使用できるレンズを手頃な価格で提供していくことが必要と思います。それで20-60mmレンズはかなり踏み込んだ価格にしています。 S5の発表とともに、Lマウント単焦点レンズのロードマップを発表しました。これらもできるだけ多くのクリエイターにご利用いただける価格帯を目指して開発しています。

GH5の後継機と8Kについて

CineD: GH5は非常に人気のあるカメラですが、発売から年数が経ちました。新しいGHカメラの可能性はありますか?あるいは今後Lフォーマットに傾注されますか?

山根氏:GH5の発売から約3.5年が経過しましたが、まだ多くのお客様がGH5を購入されています。これは多くのクリエイターはまだマイクロフォーサーズフォーマットで動画を撮影していると思われます。これまで何度もお伝えしていますが、幅広いクリエーターのニーズにお応えすべく、今後もフルフレームはもちろん、マイクロフォーサーズの製品も開発していきます。GHカメラの後継機については、もちろん検討中ですので、期待いただければと思います。

CineD:GH5Sの導入時のインタビューで、東京オリンピックでの8Kミラーレスカメラについて話しました。残念ながら、今年は開催されませんが、8Kに対する状況は今も同じですか?

山根氏:オリンピックの8Kについては以前お話ししましたが、オリンピックで躍動するアスリートを8Kで撮影することで生み出される感動は計り知れないと思います。したがって、8Kには今も変わらず期待しています。残念ながら東京オリンピックは来年に延期されていますが、時期は遅れても必ず8K時代が来ると思います。私たちは現在、8Kの将来性と市場性を模索しており、市場ニーズが拡大する将来に向けて技術開発を続けています。市場のニーズは3年前に思っていたより少し遅れているように感じます。お客さまあっての商品開発ですので、お客さまのニーズを的確に捉え、タイミングを逃さないようにしたいと思っています。最後に、このS5モデルは現在のテクノロジーと製品の集大成であるため、多くの人がその良さを体験してくれることを願っています。

カメラのレビューは、こちら

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