パナソニックは、フルフレームセンサーのフラッグシップカメラLUMIX S1Hのビデオ機能を強化し、ファームウェアアップデートバージョン2.0をリリースした。このアップデートにより、HDMI経由でRAWビデオを出力できるようになる。
cinema5DではパナソニックS1Hを何度となく取り上げている。
それは「Netflix承認済み」のフルフレームセンサーミラーレスカメラとなったことも含め、メーカーが発売後もサポートを続けてきた結果でもある。そして今回、HDMIを介してRAW出力ができるようになった。AtomosのモニターレコーダーでRAW記録できる。
新機能
1. ATOMOS社製 Ninja V HDR モニター/レコーダーへ動画RAWデータを出力可能
- 5.9K/ 4K/ アナモフィック(4:3)3.5K/ 12ビットのRAWビデオをHDMIから出力。 Atomos Ninja VでApple ProRes RAWで記録できる。
- RAW出力時は、ライブビューモニターでV-LogまたはRec.709が選択可能。
- RAW出力時は、WFM(ウェーブフォームモニター)、ベクタースコープ、ルミナンススポットメーター、ゼブラパターンなどの撮影アシスト機能が可能。
2. 動画機能強化・性能改善
- 6K、5.9K、5.4Kの動画記録中のHDMIダウンコンバート出力に対応
- クリエイティブ動画モード時、シャッターボタン全押しによる動画記録開始/停止を無効化できる機能を追加
- クリエイティブ動画モード時、コントロールパネルから「動画画質(マイリスト)」を選択できる機能を追加
- フォトスタイル[V-Log]の調整項目[ノイズリダクション]の設定値に[-1]を追加。これにより、特定の撮影環境で残像が発生する現象を改善
- 撮影時のHDMI出力映像に、MFアシスト拡大表示を出力しない設定機能を追加
- 4:2:0/10bitでの動画記録時、特定の撮影環境でバンディングが見えやすくなる現象を改善
- SDメモリーカードに記録せず、HDMI経由で外部機器に記録した場合、REC RUNタイムコードがカウントアップされないバグを修正
3. その他の機能改善
- AFの性能向上
- パナソニックLUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S. (S-E70200)使用時、レンズのFnボタンに機能を割り当てる機能を追加
- シグマLマウントレンズのFnボタンに機能を割り当てる機能を追加
- シグマMC-21マウントコンバーターを使用してレンズを装着し、[手ぶれ補正]> [レンズ]をONに設定すると、IBIS(ボディ内手ぶれ補正)がロールの動きを抑制
- ステータスLCDのメニューに「バックライト点灯期間」を追加。
- カメラ内RAW処理で現像されたJPEG画像を保存するカードスロットを選択可能。
- 「オートレビュー」の「デュレーションタイム(写真)」のオプションに「0.5秒」を追加。
- Fnボタンに[Off]を追加。ボタンを長押しすると操作できなくなる。
- Fnボタンを押すと、絞り効果を確認できる機能を追加。
- 誤操作防止のため、再生モードの[全削除]操作はタッチ操作禁止。 [全削除]操作は、カーソルボタンのみ使用。
- 使用のSDカードの種類など、特定の条件で[分割ファイル記録]や400Mbpsでの記録中にカメラがフリーズすることがまれに発生したことを改善。
- 絞りとシャッタースピードは、リアモニターがOFFの場合前後ダイヤルで操作可能。
- パナソニック製以外のLマウントレンズを装着した場合、最大F値によってはF値制御に失敗するバグを修正。
S1Hユーザーは、このファームウェアを無償でダウンロードできる。ダウンロードは、2020年5月25日から同社のウェブサイトで利用可能になる。
まとめ
ファームウェアアップデートは無料で、実装も非常に簡単。 ファームウエアをダウンロードしてインストールするだけだ。なお、キヤノンがEOS R5で8K RAWを内部記録すると発表した。今後ミラーレスカメラでもRAW記録が普及してくるかもしれない。
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