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パナソニックの360°カメラ - 遅延の無いVR用4Kライブカメラ
VRが話題に上がることが多くなったが、これに伴って360°カメラの需要も期待されている。InterBEE2016でパナソニックがプロトタイプの4K 360°カメラを発表したので紹介しよう。
現在360°撮影技術には、二つの大きな問題がある。一つは4K以下の解像度では画質的に解像感が十分でないこと、もう一つは遅延の問題でライブストリーミングに使用するのは無理があること、である。パナソニックは、この360°カメラでこれらの問題を解決している。
カメラ部分には4台のカメラが装着されており、この出力がプロセッサーユニットに入力され、ユニットの中で合成され、4KのVR映像として出力される。オンボードでのライブ合成とストリーミングにより、スーパーボールのVR放送が現実味を増してきたことを意味する。
従来はこの合成作業をパソコンで行っていたため遅延が発生したが、このユニットでは僅か0.3秒に抑えられている。遅延が全くないとは言えないが、事実上問題ないだろう。パナソニックがいち早くライブイベントやスポーツにVR映像の可能性を見出したのは正しいい方向性だろう。
スポーツコンテンツは放映後の賞味期限が短いことは明確であり、この世界でのVRライブストリーミングは本命であろう。放送事業者とスポーツ関連団体がVRシステムを導入する上で前向きなのも、VR配信の追い風になる。
VRライブストリーミングの牽引者は、間違いなくNextVRだ。ここはターナースポーツとパートナーシップを結んでNBAの2015年オープニングナイトゲームをストリーミング配信した。NextVRのような会社がライブ合成/配信と撮影技術を確立するだろうし、今後、競争も激化するだろう。
結局、360°ライブ配信が成功するかどうかは、視聴者がいるか、プロダクションや放送局がビジネスとして魅力あるかによるのだが、2010年に過剰に期待された3Dの例もあり、必ずしも楽観視できない。しかし、以前とは異なり、360°映像は期待できるのではないかという気もする。
パナソニックのこのシステムはまだプロトタイプで価格も発表になっていないが、パナソニックが360°カメラの開発を進めているということは、メーカーも大いに期待しているということだろう。
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Graham Sheldon
Emmy winner, Graham Sheldon, resides in Southern California, where he works as a producer and director of photography. He is a member of the Producers Guild of America and ICG Local 600.