Vision Researchは、新しい高速カメラ、Phantom T1340を発表した。 4MP(2048 x 1952)の低ノイズセンサーにより、最大3,270フレーム/秒(フルセンサー)またはフルHD(1920×1080)で最大6,160 fpsで撮影できる。コンパクトなボディ、最大144GBの内部RAM、CineMag Vメディアとの互換性を持ち、さまざまなレンズマウントが付属している。
速度に関して言えば、現在の大多数のカメラは、毎秒約240フレームが限界だ。例外は、2Kで320fpsをキャプチャできるKinefinity Terra 4Kと、2K 2.4:1(2048×864)で300 fpsで撮影できるRED DSMC2カメラの二つがある。
更に高いフレームレートが必要な場合は、Phantomが必要になる。Vision Researchはニュージャージーに拠点を置く米国企業で、Phantomカメラは高速カメラのスタンダードだ。さまざまな用途向けに、各種センサー、解像度、フレームレートを備えた多くのPhantomカメラがラインアップされている。
おそらく、映画用に最も人気のある高速カメラは、4096 x 2304の解像度で実に938 fpsを提供するPhantom Flex 4Kだろう。こちらは数年前に南アフリカで撮影されたPhantom 4Kドキュメンタリー「Through The Thick」。
今回Vision Researchは4メガピクセルセンサーを備えたPhantom T1340を発表した。
Phantom T1340の概要
新しいT1340は、2048 x 1952標準解像度(1024 x 976ビニング解像度)のカスタム12ビットCMOSグローバルシャッターセンサーを持ち、サイズは27.6 x 26.3mm。カメラ本体自体の寸法は12.7 x 12.7 x 20.3 cmで、重量は4.5 kg。
最高解像度では、3,270fpsで撮影でき、フルHD(1920×1080)では6,160 fpsで撮影できる。また、ビニングモードではより高いフレームレートでも可能。最大フレームレートは、解像度を下げた状態で113,510 fpsに達する。これは主に科学的な目的で使われる。 Vision Researchによれば、センサーはCDS(Correlated Double Sampling)テクノロジーを使用し、より良い画質と低ノイズ化を実現している。
カメラの用途として、オブジェクトトラッキング、フローの可視化、顕微鏡画像、デジタル画像相関(DIC)などの最新のイメージング技術が挙げられる。フルHDシネマアプリケーションにも適している。
Phantom T1340のネイティブデイライトISOは16,000(モノ)および4,000(カラー)とされている。データストレージには、36 GB、72 GB、または144 GBのRAMを選択でき、カメラは最大8 TBの容量のPhantom CineMag Vメディアをサポートしている。
カメラは10Gbイーサネット接続が可能で、映像ファイルはカメラ本体からポートを介して、または専用のCineStation IVを介してオフロードできる。 10Gbイーサネットでは、最速のデータ接続が可能で、カメラのRAMバッファーから直接ダウンロードできる。
ファントムT1340はニコンFマウント(ニコンGスタイルレンズの絞りサポートが利用可能)、キヤノンEF(電子フォーカスとアイリスコントロール付き)、PL、スレッドCおよびユニバーサルM42のレンズマウントが選択できる。
価格と発売時期
Phantom T1340の価格と発売時期は未定。Phantomカメラは独自の機能を備えているため、通常はプレミアム価格になる。なお一部のPhantomカメラは、レンタルのみで利用できる。 T1340の購入を考えている場合は、Vision Researchに直接連絡いただきたい。