PolarProの新しいPolarPro Iris Mobile Filter Systemはスマートフォンで本格的なビデオ制作をするクリエーターにおすすめのNDフィルターだ。
この1年ほどで、スマートフォンで本格的なビデオ撮影をするビデオカメラマンやオンラインコンテンツ制作者が増えた。この現象にはメーカーも気づいており、成長しているニッチ市場に開発投資を行っている。
cinema5Dでもこの傾向に注目しており、モバイルビデオクリエーターに対し、折りに触れこれらの新製品やソリューションの記事をリリースしている。今後もこれらのデバイスやそれをサポートするアクセサリーは発展していくだろう。
スマートフォンは、いつでもどこでも最小限の手間と最小限の機材で撮影できる。 Mavic AirのようなコンパクトなドローンやOsmo Mobileのような軽量ジンバルと組み合わせれば、静止画から空撮までカバーでき、しかもバックパックに収まってしまう撮影機材一式を手に入れることができる。
しかし、スマートフォンのビデオ撮影で多くのカメラマンが気に留めていないアクセサリーの1つはNDフィルターだ。
シャッタースピードをコントロールする
明るい環境で動画を撮影する場合、最初に気がつくことの1つは、スマートフォンのカメラのシャッター速度がデフォルトで 1/3000 – 1/6000秒になり、動きがギクシャクしてしまうことだ。シャッタースピードを落す必要があり、また美しいボケを作り出すにはNDフィルターを使用する。
しかし、今までスマートフォンカメラ向けの優れたNDフィルターはほとんど発売されていなかった。
PolarPro Iris Mobile Filter Systemの概要
PolarProはフィルターを熟知しているメーカーだ。同社はドローン用の最高品質のフィルターを開発し、世界中のドローンオペレーターから信頼されている。同社は経験と技術を生かして、新しいカテゴリーの製品を生み出している。
Iris Mobile Filter Systemは実に良くできた製品だ。これは、スマートフォンにケージを付けなくてもクリップで取り付けることができる。非常に軽量で、高品質のプラスチックでできており、滑ったり、ずれたりすることはない。 iPhone X、iPhone 7/8 Plus、iPhone 6/7/8、およびPixel 2 / 2XLに対応する。
PolarPro CinemaシリーズのNDフィルターには様々な濃度が用意されており、キットに付属する基本の3種類はND8、ND16、ND32。拡張パックはND64、ND128、ND256が含まれている。 ND64は明るい日に24fpsで撮影する場合、シャッター速度を1/48秒に落とすことができる。このシステムでフィルターを重ねて使用することはできないので、拡張キットを入手しておくと便利だ。
ジンバルで使用する場合は、DJI Osmo Mobile 2に対応しており、システムがジンバルでバランスが取れるよう、カウンターウェイトも用意されている。
長所と短所
長所
- 高品質のシネマシリーズNDフィルター – フィルターの品質は素晴らしく、色のシフトや赤外線の影響を受けない
- よくできたフィルターホルダー
- OSMO Mobile 2用のカウンターウェイト(別売)
- ケージやケース不要
- 6種類のフィルターを収容できるケースが同梱
短所
- フィルターは、付属のケース内で数字(NDマーキング)を下にして収納されているので、取り出す場合不便。
- フィルターにあるNDマークは内側で、装着時見えなくなってしまう。
これらの問題は、ND番号マーキングをフィルタの反対側に印刷することによって容易に解決できるので、是非対策して欲しい。
まとめ
これはモバイル機器での映像制作で必須のフィルターシステムだ。私自身も常に使用している。ジンバルを使用する場合でも、特に悪影響を及ぼさない。ただ、外部取付用のレンズを使用する場合は、取り付けることができない。