プロンプターのメーカーPrompter Peopleから、このレビューのために22.5インチのDesktop Flexと19インチのProLine Plusを提供いただいた。 ProLine Plusは、主に屋外撮影や小規模なモバイルスタジオを対象とし、またDesktop Flexプロンプターは、屋内やスタジオ用に適している。またPrompter PeopleブランドのHD500三脚も送られてきた。今回はこれらのプロンプターをレビューする。
筆者は、2020年以前はプロンプター必要性があまりなかった。しかし、コロナにより情勢が変わり、オンラインストリーミングが必要になった。少人数でのオンラインコンテンツ制作の必要性が高まったため、プロンプターが必要になった。
Prompter Peopleはプロンプターマーケットではリーダーだ。同社は、小さなエントリーレベルから10,000ドル以上のロボット制御バージョンまで多種のプロンプターをラインアップしている。映画やテレビの制作に合わせて、豊富な種類のプロンプターから選択でき、また信頼性も高いものだ。
19″のProLine Plus
今回は、4つのプロジェクトでProLine PlusとDesktop Flexの両方を使用した。 4つのプロジェクトの1つには、なんと45ページのテキストが含まれていた。そこで筆者はProLine Plusの採用を検討した。これは、モバイルカメラを念頭に置いて設計されているように思われるからだ。さらに、15mmロッド用の基本的なベースプレートも付属している。
まず、ProLine PlusとDesktop Flexの両方を取り付ける方法は、Prompter People HD500三脚にマウントする(下の写真)。三脚プロンプターとカメラを別々に取り付けると、カメラをプロンプターからすばやく切り離すことができる。これは、Bロールショットの真のメリットだ。筆者が取り組んでいたプロジェクトでは、プロンプターモードにすばやく簡単に移行できる柔軟性が必要だった。
大型のレンズを除き、多くのカメラとレンズはProLine Plusで機能する。 ただしProLine Plusを取り付けている場合は、マットボックスを取り付けるのは難しい。必要な場合は、Wooden Cameraのような非常に小さいクリップオンマットボックスをお勧めする。
付属のProLine Plusベースプレートを使用する場合、プロンプターモードから通常のカメラモードに変更するにはかなりの作業になる。撮影全体がプロンプターであれば問題ないが、筆者の撮影のほとんどは、プロンプターとBロールの切り替えを必要とした。これは特定のユースケースで考慮すべきことであり、この課題が、両方のプロンプターをHD500三脚に取り付け、必要に応じてカメラを使う主な理由だった。
プロンプターは基本的に、比較的単純なミラーとモニターのデバイスで、単純な設計ができる。しかしこれはProLine Plusには当てはまらない。このプロンプターは、ユーザーを理解して開発されており、高品質だ。カメラを正しく配置すれば、歪みを生じることはない。ただし、ProLine Plusガラスを通して撮影すると、約1/4の光が失われることが分かった。
ProLine Plusは、簡単に梱包できるように折りたたまれておりコツが分かれば、セットアップは5〜10分程度で済む。ラップトップの好みのプロンプタープログラムからモニターにフルサイズのHDMIケーブルを接続することをお勧めする。 VGAおよびコンポジット入力も可能で、SDI入力も可能だが今回は使用しなかった。
モニターはスタジオでの使用に十分な明るさで、サンフードとして機能するガラスの角度が外光を遮っている。屋外での簡単なテストでは、太陽光の跳ね返りでテキストを読むのに苦労した。モニターと同様に、外光を念頭に置く必要がある。どうしても日中に屋外で使用する必要がある場合は、MatthewsのTHISONEまたはオーバーヘッド4×4フロッピーをお勧めする。
ProLine Plusには、400nitまたは少し高価な1000nitモニターが付属している。自然光が当たる場所や日中に屋外で撮影する場合は、1000ニットの明るさが必要だろう。スタジオでは、400nitの明るさで十分だ。モニターはテキストを読むのに適したものが必要で、照明やショットのモニターを目的としたものではない。
iPadベースのバージョンや、または専用モニターを購入するかどうかも検討する必要がある。個人的には、専用モニターが好ましい。iPadは他の用途にも使用するため、プロンプターには専用のモニターが必要だ。 Prompter Peopleは、iPad Proをモニターとして使用するために、マウントできるUltraFlex12インチリグも用意している。これは、iPad ProやSurface Proを既に所有している場合の方法だ。
付属のAC電源ケーブルでモニターへの電力供給が可能だ。 D-tap入力は無いが、少し注意深く調べれば、D-Tap to Barrelコネクタを確実に見つけることができる。筆者はPrompter Peopleに連絡して、D-Tap to Barrelケーブルを確認したところ、同社はこれを提案した。
これがProLine Plusのリアアングルで、レンズを包む柔らかいキャンバス素材を採用している。その素材がショットに入り込まないように注意する必要がある。下のノブを調整することで、高さと角度を変更できる。
実際には、このタイプの微調整は、プロンプターガラスの中心をレンズの中心に直接配置するのに役立つ。すべてのカメラはわずかに異なり、ベースプレートからレンズの中心までの高さは、レールに取り付けられたマットボックスを考慮して標準化が進んでいる。それでも、プロンプターはまったく別物で、ProLinePlusの微調整機能は有用だ。
ProLine Plusキットをいくつかの異なる方法で構成すると価格が変わるが、通常、このキットの価格は約2,000ドルだ。市場に出回っている他のプロンプターよりも少し高価だが、何年も使用できるだろう。
22.5インチのDesktop Flex
サイズの点でProLine Plusの上位にあるのがDesktopFlexだ。このプロンプターは、その名の通り、デスクトップアプリケーション向けとなっている。このプロンプターはほとんどのスタジオアプリケーションで有用だろう。
視力が十分なら、このプロンプターを数フィート離して、モニターの文字を読み取ることができる。筆者はProLine Plusを6〜8フィートの距離からテストし、問題なく読み取れた。Desktop Flexは、さらに離れることができる。プロンプターを近づけられない場合に有用だ。
Desktop Flexはデスク用の取り付けアーム付きで送られてきたが、筆者のニーズでは、ほとんどの場合、取り付けにHD500三脚を使用した。付属の取り付けアームはうまく機能するが、顔から数インチのところに22.5インチのプロンプターが必要な理由が不明だ。
デスクトップ取り付けアームが必要かどうかにもよるが、約2,200ドルで、キットはProLine Plusよりもわずかに高価だ(約数百ドル)。Desktop Flexのセットアップは少し注意が必要だ。筆者のようにプロンプターの経験があまりない場合は、付属のマニュアルなどで確認することをお勧めする。
ProLine Plusとは異なり、Desktop Flexには輸送用のケースが付属していない。ホイール付きのペリカンスタイルのハードケースなどを別途購入すると良いだろう。
上の写真から、ProLine Plusと比較してDesktop Flexが大きいことがわかる。HD500のような専用の頑丈な三脚を使用することを強くお勧めする。Prompter People HD500三脚の品質は素晴らしい。筆者は、キヤノンC300 MK II、C300 MK III、C500 MKIIなどのカメラ用の三脚として890ドルのHD500を複数回使用した。テンションはパンとチルトの両方で調整可能で、スムーズなパンとチルトが可能だ。
テキストをスクロールするためのソフトウェアに関しては、Mac以外のユーザー向けに、AppStoreやその他の場所で文字通り数十のオプションを利用できる。それらはそれほど高価ではなく、音声追跡などの機能もある。筆者は、macOS11以降用のPrompt Smart Proと、50ドルバージョンの「Power Prompter」を楽使用している。 Androidモバイル、iPad、iPhone向けにさらに最適化されたさまざまなオプションも利用できる。
まとめ
要約すると、Desktop FlexかProLine Plusを比較すると、どの程度モバイルである必要があるかによる。カメラやデスクに直接取り付ける必要があるか、それとも柔軟性を高めるためにHD500などの別の三脚に取り付けることができるかといった点だ。
19インチのモニターは、さまざまな状況で非常に読みやすいことが分かった。また周囲光の状況も考える必要がある。様々な要因を考え、ニーズに合ったプロンプターを選択できる。
Desktop FlexまたはProLine PlusとHD500三脚を組み合わせることで、より使いやすくなる。もっと安価な選択肢もあるが、プロンプターのコアテクノロジーが何年も変わっていないことを考えると、堅牢に設計されたものが必要になる。長年にわたり機能し続ける製品は、信頼性の高い撮影につながる。