QooCam 8Kレビュー
QooCam 8Kは、世界初のコンシューマー向け8K 360カメラだ。今回数週間使用したのでレビューをリリースする。
QooCam 8Kについては、発売前に記事をリリースしている。リリース前に発表された機能が全て搭載されているかを含め、レポートする。また、その後アップデートで搭載される機能についてもレポートする。
コンシューマー向け360°カメラ
QooCam 8Kは優れたプロシューマ360カメラと言える。完璧ではないが、小さな問題は画質がそれを補って余りある。 QooCam 8Kは、2つの大きな20メガピクセル裏面照射型イメージセンサーを搭載している。カメラの両側で200度の視野をカバーする。写真とビデオの画質は、もちろんプロ用の360°カメラには及ばないが、大きく前進している。
ただし、ファンノイズが大きく、多少重く、防水性はない。レンズが損傷したという多くのユーザーの報告が見られるが、これは通常の使用でも簡単に起こる。特に自撮り棒の端でカメラを振り回すと、事故が発生する危険性がある。このよう合ことに注意すれば、 QooCam 8Kは現在最も魅力的なコンシューマー360カメラと言える。
8Kをサポート
オリジナルのQooCamは、4K 360と3D 180のビデオを記録できた。コンシューマーの360°カメラは長い間4Kだったが、5.7KのInsta360 One Xのように、解像度が上がってきている。そして今回は8KのQooCam 8Kが発売された。
従来の360°カメラの問題点は解像度が十分でなかった点だ。 4Kや5.7Kでも、360°の視野をカバーするには十分ではない。しかし8K 360°カメラが登場したことにより、この問題も解消されるだろう。
オーバーキャプチャーの利点
360°カメラの利点の1つは、すべてを撮影してから、16:9のビデオを切り出しできること。これはしばしば「オーバーキャプチャー」と呼ばれる。十分なディテールと画質の16:9映像を得るには、非常に高解像度の360°映像を記録する必要がある。スティッチングとプロジェクションによる損失を考慮に入れることも必要だ。
360°の視野が7680ピクセルで記録される場合、180°のトリミングされた映像は3840ピクセルになる。360°画像からの90°の映像を切り出す場合は、幅が1920ピクセルのみだ。これは、8K以下の映像では難しい。ただし、8K映像から切り出された1920 x 1080の「オーバーキャプチャー」ビデオは、少し薄く感じられる。たぶん、16Kくらいが必要なのだろう。今年8K対応のスマートフォンが登場し、2つの8Kセンサーを搭載したコンパクトなデュアルカメラは大量のデータの処理が問題となるため、今のところ実現されていない。
8K 360°映像のステッチングとレンダリング
QooCam 8Kカメラで記録された10ビット8K HEVCビデオ(200Mbps)を処理することは簡単ではない。筆者の2015年のMacbook Proでは歯が立たない。QooCam StudioソフトウェアはApple ProResファイルにレンダリングするだけなのだが、非常に時間がかかる。Intel Iris Pro GPUが非力なのはわかっているが、このパソコンではどうにもならない。これは当然のことだが、強力なパソコンが必要なら、コンシューマー向け8Kカメラと言えるのが疑問だ。ミッドエンドからハイエンドのGPUを備えたゲーム用ラップトップやデスクトップなら問題なく動作すると思われるが、そのようなパソコンを持っているコンシューマーは限られるだろう。
さて、はるかに強力なWindowsワークステーションでQooCam Studioを使い、テストファイルをレンダリングしてMacに戻すことができた。得られた8Kのビデオファイルは、360°ビデオ編集をサポートするデスクトップNLEで編集した。
FCPXは360°ビデオを編集し、VRヘッドセットがあればそれに出力することもできる。
Macbook ProでQooCam Studioを実行することは明らかに問題外だったので、iPhoneのiOS QooCamアプリはどうか調べてみた。するとiPhone 11 Pro Maxで見事に機能し、ほとんどのユーザーにとって最良の方法と分かった。これがあれば、高機能なパソコンは必要ないだろう。オンラインで共有するのに十分だ。
QooCam 8Kカメラでの撮影
QooCam 8Kは、美しい2.4インチOLEDスクリーンもあり、非常に使いやすい。内蔵の3000 mAhバッテリーはUSBで充電され、カメラにはmicroSDカードスロットがある。 QooCam 8Kには64 GBの内部ストレージが内蔵されているので、microSDカードは必須ではない。
QooCam 8Kの画面メニューは画面上部から下にスワイプして設定にアクセスしたり、左にスワイプして撮影モードを選択したり、右にスワイプしてライブラリにアクセスして記録されたメディアを再生したりできる。ライブプレビューは、フレーミングのプレビューや再生に最適だ。画面の上部に利用可能なストレージ容量、撮影モードとバッテリーレベルが表示される。画面の下部には、現在の撮影モードに応じた情報が表示される。
QooCam 8Kは完全に自己完結型で、スマートフォンとペアリングする必要はない。
バッテリーの持続時間は長くなく、わずか45分だ。従って、撮影を中断して充電する必要がある。屋外では外部バッテリーから充電できる。
QooCam 8Kで写真を撮る
QooCam 8Kはビデオだけではなく、360°写真も撮影できる。これは、8つのdng rawを記録するDNG8モードによる。
ワークフローは少し複雑で、Kandao独自のRAW +ソフトウェア、Adobe LightroomやPhotoshopなどのサードパーティアプリケーション、そして最後にQooCam Studioが必要になる。
Raw +ソフトウェア(WindowsとMacに対応)を使用して、8つのRAW露出が1つの16ビットRAW DNGマスターファイルに結合される。これをAdobe LightroomあるいはPhotoshopに取り込み、8ビットのjpgに変換できる。
最後にjpgをKandao Studioに取り込み、最終的な高解像度の360°画像をステッチしてレンダリングする。
このプロセスについていくつか懸念がある。 QooCam Studioは16ビットのDNGファイルを直接インポートして処理できないため、16ビットのDNGの露出、ホワイトバランス、カーブ、トーンを微調整する機能は使えない。これらの微調整は、Photoshop、LightroomなどのアプリケーションでDNGから8ビットjpgに変換するときに行う必要がある。画像は2つの魚眼画像のため、その段階でRAWファイルを編集することはできない。
理想的には、QooCam Studioは16ビットDNGファイルを直接取得し、スティッチングやレンダリングでピクセルビット深度を保持し、編集用の非圧縮16ビットファイルとして保存できると良い。
QooCamアプリ
QooCamアプリは、「SmartClip」撮影および編集テンプレートと、カメラ制御とプレビュー、メディアライブラリ、スティッチング、処理、編集ツールが搭載されている。チュートリアルやさまざまなアプリ処理設定も用意されている。
アプリをカメラに接続するのは簡単で、タッチスクリーンを下にスワイプしてWi-FiアイコンをタップするだけでWi-Fiを有効にできる。次に、スマートフォンのwifiでカメラを見つけ、デフォルトのパスワード(1〜8)を入力する。アプリがカメラを検出し、プレビューを表示する。
QooCamアプリは強力な編集機能を持っている。記事の上部のビデオを参照いただきたい。
まとめ
QooCam 8Kは、現在購入できる最もよくできたコンシューマ360°カメラだ。信頼性が高く、画質が優れている。カメラは高解像度で高ダイナミックレンジの映像を撮影できる。次に、QooCamアプリを使用して動画や写真を編集し、オンラインで共有するか、デスクトップソフトウェアを使用して、後の作業に適したファイルを作成できる。
KandaoのWebサイトはこちら。
長所
- 堅牢なボディ
- 1 / 1.7インチ裏面照射型イメージセンサー
- 8K解像度
- 高ダイナミックレンジ
- 30bpsの10ビット8Kビデオ
- 最大120fpsの4Kビデオ
- 最大200Mbpsのビデオビットレート
- 12ビットRAW写真と16ビットDNG8の写真
- 64 GBの内部メモリ
- MicroSDカードスロット
- ミニジャックマイク入力
短所
- 複雑なDNG8 RAW写真ワークフロー
- QooCam Studioソフトウェアは強力なパソコンが必要
- 低用量の内蔵バッテリー
- 大きなファンノイズ
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