macOSアプリのRaw Converterは、ProRes RAWクリップをCinemaDNGに変換し、DaVinci ResolveにネイティブRAWでインポートできるが、新しいカメラとロスレス(約2:1)cDNG圧縮をサポートした新しいアップデートがリリースされた。新たにサポートされたカメラは、キヤノンEOS R5、シグマ fp と fp L、Z CAM E2-F6、ニコン Z6 II、富士フイルムGFX100S、同 GFX100。
数日前に、ProRes RAWファイルをCinemaDNG(cDNG)に一括変換して、DaVinci ResolveでRAWワークフローを可能にする、RAW Converterという新しいmacOSアプリについての記事を書いた。cDNGは個々のフレームをRAWファイルとして提供するので、映像制作者は映像から高品質のRAWスチルを取り出し、必要に応じてLightroomで現像することができる。
コメント欄での活発な議論の後、このアプリの作者Nikolaj Pognerebko氏はサンプル映像を集め、新しいカメラのサポートと、ロスレスcDNG圧縮オプションを追加した。
Raw converter – update 1.6
新バージョン1.6の変更点のリストはこちら。
- 視覚的な変更
- 真のロスレス圧縮を追加
- キヤノンEOS R5 のサポートを追加
- シグマ fpのサポートを追加
- シグマ fp Lのサポートを追加
- ZCAM E2-F6に対応しました。
- ニコンZ6 IIのサポートを追加
- 富士フイルム GFX100SとGFX100のサポートを追加
- バグフィックス
前回の記事で書いたように(Raw Converterアプリの詳細についてはこちら)、カメラごとに個別のキャリブレーションが必要なので、カメラの追加サポートには時間がかかる。
新しい「真のロスレス」圧縮に関しては、約2:1のファイルサイズ圧縮を提供するが、「ZIP」ファイル圧縮と同様に動作する。このためcDNGファイルの内部でロスレスとなる。この方法では、4.96GBの最初のProRes RAWファイルの例では、ロスレス圧縮は11-12GBのCinemaDNGになる。
また、アプリのユーザー向けに、同氏はワークフローを詳しく説明するビデオをリリースしている。
今後のアップデート
Raw Converterの今後のアップデートについて、Nikolaj氏は現在タイムコードのサポート追加に取り組んでいると話してくれた。新しくサポートされるカメラに関しては、次のバージョンでZ CAM E2-M4と Z CAM E2-S6をサポートするようだ。他のZ Camモデルに関しては、同氏は現在、変換を微調整するために適切な映像を探している。
パナソニックLUMIXのサポートについては、パナソニックのHDMI RAW出力からのProRes RAWファイルは、ホワイトバランスが焼き付けられているので、パナソニックと直接連絡を取り、この制限をどう解決するか確認するとこと。今後の進展にご期待いただきたい。
価格と発売時期
現在、Raw ConverterアプリはmacOS 12(Monterey)でのみ提供されており、Apple App Storeからダウンロードできる。このアプリは、機能をテストするために300フレームの映像(音声を含む)を無料で変換することができる。フルレングスの変換については、アプリ内課金となっている。ライセンスは現在、カメラ1台あたり約75ドル。今のところWindowsやLinuxのバージョンの予定はないそうだ。