REDは、ニコンに対し、REDの悪名高い圧縮RAW特許を侵害しているとする訴訟を起こした。REDによると、ニコンZ 9に内部RAWフォーマットは、意図的に同社の圧縮技術をエミュレートしているとのことだ。
数週間前、CineDではNikon Z 9のファームウェアV2.0のリリースについて報告した。4月20日から正式にダウンロードできるようになったこのアップデートでは、8.3K60までの12ビットN-RAWと、4.1K60までのProRes RAW HQまで内部記録できる機能が追加さた。
実際、REDは、悪名高い圧縮RAWの特許を侵害したとして、ニコンを提訴した。両社が法廷で争うことになるか、ニコンがZ 9からRAWフォーマットを削除しなければならなくなるかは不明。
RED、Z 9にRAWビデオフォーマットを追加したニコンを提訴
REDが自社の映像圧縮特許を侵害したとして競合他社に法的措置を取るのは、今回が初めてではない。最近では、KinefinityがCinemaDNGを自社のカメラから削除することを余儀なくされた。Kinefinityは、独自のKRW2.0コーデックの開発をあきらめた。さらに、同じ理由で、この機能はメーカーから以前発表されていたにもかかわらず、ProRes RAWはDJI Ronin 4Dに搭載されることはなかった。
内蔵のN-RAW(intoPixのTicoRAWがベースになっている)とProRes RAW記録の追加は、Nikon Z 9の発売当初から知られていたことだ。今回の発表はかなり意外だったが、当初はREDの特許を回避するスマートな回避策を見つけたのだろうと考えられていた。
業界にとって良いことか?
確かに、ビジネスはビジネスであり、REDは当然のことながら自らの発明を保護する。しかし、私個人としては、この絶え間ない長期的な戦いが、REDの競争相手を制限しているだけでなく、何となく業界全体を少し減速させているように見える。
一方で、この状況は、AtomosとBlackmagic DesignがそれぞれProRes RAWエコシステムとBRAWフォーマットで行ったように、知的財産によって課せられた課題を克服するために、企業に独創的なソリューションを考え出させてもいる。