REDデジタルシネマは、NVIDIA CUDA R3Dデコード用のSDKと、Windows用のREDCINE-Xの新バージョンを発表した。これらのアップデートにより、GPUの機能を利用することで8Kリアルタイム再生と編集を大幅に改善できる。 Windows用のREDCINE-X PROの新バージョンでは、8K RED RAW映像のデコードとディベイヤがはるかに高速になる。
2018年8月に、NVIDIAはTuringと呼ばれる新開発のGPUアーキテクチャと新しいNVIDIA Quadro RTXグラフィックカードを発表した。 NVIDIAはREDとのコラボで、REDCODE RAWに最適化している。Turingアーキテクチャを採用した新しいQuadro RTX GPUは、8K映像をフル解像度でリアルタイム再生および編集することが可能となる。
いつものようにJarred Land氏がREDuser.netにコメントを投稿することにより発表した。彼は、REDがNVIDIA CUDA R3Dデコード用のSDK(ソフトウェア開発キット)およびREDCINEのV. 51.0.47404をリリースしたと述べている。以下はREDのYouTubeビデオ。
一般的に、このコラボレーションの考え方は、デコードをCPUからGPUに移行して、リアルタイム8Kワークフローを提供することだ。 NVIDIA CUDA R3Dデコード用SDKのリリースにより、R3D RAWファイルのGPUアクセラレーションをさまざまなアプリケーションに実装できるようになった。したがって、この技術がAdobe PremiereやDaVinciなどのNLEに実装されるのは時間の問題と言える。
REDはすでにこの新技術を自社のREDCINE-X PROの新バージョンに組み込んだ。これはNVIDIA CUDAプラットフォーム上で、R3Dファイルの高速デコードおよびディベイヤが可能だ。複数のNVIDIA GPUでRED R3Dファイルのデコードおよびディベイヤを処理することで、8Kフッテージのリアルタイム再生、編集およびカラーグレードが可能になっている。
このことによりポストプロダクションでは次のようなメリットがある。
- 8K/30 fpsをリアルタイム再生
- フォーマットと内容に応じて、最大10倍速いトランスコーディング
- コンテンツのレビューでの効率と品質の向上
- プロキシファイルではなくR3Dファイルを使用できる
NVIDIA Quadro RTX 6000および8000、GeForce RTX 2080 Ti、およびTITAN RTX GPUでは、中規模程度のPCと組み合わせても8Kを編集できる。マルチGPU構成ならパフォーマンスはさらに向上する。 なおGPUアクセラレーションは、古いNVIDIA GPUでも向上する。
またNVIDIA RTX GPUを搭載した新しいノートパソコンもすでに発売されている。たとえば、Razer、Acer、Alienware、ASUS、Dell、Gigabyte、HP、Lenovo、MSI、Samsungなどのメーカーのノートパソコンだ。これらのノートパソコンでも8Kのリアルタイム再生が可能になる。
まとめ
Windowsベースのシステムなら、REDのこの発表により、8Kでの制作をより多くの映像クリエーターが利用できるようになる。R3D SDKのダウンロードはこちらから無料で可能。 Windows用のREDCINE-X PROの新しいバージョンは、こちらから無料でダウンロードできる。
昨年の前回の記事と同様、Appleはこの技術にどう反応するのか興味がもたれる。新しいMac Proには新たなGPUアクセラレーションが導入されるのかもしれない。
Source: REDuser.net