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リモート映像制作は今後の放送や映像制作の標準になるか?

リモート映像制作は今後の放送や映像制作の標準になるか?

新型コロナウイルスの影響で、多くの番組制作が中止されている一方、リモートでの番組制作が進んでいる。コロナ後もこれが一般的になるのだろうか。

Image credit: Nicole Geri on Unsplash

映像制作のチーム管理からニュース、ライブプロダクション、そしてもちろん映像編集などのポストプロダクションに至るまで、リモートでの番組制作やコラボレーション型のオンラインツールが開発されている。また、毎年主要なトレードショーで、Webベースのコラボレーションシステムが発表されている。

我々が直面している現在の新型コロナウイルスの状況は、今後の映像制作をリモートやWebベースで行うワークフローを加速する可能性がある。

分散型ブロードキャストとIPの新しい世界

リソースや情報を管理するこれらのテクノロジーやソリューションは、リモート番組制作やクラウドベースの制作とうまく融合する。

ニュースやトークショーなどを筆頭に、あらゆる種類のスタジオベースのライブ制作では、自動化へのシフトが進んでいる。照明は完全に電動化され、リモートで操作できる。スタジオカメラは台座やトラックベースのPTZボックスカメラを使用することで、ほとんどオペレーター不要で撮影する。プロンプターはますますIPベースになり、プレゼンターは小さく目立たないハンドコントローラーを使用してスクロール速度をワイヤレスで制御する。

コントロールルームがIPベースになり、スイッチャーやルーター、CG、カメラ設定でさえどこからでも操作できる。大規模なスポーツイベントでも、IPベースのOBトラックがあれば、カメラチームと数人のエンジニアだけでカバーできる。トラックが高速ネットワークに接続されれば、イベントをどこからでもリモート操作することができる。

nxteditionによるプロダクションの仮想化

もちろん、クラウドベースのニュースルームやプロダクションシステムは仮想化へも移行する。筆者が見た中で最も興味深いものの1つはnxteditionだ。 nxteditionは、多くの機材(プロンプター、ニュースルームコントロールシステム、オートメーション、メディアアセット管理、トランスコーディング、ビデオ再生/記録、グラフィックスシステムなど)を仮想化し、これらの機材の仮想インスタンスを提供するサービスを行っている。これらのサービスはクラウドでブラウザーベースのインターフェイスを使用し、どこからでも使用できる。

このような考え方は、放送やメディアワークフローインフラストラクチャの未来であると筆者は強く感じる。

ソフトウェアがハードウェアに取って代わり、Opex(Operating Expense:運営費)が設備投資に代わるだろう。放送業界では、これらの技術を使用する側と提供する側の両方に大きな変化が起こる。

Playbox Technologiesのクラウドベースシステム

Playbox Technologiesは、BOXソリューションのチャンネルで知られている。 PlayboxのCosmosは、あらゆる規模の放送局向けの分散型仮想送出ソリューションだ。 Cosmosを使用すると、従来のTVチャネルやOTTサービスを簡単かつ迅速に開始できる。チャネルはデータセンターから、またはプライベートクラウド、あるいはパブリッククラウド上のサイトでホストできる。 24時間365日の信頼性とパフォーマンスで、ファイルベースのサービスとライブサービスの両方を実行できる。

なおCosmosは、SMPTE ST 2110、2022-2 2022-6、2022-7、35および104とともにAES67をサポートしている。

繰り返しになるが、Webベースのインターフェイスは、VPNを介してどこからでもすべてにアクセスできることを意味する。

リモートコラボレーションとプロダクションツール

Frame.ioは、リモートコラボレーションビデオ制作の業界標準になっている。これは、クラウドベースでコンテンツを作成するためのコラボレーションハブで、チームのメンバーは世界中の場所で作業ができる。

frame.ioのビデオは、物理的なオンサイトチーム、ハードウェアおよびメディアストレージからクラウドへのより大きなシフト、およびリモートメディアワークフローの構築までを説明している。

リモートポストプロダクション

ポストプロダクション、特にコマーシャルや長編映画などのポストプロダクションは、物理的な機器の設備が必要で、編集者やアーティストが物理的に存在する必要性がある。しかしこれも、クラウドベースのハイエンドワークステーションとストレージをブロードバンド接続することによりリモート操作が可能で、既に実用化されている。

Bebop Technology

Bebopは、ポスト共有施設とプロを対象としたソフトウェアエコシステムで、クラウドでハイエンドの仮想ワークステーションを実行できる。高速の共有ストレージ、ハイエンドGPUなど、業界をリードする編集、VFX、3D、カラーグレーディングを実行するために必要なすべてを完備している。

Bebop Rocketは、メディアファイルをクラウドでシームレスに転送するファイル転送サービス。転送は暗号化され、セキュリティーも万全に対策されている。データを暗号化しバックアップを提供する災害復旧オプションも用意されている。

Bebopハードウェアはスケーラブルで、物理的に購入してハードウェアに縛られることはない。 Bebopはサブスクリプションベースで、Azure、AWS、あるいはGCPでホストされるターンキーソリューションを構築できる。これには、すべての仮想BeBopワークステーション、ストレージ、および必要なクラウドインフラストラクチャが含まれている。

またBebopは、企業ごとのニーズに合わせて対応するため、価格設定は公表していない。個人のクリエーターではなく会社を対象としているため、個人のシステムとしては向いていない。

ポストプロダクションにとっては非常に利用価値がある。それほど高機能でないノートパソコンと安定したブロードバンドインターネット接続があれば、編集者やアーティストは世界中のどこからでもハイエンドワークステーションにアクセスできる。

リモートは放送や映像制作の標準になるか?

リモートでの番組制作は、間違いなくメディア企業、制作会社、放送局、ポストプロダクションの未来だろう。さらに小規模なプロジェクトでも、framework.ioなどの企業が提供するサービスを利用して、コラボレーションワークフローを簡単に始められる。

多くのメディアおよびエンターテインメント制作会社にとって、将来、ハードウェアの購入やハードウェアの維持、そしてそれらをすぐに買い換えなければならない状況から解放されるだろう。代わって、バーチャルでスケーラブルな運用形態になっていく。

これにより、地理的に離れた場所でも制作チームを編成できるようになる。自宅で仕事をしている今の状況が、新しい仕事のスタンダードになるかもしれない。

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