現在では多くのバッテリーがリチウムイオンバッテリーとなっており、当分その傾向は続くだろう。しかし航空会社は、リチウムイオンバッテリーに神経質になっている。いずれにしてもバッテリーは大きく、重く、たくさん持っていかなければならない場合は閉口してしまう。さてBebobはいつも革新的なバッテリーを開発しているが、今回はBebob Microバッテリーシリーズをレビューする。Bebob Microバッテリーは小型で、同程度の容量のバッテリーに比べ、40%の大きさだ。これで厳しい現場での撮影に耐えらるか、検証してみたい。
Bebob Micro Batteryの概要
Bebobはドイツを拠点とするバッテリーメーカーで、最近ではARRIのカメラ用の新しいBマウントを開発した。新しいMicroシリーズでは、サイズ、耐衝撃性、そしてD-Tapポートが特徴だろう。
今回はA150とA90を使用して、主にキヤノンのC300 MK IIとSmall HDの Bolt 703モニターに給電した。撮影期間は約2週間。充電にはBebob AS2 2ポジション充電器を使った。なお、Bebobは小型のA45(43 Wh)バッテリーも送ってくれたので、これを主に小型のハンドヘルドモニターで使用した。
バッテリーの外側に貼られた大きな銀色のステッカーが剥がれかけていたが、これは性能には関係しないだろう。形状はほぼ立方体だ。
サイズ
バッテリーを箱から出してまず気が付くのは、とても小さいということ。小さくするために、何かが削られているのではと思ってしまう。 Bebob の98Whバッテリーは、最近生産が中止された約1KgのAnton Bauer Digital 90よりも大幅に小型化されている。またBebobバッテリーでは5VのUSBポートが追加されている。
カメラのバランスをとるため、バッテリーはある程度重いほうが良いという意見もあるが、筆者は小さく軽いほうが良い。Microシリーズの大きな特徴は小型軽量であることだ。トータルシステムで小型軽量化を図るには、このバッテリーは解決策の一つだろう。
デザインと品質
このバッテリーは約1.5mの高さから落としても問題ないように設計されている。テストではバッテリーをコンクリートの上に直接落とすようなことはしなかったが、何らかの衝撃を受ける気がする。 2週間かけてさまざまな環境や温度で撮影したが、テストした3種類のBebobバッテリーはどれも問題なく動作した。
もう1つの優れた点は、どのようなD型タップケーブルでも、どちらの方向にも挿入できるツイストDタップポート。小さな機能だが、他のバッテリーメーカーも採用してほしい機能だ
バッテリー持続時間
バッテリーの持続時間は、当然ながらカメラやシステムによって異なる。今回のレビューでは、キヤノンC300MK IIにTeradek ACE 500ワイヤレストランスミッターを接続し、これらにA150から電力を供給したが、約7時間連続して撮影できた。
他の150 Whバッテリーの持続時間とあまり変わらないが、大きさと重さを比較すると、その違いが良く分かる。下は、他のいくつかの150 Whクラスのバッテリーと比較したもの。
- Bebob A150: 1.8 lbs(約82Kg)
- Anton Bauer Digital 150: 2.6 lbs(約18Kg)
- Anton Bauer Titon 150: 2.4lbs(約09Kg)
- Core SWX HyperCore 150Wh: 2.4lbs(約09Kg)
- Anton Bauer CINE 150: 2.7lbs(約22Kg)
なおFxlion、IndiPRO、Hawk Woodsといったブランドが、小型シネマバッテリーに参入し始めていることも注意しておきたい。
価格
バッテリーは地味な機材だが、撮影に必要不可欠なもので、価格も重要な点だ。今回テストした3つのBebobバッテリーの価格は以下の通り。
- A150: 395ドル
- A98: 325ドル
- A45: 245ドル
Bebobは、これら小型軽量のシリーズはMicroの製品名としており、同時に通常の大きさのバッテリーもラインアップしている。そしてこれら2種類のシリーズの価格を比べると、わずかにMicroシリーズが高価なだけだ。たとえば、98 WhのMicroバージョンは、通常バージョンと比較した場合、わずか5ドル高いだけだ。また98 Whの通常バージョンが最大負荷8Aに対し、Microバージョンは10Aとなっている。これならMicroバージョンの方を選ぶべきだろう。 Anton Bauerの場合は、新しいTiton 90の価格は現在318ドル、Titon 150の価格は517ドルと非常に高価だ。
まとめ
Bebob Amicroは小型軽量で、Dタップポートも付属している。実際この小型軽量のバッテリーを使った後は、大きく重いバッテリーを使いたくなくなる。将来的には、小型軽量の筐体に、どれだけの容量を詰め込めるかの競争になるのではないだろうか。