新しく発表されたRICOH THETA X 360カメラは、最大60MPの静止画、5.7K30p、または最大4K60pの動画、ダイレクトUSB-Cライブストリーミング、大型2.25″タッチスクリーンディスプレイ、および取り外し可能なバッテリーを搭載する。48GBの内部ストレージに加え、microSDカードスロットも搭載している。
リコーは、オフィス向けの製品(プリンターなど)からITサービスまで幅広く展開している。写真の世界では、リコー(リコーイメージング)はカメラブランド「PENTAX」ブランドの企業として知られている。スチル写真では今でもある程度の人気があるが、映像制作の世界ではペンタックスのデジタル一眼レフカメラはほとんど話題にならない。今後、リコーがこのブランドを復活させ、独自のミラーレスシステムを開発するのか、気になるところだ。
一方、360フォト&ビデオの世界では、リコーは近年、360カメラのRICOH THETAシリーズでかなり積極的に活動している。最初のRICOH THETA 360カメラが発売されたのは、すでに2013年にさかのぼる。2017年には、360カメラ「RICOH THETA V」を発表した。そして今回、リコーから新モデル「RICOH THETA X」が発表された。
60 メガピクセル の静止画、5.7K30pの動画
RICOH THETA Xは、1/2″型センサーとF2.4超広角レンズを2つ搭載している。各センサーは約48メガピクセルの解像度を持つため、得られた静止画をつなぎ合わせると、最大60 メガピクセル (11008×5504)の解像度を持つ(JPEGのみ使用可能)。
動画機能に関しては、以下の解像度とフレームレートが用意されている(いずれもMPEG-4 H.264圧縮、MP4コンテナ、AAC-LCモノラル音声)。
- 5.7K: 5760 x 2880 /30fps /120Mbps,64Mbps,32Mbps
- 4K: 3840 x 1920 /60fps /120Mbps,64Mbps,32Mbps
- 4K: 3840 x 1920 /30fps /100Mbps,54Mbps,32Mbps
- 2K: 1920 960 /30fps / 32Mbps,16Mbps,8Mbps
RICOH THETA Xは、約46GBの内蔵ストレージに加え、microSDXCカードスロットを搭載している。USB経由での4K(3840×1920)30fps、100Mbpsのライブストリーミングにも対応している。
カメラの温度が上昇すると、自動的に撮影を終了する。5.7K30pモード、4K60pモードともに最大録画時間は約10分となっている(周囲温度25℃でテスト)。4K30pでのストリーミング再生は最大約25分(周囲温度25℃でテスト)。リコーは、今後のファームウェアアップデートで2Kモードを追加し、2K30pのライブストリーミングの最大時間を増やす予定としている。
ディスプレイ、バッテリー、接続性
RICOH THETA Xの最大の特徴は、かなり大きな2.25″フルカラータッチスクリーンディスプレイ(360×640ドット)だ。スマートフォンで操作しない場合は、シーンプレビュー、撮影設定、撮影画像の閲覧などに利用できる。専用アプリ「RICOH THETA+」は、PCとスマートフォンの両方で使用できる。
RICOH THETA Xは、外形寸法が51.7×136.2×29mmと、かなり携帯性に優れている。重さは約170g(バッテリー、microSDカード含む)。ボディにはマグネシウム合金を採用し、耐久性と放熱性を高めている。GPSを内蔵し、A-GPS機能にも対応しているので、正確な位置情報を保存することができる。
接続性に関しては、USB-C 3.2 gen 1コネクタに加え、THETA Xは802.11 Wi-FiとBluetooth 5.0の両方を提供している。カメラは1350mAhのバッテリーで駆動しているが、これは交換が可能だ。1つのフルバッテリーで約220枚の写真または30分の5.7K30pビデオ(または最大55分の4K30pビデオ)が撮影できる。また、USB-C端子はパワーデリバリーに対応しており、長時間の撮影が可能。
価格と発売時期
新しいRICOH THETA Xは、2022年3月に正式発売される予定。現在、正確な価格についての情報はない。 Insta360 ONE X2(430ドル)の競合となる。