シグマは、Artレンズシリーズに2本の高速広角レンズ、SIGMA 20mmと24mm F1.4 DG DNを追加した。ソニーEマウント、ライカLマウントのフルサイズカメラに対応した小型・軽量なレンズだ。
最高の画質を目指して開発されたSIGMAの伝説的なArtシリーズは、もはや説明するまでもないレンズだ。昨年、ミラーレス仕様のDG DNが登場した35mm F1.4 DG HSMをはじめ、多くの人気高速ズームレンズやプライムレンズがラインナップされている。
Artシリーズには、前述の35mmと85mm F1.4 DG DNの2本のF1.4 DG DNがすでにある。今回、新たに20mm F1.4 DG DN Artと24mm F1.4 DG DN Artの2本の焦点距離を追加し、シリーズを拡大した。どちらのレンズもフルサイズセンサーをカバーし、ソニーEマウントとライカLマウントの2種類の(ミラーレス)マウントの選択肢が用意されている。
シグマ 20mm F1.4 DG DN Art
新しいSIGMA 20mm F1.4 DG DN Artは、94.5°という広い画角を持ち、風景や建築物を撮影するのに最適なレンズだ。F1.4の絞りは11枚羽根の設計で、滑らかで丸いボケを実現する。また、最短23cmまでピントが合うので、広角特有のクローズアップ撮影にも向いている。
光学設計は、15群17枚で構成。SLDレンズ2枚、非球面レンズ3枚に加え、同社史上最大の両面非球面レンズを採用した。この高精度な構造により、歪みの少ないシャープな描写を実現している。
シグマ 24mm F1.4 DG DN Art
SIGMA 24mm F1.4 DG DN Artは、画角が84.1°と若干狭くなっている。レンズは17枚で構成され、14群に分けられている。FLDレンズ2枚、SLDレンズ1枚、非球面レンズ4枚を使用している。
24mm版の最短撮影距離は25cmで、超広角の20mm版ほどは近づけられない。この明るいレンズは、天体写真などの最も厳しいアプリケーションのニーズを満たすだけでなく、日常のスチルやビデオのアプリケーションのためのカメラに適合することができる。
共通する設計上の特徴
焦点距離の違いはあるものの、20mmと24mm F1.4 DG DN Artには共通するデザイン上の特徴がいくつかある。まず、軽量で持ち運びに便利な設計であること。20mmは87.8×111.2cmで635g、24mmは75.7×85.5cmで520gとさらに軽量・コンパクトになっている。
鏡筒の構造は防塵・防滴構造で、それぞれのレンズの前玉には撥水・撥油コーティングが施されている。2つのレンズには、共通のコーティング技術(スーパーマルチレイヤーコーティング、ナノポーラスコーティング)を採用している。また、両機種ともサジタルコマフレアをはじめとする光学収差を抑え、端から端までシャープな描写が可能だとしている。
広角レンズの場合、複数のフィルターを装着できるのも便利な機能だ。両レンズとも前面にネジ式フィルターを装着でき、専用ホルダーで後面フィルターも装着できる。ただし、前面のフィルター径は、20mmがφ82mm、24mmがφ72mmと異なっている。
また、鏡筒内にはボタンやスイッチ類を配置し、操作性を高めている。フォーカスモードスイッチ、AFLボタン(カスタマイズ可)、絞りリングロックスイッチ、絞りリングクリックスイッチ、そして新たにMFL(マニュアルフォーカスロック)スイッチを搭載した。ピントリングをロックすることで、不用意なピント距離の変更を防止することができる。
動画に特化した機能
両レンズとも絞りリングを備えており、クリックを外すとスムーズなフルマニュアル操作が可能となる。さらに、オートフォーカスシステムは高速かつ静粛で、ビデオ撮影に適している。
価格と発売時期
新しい広角レンズ20mmと24mm F1.4 DG DNは、それぞれ152,900円と132,000円で2022年8月26日発売予定。レンズには、フロントキャップとリアキャップ、花びら型のロック式レンズフードが同梱されている。
詳しくは、シグマのウェブサイトをご覧いただきたい。
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