シグマがfpのファームウェアをアップデート
シグマは同社のフルサイズカメラfpのファームウェアアップデート2.0をリリースした。外部ProRes RawとBRAWがサポートされ、デュアルISOが有効になる他、CinemaDNGは高速になり、配信フレームレートが改善された。また、Cinemagraph機能と、JPEGキャプチャ、タイムコード、フリッカーコントロール、およびオートフォーカスも改善された。
今回のファームウェアアップデート2.0については、fp のプロダクトプランナー若松氏に話を伺った。
新機能
ProRes Raw がAtmos Ninja-Vで、Blackmagic RAWがBlackmagic Video AssistでHDMIを介して記録可能になる。どちらも録画側のデバイスのファームウェアを更新する必要があるが、これでfpは3つの一般的なRAW、ProRes Raw、BRAW、CinemaDNGをサポートする。
CinemaDNGでは、カメラでクリップを再生したり、シネモードで静止画を記録したり、動画ファイルから静止画を切り出す新機能が搭載された。 DCI 4K 12bitがHDMI RAW出力でサポートされる。
新しいHDR記録機能と、Cinemagraphの作成および再生もサポートされた。
fpのユニークな機能の1つは、他のシネマカメラの視野角をシミュレートできるディレクターズビューファインダー機能だった。この機能で、ビデオを録画して静止画を撮ることができる。
ビデオ機能
また、デュアルベースISO(ISO100および3200)もサポートされた。同社のビデオでダイナミックレンジが12.5stopと述べられている。
ビデオオートフォーカスの速度、精度、安定性が向上した(テストで多少の改善は確認されたが、位相差検出のパフォーマンスは期待できない)。
CinemaDNGでは、UHD 25fpsおよび29.97fps 12bit記録がサポートされるようになり、UHD 12ビットモード100 fps、8ビットおよび10ビットUHDモードでは100および119.88fpsがサポートされるようになった。
カラーモードで「オフ」が使用できるようになった。この機能は、Vivid、Naturalなど他の画像モードのように色をレイヤーで使用せず、センサーが「見る」ものをよりよくシミュレートする。
また、BWFオーディオがサポートされ、ビデオファイルをDaVinci Resolveにインポートする際のオーディオ/ビデオ同期が改善された。
カメラの3.5mmマイク入力を介してタイムコード入力が可能になった。タイムコードを受信している間はオーディオを録音できないが、マイクとの接続を再確立すると、タイムコードが保持される。
特定の照明条件下でちらつきが発生するという報告が何件かあり、テストしたときにも、この問題を確認した。ファームウェア2.0ではそれが解決されている。
進化
シグマはユーザーからのフィードバックに耳を傾けているようで、ファームウェア2.0では重要な更新がいくつもされている。
また同社は、外観データをオープンにしており、アクセサリーメーカーは3Dデータにアクセスできる。
ソフトウェア開発キット(SDK)も7月上旬に予定されており、今後のサポートに関していくつかのメーカーと話し合っていると述べている
Zhiyun Weebill Sジンバルとの互換性は、この良い例だ。 Zhiyunが独自のファームウェアをリリースするまで内容は分からないが、カメラの制御も含まれるだろう。
fpについて詳しくはこちらのレビューを参照いただきたい。
高度なRAWサポートとオープンプラットフォームにより、非常に魅力的なカメラとなった。機能のリストは以下の通り。(シグマのWebサイトから転載)
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- シネマグラフ作成・再生機能
- CinemaDNG再生機能
- Cineモードでのライブビューおよび動画撮影中の静止画撮影機能
- SIGMA fpで撮影した動画ファイル(CinemaDNG、MOV)から静止画ファイルを作成する機能
- 動画撮影時のHDR撮影機能
- ディレクターズビューファインダーモード中の動画・静止画撮影機能
- DCI 4K 12bitのHDMI RAW出力機能
- ATOMOS社製、Blackmagic Design社製の外部レコーダーでの圧縮RAW記録に対応※1
- ZHIYUN製ジンバルでのカメラコントロールに対応※1
- SHOOTメニューでのグレーアウト項目の説明文表示機能
- USBモードにカメラコントロールを追加※2
※1 接続機器のファームウェアのアップデートが必要です。※2 カメラをコントロールするためのSDK(ソフトウェア開発キット)の提供は7月上旬を予定しております。
- ISO100、3200 のデュアルベース ISO 採用
- AF性能向上
- 評価測光の精度向上
- 記録画質向上
- CinemaDNG UHD 12bitにおけるフレームレート25fpsおよび29.97fps記録が可能
- CinemaDNG FHD 12bitにおけるフレームレート100fps記録が可能
- CinemaDNG FHD 8bitおよび10bitにおけるフレームレート100fpsおよび119.88fps記録が可能
- カラーモードにOFF(切)を追加
- QS (クイックセット) に露出補正を追加
- 動画撮影時にトーンコントロール「オート(弱・強)」の設定が可能
- ビデオクラス(UVC)でのUSB接続時における設定の変更が可能
- タイムコード入力に対応
- 音声 BWF フォーマットに対応
- アスペクト比 7:6 の記録サイズを変更
- シャッター音の変更
- 記録動画の暗部がちらつく現象を改善
- ビデオクラス(UVC)設定でのUSB接続時および動画撮影時の不具合の修正
- 記録メディアへの記録安定性の向上
- その他軽微な不具合を修正
※ファームウェアVer2.00を適用したSIGMA fpで撮影したRAWデータ(DNGファイル)を現像するには、SIGMA Photo Pro 6.7.4が必要となります。ファームウェアのアップデートとともにSIGMA Photo Pro 6.7.4へアップデートしてください。
fpのファームウェア2.0はこちらからダウンロードできる
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