SIRUI 50mmアナモフィックレンズレビュー
新しいSIRUI 50mmアナモフィックレンズは、これまで多くの人にとって手の届かない領域だったアナモフィックレンズを身近なものにした。 700ドルで購入できるこのレンズを試してみた。
今年のIBCで、SIRUIにインタビューを行ない、今回レビューする50mm f / 1.8 1.33xアナモフィックレンズについて話を聞いた。今回、最終製品が手に入ったので、早速レビューを行うことにした
アナモフィックレンズで撮る
16×9での撮影は標準のアスペクト比で、多くのテレビ番組に使用されている。しかし映画を目指す映像クリエーターにとっては、映画のアスペクト比で撮影することが望ましい。これは、球面レンズとは異なるもので、ボケやレンズのフレアなどが重要な要素となる。
従来は、映画用のレンズは非常に高価だったが、今日では安価なアナモフィックレンズが手に入るようになった。しかし、これまでは下のような状況だった。
- 真のアナモフィックレンズは依然として高価で、レンタルは一つの方法だが、一部の一般的なカメラマウントでは利用できなかった。
- アナモフィックレンズアダプターは問題ないが、アライメント、シャープネス、使用する最小F値などの独自の制限がる。
- 画像の上部と下部をトリミングする方法は、目的のアスペクト比を実現するが、画像をトリミングし黒いバーを追加することにより、単に画像情報を失っているに過ぎない。またアナモフィックレンズのような特性は期待できない。
SIRUI 50mm f/1.8 1.33xアナモフィックレンズ
SIRUIは、明るいアナモフィックレンズを開発し、さらに富士フイルムX、ソニーE、およびマイクロフォーサーズ(MFT)の3種類のマウントを用意した。新しいレンズに関する更なる情報は以下の通り。
- レンズ構成:8群11枚
- 絞り羽根数:10枚
- 対応カメラ:APS-C形式
- 最短合焦距離0.85m
- 電子接点なし(手動フォーカスのみ)
- フォーカスリングの回転角度:143.6度
- フロントフィルター径:67mm
- 重量:約580g
- アスペクト比2.40:1の画像を提供する16×9イメージセンサーで最適に動作する1.33xアナモルフィックレンズ。
実際の撮影
上記のビデオでは、富士フイルムのX-T3(4K、25p、F-Log、400 Mbps、All Intra、ISO 640から6400まで)を使用している。X-T3は2018年に発売されたカメラだが、現在でも通用する。非常に機能的で柔軟なカメラだ。
長所
レンズは堅牢な筐体を持ち、フォーカスブリージングは最小限に抑えられている。画像に関しては非常にシャープだ。場合によってはシャープすぎることもあるが、これはレンズの前に適切なフィルターを使用することで対応できる。上記の解像度チャートの静止画を詳しく見ると、f2.8およびf4.0に比較し、f1.8で開放時にある程度シャープさが落ちる。もう1つ注意すべきことは、フレアで、これらはアナモルフィックレンズに非常に関連している。このレンズのフレアは非常によくコントロールされている。最後に、これはf1.8と明るく、暗い場所での撮影にも有利だ。
短所
これは実際には弱点ではないが、個人的には、より広い視野を持つレンズが望みだった。 SIRUIが将来開発することを期待したい。考慮すべきことは、最短合焦距離(0.85m)で、これは、一部の撮影では制限となる場合がある。
まとめ
ゲームチェンジャーという程ではないが、しかし今まで手の届かない価格だったものが手が届くようになったことは事実だ。SIRUIが今後、さまざまな焦点距離や各種のマウントに対応したアナモフィックレンズファミリーを発売することを期待したい。
SIRUIは現在、Indiegogoキャンペーンを実施しており、早期購入の場合は599ドルで入手できる。なお毎回言っているが、クラウドファンディングで支援する場合のリスクに注意していただきたい。 Indiegogoの利用規約を読むことをお勧めする。大幅な遅延が発生したり、開発が中止される場合がある。
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