SIRUI Marsは、人気のSIRUIアナモフィックレンズのデザインをベースに、24、35、50、75mmのアナモフィック1.33xがセットになったレンズキット。これらのマイクロフォーサーズ用レンズは、映画用にリユースされている。SIRUI Marsキットは現在、3.999ドルで予約受付中。アナモフィックレンズセットとしては手の届きやすい価格となっている。
2019年末、SIRUIは「SIRUI 50mm F1.8 Anamorphic 1.33x」を699ドルという異例の価格で発売し、アナモフィック撮影の世界に衝撃を与えた。それまでは、アナモフィックレンズは非常に高価まものだった。
このレンズは、この価格にしては非常にシャープで、全体的に非常によくできている。明るいレンズで被写界深度が浅く、低照度下での撮影にも適しているし、1.33倍という絞り値は、極端になりすぎずにアナモフィックルックを作り出す。
欠点は、青い光の筋が飽和しすぎていることがあり、フレアがいつもコントロールされているとは限らないことだ。さらに、このレンズは最短撮影距離がかなり長いので、クローズアップで撮影しようとするときには苦労する。この点を除けば、価格に見合った素晴らしい製品だ。
その後、SIRUIは24 mm F2.8、35 mm F1.8、75mm F1.8の3種類のアナモフィックレンズを発売し、さまざまなマウントオプションを用意した。
しかし、この4本のレンズはキット化されておらず、別々に購入する必要があった。そこで、これらのレンズをより映画的なフォルムにリメイクし、セットで販売することにしたのが「SIRUI Mars」だ。
シネマティック・リハウジング
SIRUI Marsキットには、24mm、35mm、50mm、75mmのアナモフィック1.33xが、より映画的な方法でリハウジングされている。このキットは現在、マイクロフォーサーズマウントにしか対応していない。将来的にはさらに長い焦点距離や、他のマウントにも対応することが望まれる。
24mm T2.9を除き、すべてのレンズにT2の絞りを採用。絞り値はF値ではなくT値で表されている。
この4本のレンズには、フォローフォーカスシステムとの組み合わせのため、絞りのモジュレーションギアが内蔵されている。2つのギアの距離はすべてのレンズで同じであり、物理的な直径も同じなため、レンズ交換時に再調整が不要だ。
しかし、4本のレンズでは若干の重量差があり、ステディカムやジンバルでバランスを取る際には少し調整が必要となる。
また、SIRUI Marsのキットレンズは、フォーカススローが長く設計されているため、フォーカシングがより正確に行える。キットの中で最も長いフォーカスリングの回転範囲は、303°に達している。
筐体は金属製で、67mmのフィルター径を備えている。各レンズの底部には1/4″-20ネジ穴があり、柔軟なマウントが可能となっている。
主な特徴
- 24mm、35mm、50mm、75mm
- T2(24mmはT2.9)
- アナモフィック1.33倍
- マイクロフォーサーズマウント
- マニュアルフォーカス
- フォーカス/絞り調整ギア
- 長いフォーカススロー
- 底面に1/4″-20ネジ穴
- 金属製の筐体
- 67mmフィルター径
価格と発売時期
マイクロフォーサーズカメラ用アナモフィックレンズセット「SIRUI Mars」は、3.999ドルで、8月末には出荷を開始する予定。リハウジングキットオプションは、4本のレンズを個別に購入するよりも価格が高くなるが、映画のようなフォームファクターのメリットを得ることができる。さらに、4本のレンズにはハードキャリングケースが付属している。