ソニーがα7IIIを発表 - インタビューも収録
ソニーから2018年初のカメラの新製品発表はα7 IIIだった。フルフレームの「スタンダードモデル」の位置付けだが、このカメラの持つビデオ機能、価格、性能などは次のカメラを占う上で重要な手がかりになる。
ロンドンでの新製品発表会に参加したので、ビデオ機能に絞ってレポートしよう。 (ソニーのYann Salomon-Legagneur氏へのインタビューも参照していただきたい)
概要
まず、このカメラはソニーのフルフレーム撮影に対応するエントリーレベルに位置付けられる。 新型の裏面照射型Exmor R CMOS 2420万画素イメージセンサーを搭載し、充実した機能を持っている。(上記のビデオもこのカメラで撮影)
驚くべきことに、スタンダードの位置付けのα7 IIIは、このカメラより高価なα7RIIIよりも同等以上のビデオ機能を持っているのだ。詳細は以下のリストを参照いただきたい。
主な特長
- 新しい2420万画素センサー
- 5軸光学式ボディ内手ぶれ補正システム
- 最大30p(100Mbps)のフルフレーム4K(UHD)ビデオ録画
- フルフレーム/ APS-C切り替え可能だが、フルフレームモードがビデオ画質に関しては優位性がある
- オーバーサンプリングによる6Kフルピクセル読み出し(4K記録)
- S-Log2 / S-Log3 / HDR(HLG)ビデオ収録(S-LogモードのBase ISOはISO800)
- 最大120フレーム/秒(100Mbps/1080p)
- 高フレームレートでも良好に動作する高度なオートフォーカスシステム
- ソニーの最新のレンズを使ったオートフォーカシング
- ソニーの最新の全天候対応カメラボディ(α9 /α7R III同等)
- α7RIII同等のバッテリー持続時間
- 「AF On」ボタンおよびジョイスティック
- タッチスクリーン操作
- リレー記録と同時記録対応のデュアルSDスロット
- USB 3.1(Gen 1)接続
- 優れた低照度特性
- 5年保証(欧洲)
ファーストインプレッション
上のインタビュービデオに挿入されているサンプル映像は、すべて手持ちで撮影されている。映像でも分かる通り、5軸ボディ内手ぶれ補正システムは強力だ。また、オートフォーカスは意図的にオンにして撮影している。特に何か調整したわけではないにも関わらず、その優秀さには驚いている。更に低照度特性もかなり良いこともレポートしておきたい。上記のビデオにはモデルのショットがあるが、これはISO 10,000で撮影している。この映像が24.2メガピクセルのセンサーで撮れるということは、将来の “S”モデルの低照度特性は恐るべきものだろう。
まとめ
ソニーはエントリーレベルのカメラの実力を再定義したといえる。その価格(ボディのみの場合は2300ユーロ)を考慮すると、小規模な撮影なら全く問題なく使用できるだろう。ビデオ撮影機能で言えば、α7R IIIと比べると、間違いなくこのモデルが勝っている。実際、この新しいフルフレームカメラの最大の競争相手は、まだリリースされていない同社のα7S IIIしかない。
α7 IIIのレビューは近いうちにリリースする予定だ。
ソニーのWebページはこちら。