昨日ソニーは欧州でα7RIIIを発表した。42.4メガピクセルのセンサーを搭載し、裏面照射型Exmor RとBIONZ Xプロセッサにより、最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写速度を可能としている。また、24-105mm/f4ズームも同時に発表され、更に今後400m/f2.8 G Masterレンズの発売も予定されている。
Sony a7R III
ソニーは、新世代のα7シリーズとして最初のモデルを発表した。前回同様α7RIIIがSモデルに先駆けて発表された。
α7RIIIは42.4メガピクセルのセンサーを搭載し、プロのスチルカメラマンもターゲットになる仕様だ。裏面照射型Exmor RとBIONZ Xプロセッサにより、最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写速度を可能としており、また大容量バッファで最大76枚のRAW連写が可能となっている。 ISOは100-32000で設定でき、同社によればノイズは完全に除去できたとしている。
また、425のコントラスト検出ポイントに加え、画像の68%にあたる399の位相検出AFポイントを持つ高度なオートフォーカス機能を備えている。同社はまた、被写体が動いたり、逆光下でのEye AFの性能が向上したと述べている。
ビデオ機能について
前モデルと同じく、新しいα7R IIIはフルフレームモードとsuper 35mmモードで内部4K記録することができる。以前の比較記事やレビュー(英語)にもあるように、α7R IIはクロップモードで4K映像を撮影したが、α7R IIIでも同じかどうかはまだ分からない。このカメラが4K映像の編集を容易にするため、プロキシ録画をサポートしているかも気になるところだ。プロセッサのパフォーマンスに依存するXAVCコーデックを扱う場合は有用性が高い。さらに、ビデオ機能の最大の改善点の1つは、Super 35mmモードでセンサーの15メガピクセル部分を使用しオーバーサンプリングすることにより、5Kの解像度で撮影することができるようになった。
また、α7RIIIは、現在SモデルにしかないSlog3を搭載したことで、最大14ストップのダイナミックレンジを実現している。このピクチャープロファイルにより、優れた低照度特性と合わせて、α7SIIは映像制作者のスタンダードとなったと言える。逆に言えばRとSの性格付けが曖昧になってしまった印象を受けるが、α7S IIIは、映像制作にとってまた別なアドバンテージを纏って登場するのだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=xVjo2G-c01s
ビデオ面に関してもう一つの重要な点は、HLG(Hybrid Log Gamma)ピクチャープロファイルをサポートしていること。これにより、ソニーのインスタントHDRワークフローで、グレーディングを必要としないHDR対応が可能となり、HDR対応ディスプレイでHDR再生できるようになる。FS5などの他のソニーのカメラでも搭載アされている機能だが、詳しくはこちらの記事を参照願いたい。
ハードウエア
カメラボディ自体は物理的にあまり変わった印象はないが、いくつかの機能拡張がされている。最も重要なのは、セカンドSDカードスロットが追加されていて、同時記録あるいはリレー記録ができること。メディアを種類別(たとえばRAWとJPEG、静止画とビデオなど)に分け、カード間でデータをコピーするといったこともできる。デュアルカードスロットはプロのツールとしては今や必須の機能であり、パナソニックGH5もすでに採用している。
α7R IIIは、同社のα9で導入されたNP-FZ100バッテリーを使用しており、α7のバッテリー持続時間を改善する。もう1つの改良点は、5軸の本体内手振れ補正の強化で、最大5.5ストップの補正ができる。
また、USB Type-CコネクタでUSB 3.1 Gen 1接続も可能で高速データ転送ができ、データ量の大きいファイルの転送に対応している。
更に、もう一つ注目すべき改善点は、My Menuを追加したこと。これにより、お気に入りの設定を保存でき、いちいちすべてのメニューを見る必要が無くなる。
α7R IIIは写真とビデオの機能を併せ持ったカメラで、前モデルから大きな進歩を遂げており、おそらくフラグシップであるα9のライバルにもなるだろう。価格は、$ 3,000を少し上回るとされており、発売は11月末の予定。(日本ではオープン価格、11月25日発売予定) 詳細は、ソニーのWebページを参照いただきたい。
新しいレンズ
α7R IIIの発表と同時に、ソニーは新たに2本の新レンズを発表した。
FE 24-105mm F4 G OSS
一つは FE 24-105mm F4 G OSSで、小型でコンパクトなデザインに仕上がっている。標準的なズーム域ながら今まで存在していなかったため、アダプターを介して別のレンズを使用していたユーザーも多いのではないだろうか。この常用の焦点距離範囲は広角から望遠までカバーし、光学式手ブレ補正機能はビデオ撮影には最適だ。このズームレンズは$1,300で来月出荷予定となっている。(日本では希望小売価格165,000円+税で、11月25日発売予定) Webページはこちら。
FE 400mm F2.8 GM OSS
また、ソニーは現在、新しいGマスターレンズを開発中であるも発表した。 これはFE 400mm F2.8 GM OSS Super-Telephotoで、ソニーのプロフェッショナルレンズの最高峰に加わり、スポーツや野生動物の撮影に最適なレンズだ。 2018年夏に出荷される予定。