ソニーα7RIII - ショートドキュメンタリーでテスト使用
いよいよ2017年も終盤だが、今年中にソニーα7R IIIのレビューをしておこう。α7R IIIは既に出荷されている。このレビューは11月に日本を訪問した際にテストしたものだ。
残念ながら、私がソニーから借用したカメラは日本仕様のものだった。つまり、メニューがすべて日本語で、英語に変更することができなかった。仕方なくそれを受け取って、解像度(4K UHD)、画像プロファイル(S-Log 2)、フレームレート(24p)などの基本設定が正しく調整されていることを確認した。メニューの理解が限られているため、この記事は完全なレビューにはなっていないが、読者諸氏がこのカメラを使った印象や意見も投稿していただければ幸いだ。
α7R IIIと合わせて、同社の24-105mm f / 4レンズの借用もお願いした。α7R IIIが非常に高感度なため、f / 4レンズであるにもかかわらず、この組み合わせが非常に使いやすく良い印象だった。
全体的な改良点と印象
- α9のように大き目のボディサイズは取り扱いがより容易であり、大容量のバッテリーは非常にうれしい。
- デュアルSDカードスロットはビデオモードでも有効で、カードAで撮影中に同時にカードBでバックアップ記録することができる。即ちカードAでプロキシ付き4K映像を記録し、同じものをカードBでも記録できる。また、リレー記録機能も搭載されている。これにより、一方のカードがいっぱいになると、もう一方のカードに自動的にスイッチされる。ただし、連続記録時間は29:59の制限がある。
- カメラ本体には、2つのUSBコネクタが搭載されている。1つは高速データ転送(USB 3.1)用で、もう1つはコンピューターや外部バッテリーパックからの充電に使用できる。
- フルフレームモードとsuper35mmモードで、エッジの利いた見栄えの良い映像が再生できる。撮影ニーズに応じて切り替えることができる。
- S-LOG3がサポートされているが、これは8ビットカメラであるためこの設定を使用することはお勧めしない。
- HLG(ハイブリッドログガンマ)画像プロファイルが追加されたことにより、HDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツを容易に作成できる。
- LCDはタッチスクリーンになり、パネル上でタッチすると、その部分にフォーカスすることができる。
- 改良されたオートフォーカス機能。ほとんどの場合において、うまく動作した。
短い時間のテスト撮影だったが、非常に応答性の高い柔軟な作業ツールであると実感した。撮るものにかかわらず、そして昼夜にかかわらず、常に見栄えの良い映像を撮影することができた。
改良が望まれる点
改善が望まれる点は、手振れ補正機能だ。手持ち時の三脚モードはうまく機能したが、動く(歩く)場合の被写体追従性はまだ改善の余地がある。α7R IIIは従来モデルからフレームレートを追加していないので、4K 50/60fpsを切り替えることができない。従って、その両地域を行き来して撮影するカメラマンにはお勧めできない。また、残念ながらローリングシャッター特性はまったく改善されていないようだ。更に、使用したフルフレーム撮影モードでモアレが気になった。
まとめ
ソニーはα7R IIIの4Kビデオの画質を前モデルから向上させるためにかなりの努力をしたように見え、歴代最高のハイブリッドカメラといえる。プロカメラマンがα7R IIIで撮影した写真が公開されているが、さまざまな撮影条件で非常にうまく動作するのは確かだ。 なお、オーバーヒートに関しては、私が撮影している間は問題なかった。
さて、α7R IIIはかなり完成度の高いカメラだが、これを購入することを妨げる要因はあるだろうか? 答えはまだ存在しないカメラ、α7S IIIにあるかもしれない。フルフレームミラーレスカメラで映像撮影を行うのが主な目的であれば、α7Sファミリーが「ビデオ指向」と「低照度特性」を特徴とするカメラであったことは頭に置いておくべきだろう。α7R IIIは優れたパフォーマンスを持っているが、将来出てくるであろうα7S IIIは映像制作者の心を捉える何か特別なものを持っている可能性が高い。この「特別な機能」がどれほどの価値があるか今は分からないが、2つの非常に似通ったカメララインアップが存在した事実は、多くの映像制作者の購入決定を先に延ばすには十分だろう。
上のビデオのカメラ設定:フルフレーム、4K(UHD)、24p、画像プロファイル:S-Log 2、Adobe Premiere最新版で編集。グレーディングに使用されるcinema5D LUTを所有しています。
上のビデオは、三浦隆氏の作品をフィーチャーしたもので、氏のページはこちらを参照。
上記動画制作に協力いただいたIrwin Wong氏にも大変感謝したい。氏の写真の詳細については、こちらを参照いただきたい。 (そして私のビデオのモデルになっていただいたWong夫人にも感謝する)。
Music supplied by Art-List Themes: To Edinburgh by The Highlands & Blossom by Blossom Learning.
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