ソニーがα9のファームウェア5.00をリリースした。リアルタイムオートフォーカストラッキングでビデオ撮影時のオートフォーカスが改善されている。
α9はほぼ2年前に発表された、ソニーのハイエンドミラーレスカメラ。フォト撮影に重点を置いているが、4Kでのビデオ撮影も可能だ。最新のファームウエアでは、ビデオ撮影DVDえカメラを使用しているユーザーにも恩恵がある機能が追加されている。
リアルタイムオートフォーカストラッキングを改善
今回のファームウエアアップデートのポイントのひとつは、新しいリアルタイムの被写体認識アルゴリズムでオートフォーカス機能が向上したこと。フォーカストラッキングはほぼリアルタイムになり、動いている被写体を撮影するときのスピードと正確さが向上している。「押す間トラッキング」機能をカスタムキーに設定できるようになり、被写体を追跡できる時間をコントロールできるようになった。さらに、タッチトラッキング機能は、モニター上で被写体にタッチすると、その被写体がトラッキングされる。ソニーα7IIIとα6500にも同様の機能が搭載されている。
これにより、非常に動きの速い被写体を追跡する能力が大幅に向上した。
コントラストAFフレームの枠が25から425に増えたため、多くの撮影環境で精度が向上した。AF-C且つ連写時の像面位相差AFの精度が向上したため、照度の低い環境下でもAF性能が改善されている。
ビデオ機能の改善とプロキシ記録機能の追加
α9にはピクチャープロファイル機能は搭載されていないが、6Kセンサーからダウンサンプリングされた4K、HD、およびスローモーションビデオを録画することはできる。またピーキングの精度が向上し、ピント拡大の初期倍率の設定もできるようになった。初期倍率は1倍または4倍から設定できる。
プロキシビデオ録画機能も追加された。4K記録する場合、低解像度のファイルを同時に記録することができる。プロキシファイルは9MbpsのXAVC S HD(1280×720)で記録される。
プロキシビデオファイルはカメラで再生できないが、ポストプロダクションで作業を効率化できる。
以下はビデオ関連で追加、改善された機能。
撮影
- 9 MbpsのXAVC S HD(1280×720)でプロキシを同時記録
- 60p/25Mbpsと30p /16Mbpsの低ビットレートXAVC S HDレコーディング
- 改善されたオートフォーカストラッキング機能
- タッチスクリーンでのタッチフォーカス機能
- コントラストAFフレーム枠を25から425に増加
- オートホワイトバランスロック機能
- フォーカスピーキングの改善
カスタマイズ機能
- 自動カードスロット切り替え
- 最大112個のカスタムキー
削除された機能
- MP4ビデオ録画
- 60p / 28Mbps(PS)、24p / 17Mbps(FH)、24p / 24Mbps(FX)のAVCHD記録。
α9はビデオ撮影に向いているか?
α9はビデオ用に最適化されているわけではないが、ビデオ機能も備えたソニーの主力ミラーレスカメラだ。強化されたオートフォーカス機能により、撮影中にさらに正確なフォーカストラッキングが可能になった。今回のファームウエアアップデートで多少なりともビデオ機能が改善されたが、ピクチャープロファイル機能は搭載されていない。また価格を考えると、ビデオを主に撮るユーザーには最適なカメラとは言い難い。しかし写真を中心に撮影するユーザーがビデオも撮るといったケースでは有用なカメラだ。
ファームウェア5.00のWebページはこちら。3月25日より提供が開始される。
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