ソニーの「Airpeak」プロジェクトについては以前に取り上げたが、今回具体的な情報が発信された。ソニーは、プロ用ドローンAirpeakの最初のモデルであるAirpeakS1を発表した。同社のアルファミラーレスカメラを搭載できる最小のドローンだ。
S1は非常にコンパクトなサイズとソニーの最先端のイメージング、センシング、AI、ロボット工学のテクノロジーを組み合わせることで、新しい撮影手法を提供する。
Airpeak S1の飛行能力
Airpeak S1のために、ソニーは独自のモーター、プロペラ、飛行制御システムを開発した。また社内のセンシング技術により、非常に安定した耐風性で非常に高速で飛行することができる。
Airpeak S1 はダイナミックな飛行能力を提供し、最高速度は90km / h。最大角速度は180°/ s、最大傾斜角は55°。ソニーが開発したキーデバイスを組み合わせた推進技術により、強風時の耐風性を実現している。
Airpeak S1には5台のステレオカメラが内蔵されている。機体の前後部の左右、および下に配置され、障害物を回避し安定した飛行を行うことができる。これらのセンサーは、衛星ナビゲーションが妨げられている場合でも、安定した飛行を可能にする。
更にドローンの上部に赤外線測距センサーが追加されており、上の物体との衝突も回避する。
互換性のあるソニーのカメラ
AirpeakS1はα7Sシリーズ、FX3、α7Rシリーズ、α9シリーズなど多くのカメラを搭載することができる。 8Kで撮影する場合はα1も搭載可能だ。
さらに、サードパーティ製のカメラ用ジンバルがオプションのアクセサリーとして利用できる。
操縦性
ソニーは、ドローン本体、送信機、カメラ、ジンバルを統合したiOSおよびiPadOS互換アプリケーション「Airpeak Flight」を開発した。これにより、オペレーターはステータス情報をモニターし、画面上のさまざまな操作や設定を変更できる。さらに、デュアル操作モードも利用でき、1人のユーザーがドローンを操作し、別のユーザーがジンバルとカメラを同時に操作できる。 FPV(First Person View)カメラは、オペレーターが機体の方向と進行方向を確認するのに役立つ。
ワークフローと自動「モーションコントロール」フライト
ソニーはドローンのハードウェアの管理と飛行計画の作成のため、「AirpeakBase」と呼ばれるWebアプリケーションを開発した。ユーザーは、地図を使用して事前に飛行経路を作成し、プログラムすることができる。これには、写真とビデオの撮影のタイミングとジンバルの向きが含まれる。これは本質的に、ドローンが同じ経路を繰り返し飛行するように「モーションコントロール」することを意味している。また、飛行記録のログに基づいて過去の飛行経路を再現することもできる。
ユーザーは、モバイルアプリAirpeakFlightを介して航空機情報をクラウドにアップロードできる。 Airpeak Baseでは、ユーザーがドローンの状態を確認したり、必要に応じて通知を提供したりできる。さらに、ユーザーは、飛行前にすべての管理対象ドローンのステータスを 1 か所で管理できる。ログブック画面では過去のフライトログが閲覧でき、機内エラーなどの詳細も確認できる。
保険とクラウド
またソニーは「AirpeakPlus」も発表した。これは 「航空基地」Web アプリケーションを強化するクラウドサービスで、より高度な機能を備えている。 「エアピークプロテクトプラン」は、基本的には偶発的な損害を補償する保険だ。詳細はこちらで公開されている。
価格と発売時期
Airpeak S1の希望小売価格は約9,000ドルで、2組のプロペラ、リモコン、2つのバッテリー、およびバッテリー充電器が同梱されている。 Airpeak S1専用に作られたサードパーティのジンバルは別売り。 Airpeak S1は、2021年の秋に予約注文が開始される。
まとめ
Airpeak S1は、ソニーのαカメラを搭載し、リモートコントロールできるため、競合他社の製品とは一線を画している。ドローン自体の使いやすさの観点や、またそドローン市場のリーダーであるDJIの製品とどのように比較されるかはまだ不明だ。