ソニーがアイルランドのダブリンで特別イベントを開催し、α7R IVを発表した。実に61.0メガピクセルセンサーを搭載する初のカメラだ。なお日本での発表はまだ無い。
α7R IVの概要
以下が主な仕様
- 世界初の35mmフルフレーム61.0 メガピクセルイメージセンサー(Exmor R CMOSセンサー)
- BIONZ Xイメージプロセッサ(最新世代)
- 4K HDR / S&Q
- 15stop拡張ダイナミックレンジ
- 5軸光学手ブレ補正(シャッタースピード5.5段、CIPA規格)
- フルAF / AE追尾で10fps連写撮影
- 画像領域の74%をカバーする567の焦点面位相差AFフレームと425のコントラストAFフレーム
- 静止画/移動/人間/動物に対応したリアルタイムアイAF(ソニーのすべてのカメラで初めて)
- リアルタイムトラッキング
- 566万ドットUXGA OLEDファインダー(Tru-Finder™)
- 接続性と操作性の向上
- 4Kムービーレコーディング、S-Log 2/3、HLG
- アップグレードされた耐塵性と耐湿性/耐久性
- デジタルオーディオインターフェース付きマルチインターフェースシュー(MIシュー)
- ISO範囲:100 – 32000 ISO(拡張可能:50 – 102400 ISO)
- Eマウント
- スーパー35mmモード:ピクセルビニングなしのフルピクセル読み出し
- 高速Wi-Fi(2.4 GHzおよび5 GHz)を介した高速ワイヤレスデータ転送
- 超高速データ伝送用のSuperSpeed USB(USB 3.2 Gen 1)USB Type-C™コネクター
- 更新されたハンドグリップ
また、このカメラにはデュアルUHS-II SDカードスロットと洗練されたフォーカス制御が搭載されている。ただし、このカメラでの内部記録は8ビット(4:2:0)に限られている。残念ながら、HDMI出力についても同様だ。
このカメラのISO性能と肌のトーンのグラデーションの向上が期待されるが、手に入り次第レビューを行いたい。
動画撮影機能
動画撮影機能に関して特筆できるのは、連続記録時間に制限が無くなったこと。また、6Kオーバーサンプリングで4K(3840 x 2160px)撮影を行い、ISO 500ネイティブS-Log 2とS-Log 3で14stopのダイナミックレンジを持つ。更にリアルタイムトラッキングもサポートしている。タッチスクリーンでのリアルタイムEye-AF、そしてワンプッシュフォーカス機能も搭載している。ビデオ撮影でも高速で滑らかな、そして信頼できるファストハイブリッドAFシステムを採用している。
美しいスローモーションのためのハイフレームレート(HFR)記録も搭載。フルHDで最大120fpsの高速記録が可能だ。ただしこれは100Mbpsに制限されている。これにより最大5倍のスローモーションまたは60倍のクイックモーションが可能。
またHDMI Type-Aコネクターを備えているが、特に言及すべき重要な機能は、カメラモニターはHDMI 4K出力(24p)での接続中もオンにキープできること。 また、動画専用メニューも採用された。オーディオに関しては、新たにデジタルオーディオインターフェースが搭載されている。
α7R IVの価格は、およそ4000ユーロ(推定小売価格)とされている。出荷は2019年8月の予定。
このカメラは特にプロの映像クリエーター向けではなく、フォトグラファー向けのカメラだ。
アクセサリー
α7R IVと並行して、3つの新しいアクセサリーも発表された。縦型ハンドグリップ、デジタルショットガンマイクロホン(ECM-B1M)、XLRアダプターキット(XLR-K3M)だ。
縦位置ハンドグリップ
α7R IVに対応した縦位置バッテリーグリップVG-C4EMも用意されている。これはバッテリー容量を2倍にでき、特に静止画撮影で縦位置モードでカメラを保持するためのグリップだ。グリップには2個のNP-FZ100バッテリーが収納でき、オプションのマルチバッテリーアダプター(NPA-MQZ1K)には最大4個のZバッテリーが収納できる。
またUSBコネクターからの給電も可能で、非常に長時間の撮影にも対応できる。
推定小売価格:450ユーロ
発売予定:2019年8月
デジタルショットガンマイクロフォン
ECM-B1Mは新しいデザインのデジタルショットガンマイクロフォンで、カメラ上部のMIシューに接続できる。エンクロージャの中ではデジタル信号処理の8つのマイクロフォンカプセルが搭載されている。これにより、全方向、カーディオイド/一方向、そしてハイパーカーディオイドの3方向の指向性を提供する。マイクの長さはわずか99.3mmだが、超指向性が特長だ。このマイクロフォンはMIシューを介してカメラに接続されているため、音声はデジタルで転送され、ノイズや劣化などがない高レベルの音質を実現できる。また、NC(ノイズキャンセリング)、LC (ローカット)、「OFF」を選択するスイッチもある。更に耐振動性も確保されている。
推定小売価格:380ユーロ
発売予定:2019年8月
XLRアダプターキット
XLRアダプター、XLR-K3Mも発表された。これは、デジタルオーディオインターフェースをサポートするMIシューを介してカメラ本体に接続される。これにより、ECM-B1M同様、ノイズや劣化なしに伝送される。 MIシューから電源が供給されているため、電源ケーブルは必要ない。また、2系統のXLR / TRSコンボコネクターと、ラインおよびマイク入力用の1系統の3.5 mmステレオミニジャックも備えている。
推定小売価格:650ユーロ
発売予定:2019年10月
モデル比較
以下はαシリーズのモデル比較。
プロモーションビデオ
下はソニーが提供しているプロモーションビデオ。
Video: Sony | α | α7R IV | Unveil
Video: Sony | α | α7R IV | Product Feature
Video: Sony | α | α7R IV | 4K movie “Silhouette of Life – Yakushima”
印象
世界中の映像クリエーターや映画制作者がα7S IIIを待っている。以前のモデルα7S IIはすでにかなり古くなってしまった。α7S IIIの前にα7R IIIが発表されてしまった。α7R IVは、少なくとも10ビットで4K(4:2:2)を記録することはできないので、プロが使えるビデオ撮影用のカメラとしては該当しない。パナソニックやブラックマジックデザインがかなり先行してしまったようだ。
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