ソニーとAP通信(AP)は、新しいカメラ内認証方法の大規模なテスト段階を完了した。この新機能は、将来のファームウェアアップデートでソニーa9 III、a1、a7S IIIに実装される予定だ。ソニーは昨年、Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)に運営委員として参加し、カメラベースの認証に取り組み始めた。まだ最終決定ではないが、同社はAPとの広範なテストを進めている。
AIが生成した画像の登場は、もはや目新しいものではない。Dall-E、Midjourney、Stable Diffusion、あるいはFireFlyは、ほとんど主流のアプリケーションとなり、無限の画像を吐き出している。時間の経過と更新により、これらの画像の中には本物の写真とほとんど見分けがつかないものもあり、フェイクニュースに悩まされるメディアにとって計り知れない難題となっている。
攻撃される真正性
映像、ニュース、メディア、その他の機関、企業、メーカーが、この課題に立ち向かおうとしている。Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)は、この最前線におけるイニシアチブのひとつである。C2PAは、デジタル画像とメディアの文脈と履歴に焦点を当てたアドビ主導のContent Authenticity Initiativeと、デジタルニュースのエコシステムにおける偽情報に取り組むマイクロソフトとBBC主導のProject Originの取り組みを統合したものだ。C2PAは、上記の企業やその他多くの企業で構成されている。
コンテンツ真正性イニシアティブ
アドビが主導するContent Authenticity Initiativeは、C2PAよりも先に設立された。C2PAは、より広範な真正性と著作権の範囲をカバーする共同の取り組みだ。Content Authenticity Initiativeは、デジタル画像の部分を担当しており、どのような後処理段階においても、どのようなユーザーでも撮影時のオリジナル画像をトレースできるプラットフォームを構築している。
また、最終的なグラフィック制作に参加したすべてのクリエイターの信憑性と適切なクレジットを維持するために、プロセスで使用された追加の画像やその他のデジタル資産をトレースすることもできる。この種の技術を実装し、シャッターを押すたびにデジタル署名を可能にした最初のカメラは、ライカM11-Pだ。ライカが最初ではあるが、ソニーの動きは業界全体に大きな波紋を広げるかもしれない。結局のところ、9195ドルのニッチなカメラと、プロ市場全体におけるソニーのカメラの実力と規模を比較することはできない。
著作権保護?
そうでもない。A2PAは著作権を保護するようには設計されていない。どのようなプラットフォームも、悪用や濫用を完全に防ぐことはできない。どのような画像も印刷されスキャンされる可能性があるし、ギャラリーや美術館で撮影される可能性さえある(シェリー・レヴァインのこの過激な作品のように)。A2PAは、真正性と著作権を尊重したい人のために、画像のパイプラインをその起源まで遡れるように設計されている。
ファームウェアの実装
ソニーは、ファームウェアのアップデートにより、既存のカメラにC2PAプロトコルを実装する。この機能を獲得する最初のトリオには、新しいa9 III、フラッグシップ機a1、およびビデオ指向のa7S IIIが含まれる。ファームウェアベースであるため、このリストに追加されるカメラを期待できるかもしれないが、ソニーからそのような見通しについての情報はない。
ファームウェアのアップデートは近い将来に予定されているが、現時点では具体的な日付は決まっていない。