キヤノンとニコンは引き続きデジタルカメラ市場をリードしているが、ソニーも3位に留まっている気配はない。同社は90億ドル(約9800億円)を投資し、2021年までにカメラブランドのトップを目指している。
数日前、ソニーの新CEO、吉田 憲一郎氏は、事業ポートフォリオの3年間のロードマップを発表した。とりわけ、デジタルビデオ/フォトカメラの2分野に関しては、1)デジタルカメラ市場でトップを目指す、2)その目的を達成するために90億ドルの大型投資を行うことが目を引いた。
将来への投資
ここでは今月初めに行われたSony IR Day 2018で発表されたプレゼンテーション全体をカバーするつもりはないが、このプレゼンテーションで使われたスライドはデジタルイメージングにとって非常に興味深いものだ。
同社は、L2D(Light to display)技術に関してマーケットリーダーになろうとしている。ソニーは撮影に必要なすべてをカバーしてる。同社は高性能レンズであるGマスターラインナップを拡充し、改良されたセンサー技術と基礎となる画像処理パイプラインに大きな投資をする。同社の今後3年間のロードマップは、撮影からディスプレイまでをカバーするものだ。
そしてその中核分はミラーレスカメラだ。キヤノン、パナソニック、ニコンなど競合他社が、先を走るソニーのミラーレスカメラα7とα9ラインナップに攻勢をかけるためフルフレームへの取り組みを強化しており、これに対抗するため更なる投資を行う。現在、キヤノンとニコンは依然としてフルフレームマーケットでの2大勢力であることも忘れてはならない。
ソニーはまた、プロフェッショナルサポートプログラムに投資し、これを拡大する予定だ。オリンピックや世界の主要イベントで、プロのユーザーと連携するのは効果的だ。キヤノンはCPS(Canon Professional Services)で、プロのフォトグラファーをサポートしており、これがキヤノンがプロマーケットで支持されている大きな理由の一つとなっている。
まとめ
このニュースは新製品や新技術ではなく、将来のソニーの撮影機器に対する方向性を示している。確かに、現在のところキヤノンとニコンはマーケットシェアの点においてはリーダーだが、安泰ではないだろう。今後の動向に興味が持たれる。
我々映画制作に携わる者にとっては、主要ブランド間の競争は歓迎されるものだ。キヤノンとニコンは、2018年にフルフレームのミラーレスカメラを準備していると噂されている。3年後が楽しみだ。
Links: IR Day 2018 Presentation (PDF:日本語) | Sources: PetaPixel.com and sonyalpharumors