ソニーがFS7 / FS7 II用ENGビルドアップキットを発表
今年のNABで、ソニーはFS7 / FS7 IIシリーズカメラ用のビルドアップキットを発表した。オプションのB4マウントアダプターと組み合わせると、FS7/IIをENGスタイルのカムコーダーに変身させることができる。
FS7とFS7 IIは非常に人気のあるカメラだが、通常のVマウントバッテリーをマウントするためのオプションXDCA-FS7拡張ユニットと一緒に使用した場合でもバランスがとれており、人間工学的に使いやすいものだった。しかし、シネマカメラと、ドキュメンタリーやニュース用の古典的なENGビデオカメラとしての使い勝手を両立させるのは難しかった。そのため新しい種類のビルドアップキットが用意された。
CBK-FS7BKビルドアップキットの概要
FS7 / FS7 IIをENGスタイルのカメラに変えるためCBK-FS7BKが用意されたが、これは前述のXDCA – FS7の派生機種のように見える。これにより機能を拡張することができ、専用のEVFや新しいショルダーパッド/プレートが付属している。
ニュース撮影用のスタイルにするには、CBK-FS7BKビルドアップキットは有用だろう。XDCA-FS7の良いところを取り入れ、DWRシリーズやURXシリーズなどのワイヤレスオーディオシステムにも対応する。またワイヤレスLANや4G / LTE接続を介したストリーミングやファイル転送も可能だ。デュアルリンク接続のQoSストリーミング(オプションのXDCAMエアサブスクリプションが必要)は、2つのセルラーネットワークを多重化することで画質と安定性を向上させる。
拡張ユニットの背面には以前と同じ接続ができ、タイムコードの入出力、ゲンロック、12ビットRAW出力(最大240 fps)、およびVマウントバッテリプレートが付いている。
さらに、このキットには、新しく設計されたEVFが含まれている。これは、同社の大型2/3インチENGカメラに搭載されているモデルをはるかに超えた外観をしている。キットには、新設計のショルダーパッドも付属しており、三脚を使わない撮影でも安定した撮影ができる。このショルダーパッドは前後にスライドさせることにより、最適のバランスポイントにセットすることができる。
価格と発売時期
CBK-FS7BKビルドアップキットは、2019年12月に発売予定で、約7300ドル。 LA-EB1 B4マウントアダプターはさらに5600ドル必要だ。 FS7 IIが約9000ドルなので、かなり高価なオプションになる。
前述のように、FS7 / FS7 IIユーザーは既にキットを構築している可能性があるため、このビルドアップキットが少し遅すぎた可能性がある。しかしFS7をENGスタイルで使用するのは放送用途には歓迎されることだろう。私はFS7 / FS7 IIでかなりの量の放送用の撮影をしたが、確かに古典的なXDCAMのような放送用のカメラほど最適なものではなかった。しかしいずれにせよ発売時期が遅いのと、価格が高いのは普及にネックとなるかもしれない。
Links: Sony CBK-FS7BK