ソニーFX9ファームウェアアップデートバージョン2.0は、当初の予定よりも約1か月早くリリースされた。このアップデートにより、5Kクロップフレームレートが装備され、4K 50 / 60pが内部記録可能となり、FHD 180fpsの記録も可能となる。 FX9は、瞳AF、4K 16ビットRAW出力(拡張ユニット必要)、ディスプレイのタッチスクリーンサポート、ユーザー3D LUTなども使用できる。
ソニーFX9カメラのファームウェアアップデート2.0は2020年4月に発表された。当初ソニーはこのアップデートは2020年10月にリリース予定と述べていたが、現在ファームウェアアップデート2.0はすでにダウンロード可能になっている。
改善点は以下の通り。
2.0の改善点
追加された機能は非常に多く、有益なアップデートだ。以下に新機能を解説する。
新しいフレームレートと解像度
予定通り、新しいフレームレートと解像度が追加され、オーバーサンプリングを伴うフルフレーム4K 60p / 50p記録が可能となった。ただし、イメージセンサーのスキャンサイズは約5Kなので、実際にはフルフレームモードではなく、わずかなクロップがある。
DCI 4K(4096x2160px、17:9)で60p、50p、30p、25p、24p記録が(フルフレームとSuper35の両方で)有効になった。さらに、フルHD 180fps撮影モードが追加された。
RAW出力とデジタルワイヤレスオーディオ
新しい内部記録モードに加え、ファームウェア2.0では16ビットRAW出力もサポートされる。ただしこれはXDCA-FX9拡張ユニットが必要。拡張ユニットは希望小売価格315,000円(税別)で販売されているため、かなりの投資が必要で、カメラの重量も増加する。
XDCA-FX9ユニットはRAW出力に加え、DWXスロットインデジタルワイヤレスオーディオレシーバーのサポートも有効にする。
オートフォーカスとタッチスクリーン
顔検出オートフォーカスが、新しいファームウェアアップデートでさらに強化される。顔検出AFに加え、瞳AF機能が追加される。
タッチスクリーン機能により、画面をタップすることでフォーカスエリアを選択できるようになる。メニューやその他のさまざまなカメラ設定も、画面を直接タッチして操作できる。
拡張ISO範囲、3D LUT、HDR
ISO /ゲイン設定の上限が引き上げられる。 High Base ISOが102,400まで利用できるようになった(以前の制限はISO12,800)。低ベースISOは、12,800まで利用できる(以前の制限はISO2,500)。
新しいファームウェアでは、ユーザーがカスタム3D LUTを追加することもできる。 HLG(Hybrid Log Gamma)カーブによるHDR撮影機能も追加された。
6G-SDIのサポート
発売時に利用可能だった12G-SDI出力(4K 59.94 / 50p)を補完するため、6G-SDIを追加し、1本のSDIケーブルで4K 30 / 23.98p出力ができる。
XLR-K3Mのサポート
デジタルI / Fを備えたマルチインターフェース(MI)シューを介してXLR-K3Mオーディオアダプターをサポートする。
アップデートは無料
Sony FX9ファームウェア2.0は、無料でダウンロードできる。
ラボテストの更新
先日、FX9ラボテストとして、ダイナミックレンジとローリングシャッターのテストを公開した。このテストはファームウェア1.0で実施されたため、ファームウェア2.0で再施行する予定。