ソニーがFX9 ファームウェア V3を公開 – アナモフィック表示モード、タッチトラッキングAFなどを追加
ソニーFX9ユーザーにはお待たせだったが、約束通り、FX9のファームウェアV3が発表された。私はソニー本社を訪問し、新しいファームウェアがFX9ユーザーにどのようなものを提供するのかを直接知ることができた。
FX9は2年以上前に発売されたが、ソニーがその魅力を持続させていることは間違いなく素晴らしいことだ。今でも、特に(クリエイティブな)放送の世界では、最も人気のあるカメラの一つであることは間違いない。この新しいFWアップデートについては、すでに別の記事で紹介しているが、ここでは簡単にレビューする。
FX9ファームウェアV3の主な特徴は以下の通り
- アナモフィックレンズのサポートに加え、液晶ビューファインダーでの2倍のデスキューを実現
- イーサネット経由でカメラを制御するためのS700PTPリモートプロトコル
- ソニーLA-EB1アダプター使用時のB4レンズ対応 – S16スキャンモード(最大1080p)、レンズコントロール、ALAC(自動レンズ収差補正)機能
- PXW-Z280などに搭載されているデジタルエクステンダーのように、スキャンモードをシームレスに切り替えられるセンタースキャンモードスイッチ(FF6K、FFクロップ5K、S35、S16)
- 液晶ビューファインダーにタッチしてフォーカスポイントを選び、その動きを追跡することができるリアルタイムトラッキング(タッチトラッキングAF)
- C3ポータル対応 – 専用モバイルアプリでクラウドに接続可能
- PXW-FS7と同様のクリップネーミング(カムID+リール番号)
- フォーカスゼロマーカー(MF時の特定のフォーカス位置からのフォーカスギャップを数値で示す)により、時間的にフォーカスするポイントを指定し、そこに自由に戻ることができる。
- ステータス画面で追加項目を変更可能
- SR Live for HDRメタデータ対応
- 記録用プロキシクリップのリアルタイム転送
これらの追加機能の中で、特に注目したいのは以下の点だ。
イーサネット経由のリモートプロトコルでカメラを制御
FX9は放送局で非常に人気の高いカメラのため、S700TPでのリモートコントロール機能を含め、スタジオやライブイベント用に機能を拡張することは、必須なことだった。
B4レンズサポート(S16/2K)
世の中にはたくさんの放送用ズームレンズがあり、そのほとんどがキヤノンやフジノン製で、それらのレンズは最も一般的な放送用カメラに搭載されている2/3インチセンサー用に作られている。しかし、ソニーのFX9はフルフレームカメラであるため、レンズのイメージサークルが小さすぎてセンサー全体をカバーできない。そこでソニーは、S16 2Kスキャンクロップモードを採用し、HD撮影時にフレーム全体を適切にカバーできるようにしている。さらに、この新しいモードは、カメラメニューからボタンに割り当てられ、素早くアクセスできるようになっている。(4/6Kではなく、適切なHD撮影モードにしておかないと、このクロップ機能は有効にならない)。
このモードで撮影すると、以下のようなメリットがある。また、センサーがピクセルをスキップしないため、毎秒60フレーム以上の撮影では、フルフレームで撮影した場合よりもクリーンで高品質な画像が得られる。
タッチトラッキングAF
液晶画面をタッチしてのAFポイントの変更が可能になった。さらに、被写体にAFをロックし、必要に応じてカメラを移動させることも可能だ。
アナモフィックモニターモード
デスクイーズ機能が追加され、カメラのビューファインダー/LCDモニターでその結果を確認することができる。S35モードで1.3xまたは2.0xのアナモフィックレンズを使用して撮影し、画像を正しくデスクイーズすることが可能になった。もちろん、アナモフィック画像を外部モニターに出力することもできるが、適切なデスクイーズを行うためには、外部モニターが必要になる。
まとめ
FX6の登場により、FX9の注目度が相対的に低下した。しかし、ファームウェアアップデートのリリースで新しい機能が追加され、再び競争力が高まったといえる。
価格と発売時期
V3ファームウェアアップデートは、ソニーのサイトから無料でダウンロードできる。