ソニーは、放送局や報道プロダクション向けに、高速・低遅延でわかりやすいワークフローの5Gポータブルビデオトランスミッター「PDT-FP1」を近日発売すると発表した。
報道、放送、ニュースの現場で働いたことのある人なら、データ伝送のスピードと効率が必須であることを知っているだろう。幸いなことに、信号が最終目的地に到達するのに苦労していた時代はとうの昔に過ぎ去り、今日の通信はより安定的かつ効率的になっている。
PDT-FP1の概要
ソニーの新製品PDT-FP1は、高速性能が要求される環境向けに設計されたワイヤレス機器である。高速、低遅延、モバイルデータ通信、5G対応により、Wi-fiが利用できない環境でも動作する。
PDT-FP1では、LANポート経由で写真や動画を送信したり、デュアルSIM対応で海外を含む5Gで送信したりできる。ライブストリーミングやFTP転送も可能で、ワイヤレス通信により、遠隔地やカメラと配信スポットが異なる場所での機材ニーズやセットアップを簡素化できるはずだ。また、2つのUSB-Cポート(1つは充電用)とHDMI接続も備えている。
PDT-FP1は扱いやすいボディ形状とサイズで、重量は約300gr/0.66lbsだ。カメラを三脚に固定するためのネジ穴のほか、ケーブルやアクセサリーなどを取り付けるためのストラップホールも備えている。本体ストレージは、8GB(RAM)と256GB(ROM)の内蔵メモリーを搭載し、最大1TBのmicroSDXCカードに対応している。
高速・低遅延・海外伝送を実現
ソニーの発表では、高速・低遅延性能に最適化された独自のアンテナ構造が強調されている。PDT-FP1は、国内外の5Gミリ波帯、Sub6通信、スタンドアロン5G通信、ローカル5Gなど幅広いバンドに対応している。
プラグイン式の物理SIMに加え、抜き差し不要のeSIMとのデュアルSIM設定も可能だ。電波状況に応じて、より接続しやすいSIMを自動的に選択できる。
冷却システム
PDT-FP1は冷却ファンを搭載しており、40℃までの環境でも性能を維持できる。また、薄型設計ながら内部の熱を逃がす構造により、安定した連続通信を実現している。撮影状況に応じて、冷却ファンの動作モードを自動、冷却優先、静音優先に設定できる。
ワークフローとソニー製カメラとの互換性
PDT-FP1を対応するソニーのカメラにケーブルで接続すると、ブラックマジックのようなブランドが放送用製品で行っているのと同様に、映像を取り込んで指定のFTPサーバーやソニーのクラウドサービスに転送することができる。本体には6.1インチのディスプレイが搭載されており、ファイル転送状況や通信品質を確認しながら撮影することができる。
価格と発売時期
これはソニーの最初の発表であるため、発売日が近づくにつれて、PDT-FP1についてより多くの情報が提供されると思われる。発売日は2024年3月22日で、希望小売価格は159,500円(約1090ドル)となる。予約販売は2024年2月7日(水)10:00から開始される。