ソニーRX100 VIをテスト撮影する
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ソニーのコンパクトな1インチセンサーカメラRX100 VIは先週発表されたが、イタリアのベネチアで開催されたソニーのイベントでテスト撮影できたのでレポートする。
ソニーの新しいカメラRX100VIの導入イベントがベネチアで開催され、フライト後ホテルまではボートで移動した。2日間RX100VIでベネチアの風景を撮ったが、ソニーがこのカメラの対象ユーザーにVloggerを入れているため、特にVloggerにとって使いやすいカメラなのかを確認してみた。
ビデオ関連で追加された機能
- 200mm ULTRAズーム
- 高速オートフォーカス
- チルトスクリーン
- S-log 3およびHLG(Hybrid Log Gamma)ピクチャプロファイルとプロキシ録画
- ハイフレームレート撮影記録時のバッファ時間を延長
このようなコンパクトカメラで24-200mmのズームは実に画期的だ。LCDモニターに関しては、回転することはできないが、チルトだけでも十分便利だ。またオートフォーカスが実に高速で、快適に動作する。長時間のショットは撮影しなかったので、どれくらい熱くなるのかは不明だ。ハイフレームレートで撮影する場合、バッファ時間が長くなればなるほどスローモーションを長く記録することができるが、その分バッファリングする時間が長くなり、その間カメラは使えないことは知っておいたほうが良いだろう。
変更されなかった部分と次モデルへの希望
- 従来モデルのバッテリーと同じなので、1日中撮影しているような場合は十分な量のバッテリーを用意する必要がある
- 最小絞りf11、通常の画像プロファイルで最小ISO 125、S log-2/S log-3で最小ISO 1000、かつフロントフィルタスレッドが無いということは、何らかのNDフィルターソリューションをユーザーが考えなければならない。ソニーのアクセサリーには用意されていないので、サードパーティ製を購入する必要がある。
- 特にVloggersが使用する場合、おそらくこのカメラの最大の欠点となるのは、外部マイク入力とヘッドホン出力が無いことだろう。
その他
- 低照度特性の低下も上げておく必要がある。ソニーRX100Vは開放でf1.8だったが、残念ながら新製品ではこの重要な機能が継承されておらず、f2.8(〜f4.5)となっている。これは屋内撮影時に影響し、その場合には十分なライティングを用意する必要がある。夜の屋外での撮影も限られたものになるだろう。
- 4KとHD撮影時の内部手ブレ補正の効き具合はほぼ前モデルと同じで、改善の余地がある。
- 三脚機能付きシューティンググリップVCT-SGR1は、イベンでも紹介された。このアクセサリーは、カメラのREC ON/OFFすることができ、ズームもコントロールできる。 VCT-SGR1は他のRXカメラでも動作する。
まとめ
RX100VIは、200mmズームやチルトスクリーンなど優れた機能を備えたコンパクトなカメラだ。しかし、1200ドル(日本での想定価格は140,000円前後:税別)の価格と限られたオーディオ機能ゆえ、必ずしもVloggersにとって最適とは言えないかもしれない。私の意見では、このカメラは”エンジニアリングプロダクト”であり、 “ユーザープロダクト”ではないように思われる。ユーザーにとって使いやすさが充分でないことを、ソニーには是非知っていただきたい。このカメラのビデオ機能が重要であるならば、特にVloggersのようなユーザーに使ってもらおうとするなら、次のモデルではビデオ機能のユーザビリティと機能性を向上させていただきたいと願う。
RX100VIは2018年6月22日発売予定。
RX100VIのWebページはこちら。 VCT-SGR1シューティンググリップのWebページはこちら。
Music for the above video was take from Art-list, In the Music by Gran Torino