ソニーがCineAlta VENICEを発表 - 6Kフルサイズセンサー搭載のハイエンドシネマカメラ
英国のパインウッドスタジオで開催されたイベントで、ソニーは長らく期待されていたハイエンドのフルフレームシネアルタカメラ「VENICE」を発表した。フルフレームセンサーを採用し、6Kでの撮影が可能だ。
私はここイギリスの伝統あるパインウッドスタジオにいる。ソニーのフラッグシップシネマカメラ、VENICEが、ここで初めてお披露目された。VENICEは、ソニーのCineAltaラインアップの新しいフラグシップモデルになり、F65に置き換わる大きなステップだ。
8段階のNDフィルターを内蔵
VENICEにはCineAltaカメラでは初となる8ステップのNDフィルターを搭載した。 2つのNDホイールを組み合わせることにより、ND値は0.3(1/2)~2.4(1/256)で可変でき、リモートでの操作も可能。
ソニーは、新しいセンサーにより、自然な “フィルムライク”な色再現を目指した。
フルフレームの36x24mmサイズを持つセンサーは6Kの解像度を誇る。同社はこのカメラを“アスペクトレシオに依存しないカメラ”と呼ぶ。その意味は、Super35mm(17:9と16:9)、フルフレーム35mm、そしてSuper35フルハイト2.0x圧縮アナモフィックレンズを使用できることによる。 Full Frame 35mmではフル6Kでの撮影が可能で、Super35では4Kとなる。発売当初(2018年2月)ではフルフレーム録画はできないが、2018年夏には有料アップグレードとして提供される予定。
15stop以上のラチチュードを実現しており、したがってHDR撮影にも適している。同社によると、BT.2020の色域を超えるものとしている。
PLとEマウントを採用
VENICEにはPLマウントが標準装備されており、アナモフィックレンズを含み、すべてのSuper35 mm PLレンズとフルフレームPLレンズを使用することができる。
更に、マウントはFS7 IIのようなレバーロックタイプを採用したEマウントに交換することができる。これにより、レンズの選択肢や制作予算に合わせた撮影の幅が広がる。
また、カメラのアシスタント側にメインディスプレイを備えたデュアルディスプレイ方式を採用している。オペレーター側には、ND、シャッター、FPS、ホワイトバランスなどの機能をコントロールできるOLEDディスプレイが装備される。
なお、このカメラには、Lemoポートや24V出力のアクセサリー用電源オプションも用意されている。
防塵防滴で堅牢な設計
ソニーはボディ内部を一から再設計した。エレクトロニクスはすべて独立したシャーシに格納されている。これにより、外部からの埃や水の侵入をブロックしており、過酷な環境下の撮影でもカメラの性能に影響を与えない。放熱システムも完全に再設計されている。ソニーは、VENICEは厳しい条件でテストされ、非常に堅牢であるとしている。
システムアップに関しても、F65よりもはるかに柔軟性があり、RAWレコーダーのようにF55用に設計されたアクセサリーもこのカメラで使用できる。
F55 / F5のオプションのDVF-EL200ビューファインダーは、VENICEのビューファインダーとしても推奨されるオプションだ。
記録フォーマット
記録フォーマットは各種用意されており、AXS-R7外部レコーダー使用してX-OCN(16bit eXtended tonal range Original Camera Negative)とRAW(16bit)、内部記録でSxSカードにXAVC-IおよびProRes(HDのみ)の各フォーマットを記録できる。
各ポストプロダクションアプリケーションに対応
Adobe Premiere Pro CC、Blackmagic Design DaVinci Resolve 14、FilmLIght(Baselight 5.0およびDaylight 5.0)などのポストプロダクションパッケージ、あるいはColorFront Transkoderは既にVENICEのフォーマットをサポートしている。
またソニーのCatalyst BrowseとRAW Viewerの各ソフトウエアはVENICEをサポートするためアップデートを予定している。
フルフレームとアナモルフィック機能はオプション設定とされており、別途ライセンスの購入が必要。
発売予定は2018年2月。市場推定価格は本体のみで4,000,000円前後とされている。
ソニーのVENICE webサイトはこちら。