ソニーは同社のフラグシップシネマカメラVENICEの新しいファームウエアVer.4.0をリリースした。オプションのHFR(ハイフレームレート)ライセンスを取得すると、4K/120fpsで撮影することができる。ファームウエアVer.4.0自体は無料だが、HFRモードはオプション。2019年6月にリリースを予定している。
ソニーは今年6月にVENICEのファームウエアVer.4.0のリリースを予定しているが、ハイフレームレート撮影には別売のHFRライセンスが必要となる。価格は未定だが、機能はすでに決定している。
ファームウエアVer.4.0の概要
ソニーはジェームス・キャメロン(James Cameron)監督のLightstorm Entertainmentとの協業で、拡張システム(CBK-3610XS)を開発した。カメラモジュールを本体から最大5.5m離して撮影することができる。このシステムを使用して、現在「アバター」(原題:Avatar)の続編が撮影されている。(記事はこちら)
ファームウエアVer.4.0ではこのシステムのサポートに加え、以下のような機能が追加されている。
- Cookeの最/ i3およびZEISS拡張データテクノロジー(Cooke / iテクノロジがベース)のサポート
- VENICEをリモートコントロールするための700Pプロトコルに対応
- フレームライン設定の拡張マスク+ライン設定
- DVF-EL200ビューファインダーのアサイナブルボタンに機能を選択可能
- 25pと29pのプログレッシブHD-SDI出力
新しく開発された700プロトコルにより、リモートコントロール機能がさらに拡張された。 更にペイントコントロール、アイリスコントロール、レコーディングスタート/ストップ、クリップコントロールなどにも対応した。これは、ライブイベントだけでなくマルチカメラの設定にも有用だ。
Cooke / i3およびZeiss eXtended Dataプロトコルのサポートにより、受信メタデータをRAW / X-OCN / XAVCファイルやVENICEのHD-SDI出力に直接埋め込むことができる。専用のメタデータ機器は必要ないので、カメラのまわりの機材を減らすことができる。埋め込まれたメタデータは、ハイエンド撮影のためのポストプロダクションワークフローを簡略化しスピードアップを図ることができる。
4K 120p のHFRモード(オプション)
無料でダウンロードできるファームウエアVer.4.0をインストールすると、有償オプションのHFRライセンスキーを適用することができる。HFRキーにより、以下の機能が有効になる。
- 120fps @ 4K 2.39:1
- 60fps @ 6K 3:2
- 110fps@ 4K 17:9
- 75fps @ 4K 4:3 アナモフィック
従来の計画では、Ver.4.0で2K 120Pモードをリリースする予定だった。しかし、この予定は4Kでの対応に変更されたと同社のプロダクトマーケティングマネージャーSebastian Leske氏は述べている。
昨年のCine Gear Expoで、Ver.4.0は2Kで120fpsをサポートすると発表しました。しかし、エンジニアリングチームの努力の結果、このバージョンで4K 120fpsをサポートできることになりました。
すべてのハイフレームレート記録ではX-OCN XTを含むX-OCN記録をサポートする(6K 3:2 50p / 60pには対応していない)。XAVC 4KおよびProResレコーディングでは最大60fpsのハイフレームレートをサポートする。
価格と発売時期
ファームウエアVer.4.0とオプションのHFRライセンスは2019年6月にリリース予定。HFRライセンスの価格はまだ決定されていないが、ファームウエア自体は無料でダウンロードできる。
VENICEはファームウエアのアップデートを重ね、機能も充実してきた。しかし例えばREDは、RED Dragon-X 5K S35で5K 2.4:1で120fpsでの撮影が可能で、有料ライセンスは必要ない。 VENICEのHFRライセンスの価格が興味あるところだ。
ソニーのウェブサイトはこちら。